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第1章 王太子殿下の婚約者候補
お守り。
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寮の談話室にあるお気に入りのソファに座り、読みかけの本を読みながらラズ様とライが帰ってくるのを待っていた。
今高等部に在籍している王族、六侯爵家の人間は私を含めて4名。
最高学年に第二王子のライと私。二年生に武のマルグリット候爵家のアイク、法のヴァリエーレ侯爵家のフィデリオ、の四人がこの寮の住人である。
談話室の扉が開き人が入ってくる気配がしたので顔をあげれば、黒髪に濃い紫の瞳をもった長身の男子生徒が立っていた。
「レティねぇさんもう、遅いからそろそろ寝たら?」
「あら、アークもうそんな時間?」
「ねぇさんが普段寝ている時間ではあるかな?誰か待ってた?」
「ラズ様とライを」
「兄さん達を?それこそ遅くなるんじゃないかな?二人とも校舎内で見たけど、相当機嫌悪そうだったから。」
「機嫌が悪い?」
「そう、かなり。とりあえず、俺もリオも姉さん絡みだと思ってる。どうせ、泊まるのだろうし明日の朝食の時でもいいと思う。逆に起きてて怒られそうじゃない?」
「それもそうね。私絡みで何かあったかしら?」
「あの人達の基準がよくわからないからなんとも言えないけれど、姉さんは姉さんらしく居ればいいと思う。」
「それもそうね。じゃあ、おやすみアーク。」
「おやすみ姉さん。」
お休みの挨拶をし、談話室を出た私はそのまま自室へ戻りベットへ入り眠りについた。
翌朝朝食を囲むテーブルには、寮の住人とラズ様の五人で朝食を取った。
ライによれば結局昨日帰ってきたのは日付が変わった後らしく、そのまま一度解散をして寝たそうだ。
話の内容は学院の最近の状況だったり、何か意見が上がってきていないかなど運営に関する話をしたそうで、表向きの話は私もそう思っている。
昨日のアークの話を合わせれば違うこともきっと話しているはずだが、それでもその話題が出なかったということは触れるなということだろう。
「そうそう、レティこれ私とライから。それぞれ必ず身に付けておくこといいね?」
食後のお茶を飲んでいる時に渡されたのはゴールドのブレスレットとピンキーリング。それぞれエレノアール候爵家の華であるオリーブとブルーベリーの花が模してある。
「一応お守りだ。マリーから貰ったものも身に付けているのだろう?それも追加で持って置けばいい。俺か兄貴、アークに連絡がいくようになっている。」
「その三人という事は武か魔法が必要な時ですね。レティねぇさま大丈夫です。法が動くときは僕が守りますから。」
「ふふ、ありがとうリオ。ラズ様もライもありがとうございます。」
渡されたブレスレットと指輪を付けながらどこか悔しそうな表情をする、フィデリオの頭をなでる。
身長は私と変わらず、ふわふわとしたライム色の髪の毛ライトイエローの瞳を持ちメガネをかけている。女の子顔負けの美少年っぷりだ。
お茶を飲んだあと、私達はそのまま学院へ登校する前に校門までラズ様を見送るために行き、ハグをした後各々の教室へと向かった。
今高等部に在籍している王族、六侯爵家の人間は私を含めて4名。
最高学年に第二王子のライと私。二年生に武のマルグリット候爵家のアイク、法のヴァリエーレ侯爵家のフィデリオ、の四人がこの寮の住人である。
談話室の扉が開き人が入ってくる気配がしたので顔をあげれば、黒髪に濃い紫の瞳をもった長身の男子生徒が立っていた。
「レティねぇさんもう、遅いからそろそろ寝たら?」
「あら、アークもうそんな時間?」
「ねぇさんが普段寝ている時間ではあるかな?誰か待ってた?」
「ラズ様とライを」
「兄さん達を?それこそ遅くなるんじゃないかな?二人とも校舎内で見たけど、相当機嫌悪そうだったから。」
「機嫌が悪い?」
「そう、かなり。とりあえず、俺もリオも姉さん絡みだと思ってる。どうせ、泊まるのだろうし明日の朝食の時でもいいと思う。逆に起きてて怒られそうじゃない?」
「それもそうね。私絡みで何かあったかしら?」
「あの人達の基準がよくわからないからなんとも言えないけれど、姉さんは姉さんらしく居ればいいと思う。」
「それもそうね。じゃあ、おやすみアーク。」
「おやすみ姉さん。」
お休みの挨拶をし、談話室を出た私はそのまま自室へ戻りベットへ入り眠りについた。
翌朝朝食を囲むテーブルには、寮の住人とラズ様の五人で朝食を取った。
ライによれば結局昨日帰ってきたのは日付が変わった後らしく、そのまま一度解散をして寝たそうだ。
話の内容は学院の最近の状況だったり、何か意見が上がってきていないかなど運営に関する話をしたそうで、表向きの話は私もそう思っている。
昨日のアークの話を合わせれば違うこともきっと話しているはずだが、それでもその話題が出なかったということは触れるなということだろう。
「そうそう、レティこれ私とライから。それぞれ必ず身に付けておくこといいね?」
食後のお茶を飲んでいる時に渡されたのはゴールドのブレスレットとピンキーリング。それぞれエレノアール候爵家の華であるオリーブとブルーベリーの花が模してある。
「一応お守りだ。マリーから貰ったものも身に付けているのだろう?それも追加で持って置けばいい。俺か兄貴、アークに連絡がいくようになっている。」
「その三人という事は武か魔法が必要な時ですね。レティねぇさま大丈夫です。法が動くときは僕が守りますから。」
「ふふ、ありがとうリオ。ラズ様もライもありがとうございます。」
渡されたブレスレットと指輪を付けながらどこか悔しそうな表情をする、フィデリオの頭をなでる。
身長は私と変わらず、ふわふわとしたライム色の髪の毛ライトイエローの瞳を持ちメガネをかけている。女の子顔負けの美少年っぷりだ。
お茶を飲んだあと、私達はそのまま学院へ登校する前に校門までラズ様を見送るために行き、ハグをした後各々の教室へと向かった。
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主人公は隣国のお姫様ですがライラックのお話です。ご興味のあるかたはよろしくお願いいたします君がずっと好きでした。
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