11 / 67
第1章 王太子殿下の婚約者候補
乙女の罪。
しおりを挟む
寮の部屋に戻ってきて、お風呂に入った後自室の机で資料を広げていた。
「マリー、今日も届いてたのかしら?」
「えぇ、お相手も懲りませんわね。」
「そうね・・・。」
机に広がれられたのは、脅迫状ともとれる手紙の数々。
私が読むと魔法で燃える仕組みになっているのだが、常にマリーと一緒にいるので、その魔法の被害に私が合うはずも無く、逆に送り主にそのまま魔法だけを送り返して、手紙を開いても燃えないように、マリーの魔法で保護し、手紙を証拠として残している。
人物の特定はしているのだけれど、相手が直接動くのを待っている状態だ。
マリーの魔力は平均よりも上で、エレノアール候爵家へ代々使えてくれている、伯爵家の令嬢で私の二才年上だ。
魔法の技量はアル兄様持込で、侍女の中で一番なのでその器用さもあり、私付になった。
創立祭の前あたりから、この手紙が届きだし学院では私物が失くなったりとしたが、特に実害が及ぶモノではないので、あまり気にはしていない。
私がただ勉強しか出来ないお姫様だと相手は思っているのだろう。
その証拠に、ライが傍に居ない時や周りに誰もいないときにそいう嫌がらせの類は起きる。
しかし、ある程度起きる頻度や時間帯、手紙の届き方や、証拠の消し方など情報が増えれば逆に私が気づくと言うことに気づいていないのだ。
幼い頃から宰相である父と、ラズ様の側近候補だったレオ兄様に知識を、王族に嫁ぐに辺り必要な処世術を母様に教え込まれて育ってきたのだ。
多少の嫌がらせなど想定済みだし、証拠が残っていると気づいていない時点で、相手の敗北は見えている。
そこで、浮かび上がってきたのは、先日ライと一緒にファーストダンスを踊っていた女子生徒。
オリビア・カウ・フォルスマイア伯爵令嬢。
ヴィー姉さまのファンと言うより、ヴィーお姉さまこそが王太子妃にふさわしいと信じている子。
ヴィー姉さまが好きな人がいる事を知っているのは、ごく限られた人たちだからそれは仕方の無いことなのだけれど、ヴィー姉様の気持ちを一切考えていない所は許せない。
こちらから動けない大きな理由は先日の創立祭でライと踊ったのが痛手だ。
ファーストダンスをライと踊ったことに対して、周りが彼女をライ婚約者候補に上げてしまったのだ。
これは私も想定外だ。やはりあの不機嫌だった状況は誰も気付かなかったようだ。
なので迂闊にこちらからは手は出せない。
仮に私が手を出したら、嫉妬からだとか、王太子妃候補のくせにとか、幼馴染だからだとか、何かと理由を付けられてしまう。
そうなれば色々とめんどくさいし、ラズ様やレオ兄様達に迷惑をかけてしまう。
だから直接彼女が私に手を出してくるのを待っているのだ。
彼女は魔力が無いことで私を見下している。まぁ、私が外では魔力無しをかなり気にしている。という風に振舞っているし、兄様達にもわざと外で私の魔力に関して話題が出た時はそのように、話すよう頼んでいる。
魔力がなくともそれ以外の部分でカバーをすればいいと思っているので、魔力がないことに関して、不便だと思うものの欠点だとは思っていない。
「動くならそろそろ、ね。」
「建国祭の前後でしょう。レティ様きちんとお守りは身に付けておいて下さいね。」
「わかってるわ。いつもありがとう。」
「私は私のできる事でレティ様を支えているだけです。」
にっこり微笑み、証拠の品をきちんと保管するとラズ様達が帰ってくるのを談話室で待つことにした。
「マリー、今日も届いてたのかしら?」
「えぇ、お相手も懲りませんわね。」
「そうね・・・。」
机に広がれられたのは、脅迫状ともとれる手紙の数々。
私が読むと魔法で燃える仕組みになっているのだが、常にマリーと一緒にいるので、その魔法の被害に私が合うはずも無く、逆に送り主にそのまま魔法だけを送り返して、手紙を開いても燃えないように、マリーの魔法で保護し、手紙を証拠として残している。
人物の特定はしているのだけれど、相手が直接動くのを待っている状態だ。
マリーの魔力は平均よりも上で、エレノアール候爵家へ代々使えてくれている、伯爵家の令嬢で私の二才年上だ。
魔法の技量はアル兄様持込で、侍女の中で一番なのでその器用さもあり、私付になった。
創立祭の前あたりから、この手紙が届きだし学院では私物が失くなったりとしたが、特に実害が及ぶモノではないので、あまり気にはしていない。
私がただ勉強しか出来ないお姫様だと相手は思っているのだろう。
その証拠に、ライが傍に居ない時や周りに誰もいないときにそいう嫌がらせの類は起きる。
しかし、ある程度起きる頻度や時間帯、手紙の届き方や、証拠の消し方など情報が増えれば逆に私が気づくと言うことに気づいていないのだ。
幼い頃から宰相である父と、ラズ様の側近候補だったレオ兄様に知識を、王族に嫁ぐに辺り必要な処世術を母様に教え込まれて育ってきたのだ。
多少の嫌がらせなど想定済みだし、証拠が残っていると気づいていない時点で、相手の敗北は見えている。
そこで、浮かび上がってきたのは、先日ライと一緒にファーストダンスを踊っていた女子生徒。
オリビア・カウ・フォルスマイア伯爵令嬢。
ヴィー姉さまのファンと言うより、ヴィーお姉さまこそが王太子妃にふさわしいと信じている子。
ヴィー姉さまが好きな人がいる事を知っているのは、ごく限られた人たちだからそれは仕方の無いことなのだけれど、ヴィー姉様の気持ちを一切考えていない所は許せない。
こちらから動けない大きな理由は先日の創立祭でライと踊ったのが痛手だ。
ファーストダンスをライと踊ったことに対して、周りが彼女をライ婚約者候補に上げてしまったのだ。
これは私も想定外だ。やはりあの不機嫌だった状況は誰も気付かなかったようだ。
なので迂闊にこちらからは手は出せない。
仮に私が手を出したら、嫉妬からだとか、王太子妃候補のくせにとか、幼馴染だからだとか、何かと理由を付けられてしまう。
そうなれば色々とめんどくさいし、ラズ様やレオ兄様達に迷惑をかけてしまう。
だから直接彼女が私に手を出してくるのを待っているのだ。
彼女は魔力が無いことで私を見下している。まぁ、私が外では魔力無しをかなり気にしている。という風に振舞っているし、兄様達にもわざと外で私の魔力に関して話題が出た時はそのように、話すよう頼んでいる。
魔力がなくともそれ以外の部分でカバーをすればいいと思っているので、魔力がないことに関して、不便だと思うものの欠点だとは思っていない。
「動くならそろそろ、ね。」
「建国祭の前後でしょう。レティ様きちんとお守りは身に付けておいて下さいね。」
「わかってるわ。いつもありがとう。」
「私は私のできる事でレティ様を支えているだけです。」
にっこり微笑み、証拠の品をきちんと保管するとラズ様達が帰ってくるのを談話室で待つことにした。
0
主人公は隣国のお姫様ですがライラックのお話です。ご興味のあるかたはよろしくお願いいたします君がずっと好きでした。
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね
江崎美彩
恋愛
王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。
幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。
「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」
ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう……
〜登場人物〜
ミンディ・ハーミング
元気が取り柄の伯爵令嬢。
幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。
ブライアン・ケイリー
ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。
天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。
ベリンダ・ケイリー
ブライアンの年子の妹。
ミンディとブライアンの良き理解者。
王太子殿下
婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。
『小説家になろう』にも投稿しています

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる