君が届かなくなる前に。

谷山佳与

文字の大きさ
上 下
2 / 67
第1章 王太子殿下の婚約者候補

王立学院ヴァーニル

しおりを挟む
フレイアス王国。大陸の中央にある大国である。
女神フレイアの祝福を受けのたこの国は今もなお数々の伝説が残っている。
その中で有名なのは女神の色彩を受け継ぐものは、国を繁栄させる。
プラチナブロンドとチェリーピンクの瞳を持つ者は、フレイアの祝福を受け、フレイアの愛し子として数々の分野で功績を残している。
そしてフレイアの色彩を両方もった者は必ず女の子で、フレイアの娘として必ず王家へと迎えられる。
なぜなら、その娘が王城へ現れると決まって、フレイア自身が姿を表すからで、必ず大切にされる。

その伝説は国中の女の子の憧れの物語だ。
多くはフレイアの血を引く王族や貴族に多いが、まれに平民にも生まれる場合がある。
なので過去には平民から王妃へとなったものもいるらしい。
フレイア王国の民は平民貴族問わず魔力を持っている。そして、魔力が膨大でない限り両親の色彩を持つのだ。
国中の子供たちは五才になると各領地にある一番大きい教会で魔力の測定を行うことが義務付けられている。
魔力量を調べる事で色彩が変わる子も現れるからだ。
魔力が多かれ少なかれ、魔力を持っていれば、国が運営する王立ヴァーニル学院へ入学することがはできる。
それぞれの魔力量や、学力によってクラスは編成されるが、魔力量が多い者学力が優秀な者が入る事ができる。
学年のそれぞれのトップは、学年代表を勤め生徒会への加入が義務ずけられている。

その、由緒ある学院には今、第二王子殿下を筆頭に六侯爵家の子息子女が通っている。
それぞれ生徒は勿論、国中の憧れの人物が通い出す学年の前後は、お近づきになろうと多くの入学者が増えるのだ。

第二王子である、ライラック・ウィル・ヴィ・フレイアス殿下。
キャラメル色のクセのある髪に、ラベンダー色の瞳を持っている。魔術より、武術、剣術が得意な王子様で高等部の三年生で、生徒会長を務めている。
つまり、高等部の三学年が一番今生徒数が多いのである。
王太子殿下が通われていたころに比べれば少ないそうだが、それでも、生徒数は千を優に超える。
そして、第二王子の隣にいるのが、六候爵家の一つ知のエレノアール侯爵家の令嬢。
現宰相を父に持ち、学力が常にトップの令嬢レティーシア・フォン・エレノアール。
貴族には珍しく魔力無し・・・・の候爵家の末娘であり、副会長を務めている。
オレンジ色の髪にコバルトブルーの瞳を持つ彼女は、同じ年のライラック殿下の婚約者ではなく、第一王子で王太子殿下の婚約者候補である。
この二人が今のヴァーニル学院学生会のトップふたりである。
しおりを挟む
主人公は隣国のお姫様ですがライラックのお話です。ご興味のあるかたはよろしくお願いいたします君がずっと好きでした。

あなたにおすすめの小説

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

【完結】「君を手に入れるためなら、何でもするよ?」――冷徹公爵の執着愛から逃げられません」

21時完結
恋愛
「君との婚約はなかったことにしよう」 そう言い放ったのは、幼い頃から婚約者だった第一王子アレクシス。 理由は簡単――新たな愛を見つけたから。 (まあ、よくある話よね) 私は王子の愛を信じていたわけでもないし、泣き喚くつもりもない。 むしろ、自由になれてラッキー! これで平穏な人生を―― そう思っていたのに。 「お前が王子との婚約を解消したと聞いた時、心が震えたよ」 「これで、ようやく君を手に入れられる」 王都一の冷徹貴族と恐れられる公爵・レオンハルトが、なぜか私に異常な執着を見せ始めた。 それどころか、王子が私に未練がましく接しようとすると―― 「君を奪う者は、例外なく排除する」 と、不穏な笑みを浮かべながら告げてきて――!? (ちょっと待って、これって普通の求愛じゃない!) 冷酷無慈悲と噂される公爵様は、どうやら私のためなら何でもするらしい。 ……って、私の周りから次々と邪魔者が消えていくのは気のせいですか!? 自由を手に入れるはずが、今度は公爵様の異常な愛から逃げられなくなってしまいました――。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

僕は君を思うと吐き気がする

月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね

江崎美彩
恋愛
 王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。  幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。 「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」  ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう…… 〜登場人物〜 ミンディ・ハーミング 元気が取り柄の伯爵令嬢。 幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。 ブライアン・ケイリー ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。 天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。 ベリンダ・ケイリー ブライアンの年子の妹。 ミンディとブライアンの良き理解者。 王太子殿下 婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。 『小説家になろう』にも投稿しています

お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】 私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。 その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。 ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない 自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。 そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが―― ※ 他サイトでも投稿中   途中まで鬱展開続きます(注意)

処理中です...