君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第3章 勇気を持って一歩踏み出せば

凛々しくありたいとどこかで願ってる2。

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ダンスの輪から外れ、次の曲のタイミングでホールの周りにいた卒業生達が一斉に踊りだした。
一度両親の元へライと一緒にくれば、そのままラズ様に腰を抱き寄せられた。

「レティ。」
「ラズ様、次の曲で踊りますか?」
「お気に入りを二曲先に頼んだから次の曲は、父君かレオ達と踊ったらいいよ。」
「まぁ、そうですの。でいしたらそういたしますわ。お父様はお母様と踊られますか?」
「いや、アナスタシアは今日は踊らないとのことだからな、私も踊らないよ。妃殿下と話すらしい。」
「わかりましたわ。では、レオ兄様お相手お願いしても?」
「もちろん。」

ラズ様から離れ、レオ兄様の手をとった私はそのまま輪の中と入っていた。
そのあとアル兄様と踊った。
そして、ラズ様がリクエストした曲の前に少し間があり、私たちの方へ歩いてきた。

「レティーシア、私とも踊ってくれる?」
「もちろんですわ。」

優雅に一礼をし、アル兄様がラズ様に一礼をし、離れたタイミングで曲が流れ出す。
あぁ、確かにラズ様はこの楽曲は昔から好きなのだが、少しダンスの難易度が高い。
ある程度までは踊れるだろうが、完璧とまではいかないだろう。
実はこの曲私の両親が大好きな曲で、幼い頃それを見たラズ様は必死に覚えたらしい。
私も姉様達やお母様達が踊ってるのを見て、憧れから習いはじめた。
通常のワルツよりテンポが速いのだ。
必然的に周りで踊っていた生徒達は、ホール外へ出ていってしまった。

「ラズ様は、私以外とは踊られないのですか?」
「レティ以外と?リリーやヴィーとなら分かるけど、他は少し考えてしまうよ?私は王太子と地位にあるし、恋愛結婚すると宣言してるから、余計な期待はさせるべきじゃないだろう?」
「確かにそうですわね。」
「そうそう、ライも縁談話が出てて、好きな人じゃないと俺も結婚しないと、言っていたよ。」
「まぁ!でも、私もそれは賛成ですわ。幸せになって欲しいですもの。」

ふふっと笑えば少し、拗ねたような表情をしたラズ様が目に入る。

「少し妬けるなぁ。」
「私の一番はラズ様ですわ。ライは家族で幼馴染ですもの。兄様達やお母様達と同じくらい大切ですから。ラズ様もでしょう?」
「確かにね。」

ふわりとリフトされ、少しくるくるまわれば終わりだ。
離れて一礼して手を取った所で視界に花びらが映り込んだ。

見上げれば、ヒラヒラと天井から花びらが舞い誰かの幻影魔法を使っているのだろうと思った。
ダンスフロアから離れれば、花びらは消え先程までのフロアに戻った。
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