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第2章 憧れた夢の途中
女神の祝福。
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式典が行われていた広間に光が溢れ、その光景は城下の人々も目撃をする事になる。
そして、その光と共に女神フレイアが国中に広がるように色とりどりの花弁を雨のように降らせた。
人々は、この国はまだ女神の加護があると、大いに建国祭を祝った。
国中が飲めや歌えやの状況の頃王城の一室には、国王夫妻とルイ殿下、ラズ様、ライ、エレノアール、エスティル、アトラス各侯爵家の夫婦とその子供たちが集まっていた。
メインで話すのは、私と陛下、そして私の両親で他は疑問があれば聞くといったようなものだ。
私にあった傷はラズ様が治してくれた。
侍女達がそれぞれお茶の準備をし、軽食を持って来てくれた。
他の侯爵家は、建国祭のパーティの準備をしてくれている。誕生日パーティも、らしいがどちらかと言うと、婚約発表のパーティにもなる。
なので後日寮で身内だけのお祝いをしようと言うことで、落ち着いた。
今集まっているのは、私の容姿に関してだ。
女神フレイアは、後で容姿が元に戻ると言っていた。
私の元の容姿を記憶していたのは、両親と陛下、ルイ様の4人だけだった。
「父上、レティの容姿はそんなに変化するのですか?」
「変化と言うよりも、色彩が変わるだけだ。」
「色彩ですか?」
キョトンとした表情で訪ね返す。
「髪色と瞳の色が魔力が完全に戻れば戻る。」
「では、今この色は?誰かの魔法でしょうか?」
髪をひと房に視線を落とす。
父様譲りのオレンジ色の髪色と母様譲りのコバルトブルーの瞳の色は私自身気に入っているし、髪色で言うのであれば、アル兄様と一緒だ。
「その色彩は魔力が普通の人と同じ、もしくはアルと同じ位であれば、その色です。」
「私の魔力はそれ以上というのですか?」
「そうだね、レティの魔力に関してはラズと同等かそれよりも多いと思うよ?女神フレイアが同等の魔力を与えてしまったと言っていたし、何より娘のように思われているからね。だから、女神フレイアが封印をしなければ、レティは命を落としていた可能性が高い。」
「魔力の使い方などは、魂が覚えておるし、知識は入っているだろう?実地はアルやラズと共にすればよい。」
「本来のレティの色彩はなんですの?」
ヴィー姉さまが、カップを持ちながら脱線しそうになった会話を修正する。
「レティの本来の色は、プラチナブロンドとチェリーピンクの瞳だ。」
「それって・・・。」
「そう、女神フレイアと同じだ。」
父様が言うのであれば、本当なのだろう。
しかし、私自身がその色彩を持っているとは思わなかったし、魔力量に関してもラズ様と同等だとは思わなかった。
魔力がないのに、攻撃魔法を弾き返す経緯はそのあたりが原因なのかもしれない。
ひとまず、一気に与えられた情報が多すぎて整理するのに時間が欲しい。
つまり、本当に私がその色彩の持ち主なら(認めにくいけど)王家への嫁入りは、たとえ現王妃が我候爵家から出てたとしても、私に決まっていただろう。
それだけ、その色彩を持つ乙女は重要視される。
ましてや候爵家。
次代の王妃としての運命は決まっている。ただ、それを私は命に関わる程の魔力の急いで封印されていたということなのだろう。
納得。
姉さま達が候補で居続けたのは、私が魔力なしだとか姉さまたちの方が相応しいなどといった余計な言葉をなるべく聞かずに済むようにという優しさからだたらしい。
それを聞いた本人よりも、姉さまたちが影で怒っていたことに関しては初めて知ったのだが。
なので、国民への婚約のお披露目は色彩の変化を待たず、予定通り卒業後に行うこととなった。
その時色彩が変化しているのであれば、女神の愛子という事も発表するらしい。
理由としてはその方が王城の光と女神フレイアの祝福にも説明が簡単で済むという事だった。
そして、その光と共に女神フレイアが国中に広がるように色とりどりの花弁を雨のように降らせた。
人々は、この国はまだ女神の加護があると、大いに建国祭を祝った。
国中が飲めや歌えやの状況の頃王城の一室には、国王夫妻とルイ殿下、ラズ様、ライ、エレノアール、エスティル、アトラス各侯爵家の夫婦とその子供たちが集まっていた。
メインで話すのは、私と陛下、そして私の両親で他は疑問があれば聞くといったようなものだ。
私にあった傷はラズ様が治してくれた。
侍女達がそれぞれお茶の準備をし、軽食を持って来てくれた。
他の侯爵家は、建国祭のパーティの準備をしてくれている。誕生日パーティも、らしいがどちらかと言うと、婚約発表のパーティにもなる。
なので後日寮で身内だけのお祝いをしようと言うことで、落ち着いた。
今集まっているのは、私の容姿に関してだ。
女神フレイアは、後で容姿が元に戻ると言っていた。
私の元の容姿を記憶していたのは、両親と陛下、ルイ様の4人だけだった。
「父上、レティの容姿はそんなに変化するのですか?」
「変化と言うよりも、色彩が変わるだけだ。」
「色彩ですか?」
キョトンとした表情で訪ね返す。
「髪色と瞳の色が魔力が完全に戻れば戻る。」
「では、今この色は?誰かの魔法でしょうか?」
髪をひと房に視線を落とす。
父様譲りのオレンジ色の髪色と母様譲りのコバルトブルーの瞳の色は私自身気に入っているし、髪色で言うのであれば、アル兄様と一緒だ。
「その色彩は魔力が普通の人と同じ、もしくはアルと同じ位であれば、その色です。」
「私の魔力はそれ以上というのですか?」
「そうだね、レティの魔力に関してはラズと同等かそれよりも多いと思うよ?女神フレイアが同等の魔力を与えてしまったと言っていたし、何より娘のように思われているからね。だから、女神フレイアが封印をしなければ、レティは命を落としていた可能性が高い。」
「魔力の使い方などは、魂が覚えておるし、知識は入っているだろう?実地はアルやラズと共にすればよい。」
「本来のレティの色彩はなんですの?」
ヴィー姉さまが、カップを持ちながら脱線しそうになった会話を修正する。
「レティの本来の色は、プラチナブロンドとチェリーピンクの瞳だ。」
「それって・・・。」
「そう、女神フレイアと同じだ。」
父様が言うのであれば、本当なのだろう。
しかし、私自身がその色彩を持っているとは思わなかったし、魔力量に関してもラズ様と同等だとは思わなかった。
魔力がないのに、攻撃魔法を弾き返す経緯はそのあたりが原因なのかもしれない。
ひとまず、一気に与えられた情報が多すぎて整理するのに時間が欲しい。
つまり、本当に私がその色彩の持ち主なら(認めにくいけど)王家への嫁入りは、たとえ現王妃が我候爵家から出てたとしても、私に決まっていただろう。
それだけ、その色彩を持つ乙女は重要視される。
ましてや候爵家。
次代の王妃としての運命は決まっている。ただ、それを私は命に関わる程の魔力の急いで封印されていたということなのだろう。
納得。
姉さま達が候補で居続けたのは、私が魔力なしだとか姉さまたちの方が相応しいなどといった余計な言葉をなるべく聞かずに済むようにという優しさからだたらしい。
それを聞いた本人よりも、姉さまたちが影で怒っていたことに関しては初めて知ったのだが。
なので、国民への婚約のお披露目は色彩の変化を待たず、予定通り卒業後に行うこととなった。
その時色彩が変化しているのであれば、女神の愛子という事も発表するらしい。
理由としてはその方が王城の光と女神フレイアの祝福にも説明が簡単で済むという事だった。
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主人公は隣国のお姫様ですがライラックのお話です。ご興味のあるかたはよろしくお願いいたします君がずっと好きでした。
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