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第4章 愛は光に眠る宝石のよう
はだしで駆け出せ。
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会場から少し早めに退出した私は、ベットへそのまま倒れ込みたいのを我慢して、私の荷物を少し持ってきてくれた侍女のマリーから浴室へと案内された。
部屋の場所は変わっていないので、そのままラズ様の私室の隣に戻ってくる。
隣といっても互いの寝室はつながっているわけで、今場所は王太子妃の部屋じゃないだろかと城内地図を展開してみる。
今は王太子の部屋の一部であろうが、元は王太子妃の寝室だった可能性があるが、まぁ深く考えないようにしよう。
と、浴室の湯船に肩までつかる。
バシャとリングをした手をお湯からだし、リングを見つめる。
からかわれるかと思ったら、以外にも賛同されてしまった。
それはそれで嬉しい事なのだけれど、照れくささもある。
とぷんと頭で潜りと、勢い良く浴室をでる。
ボディケアをされ、準備された夜着に着替える。
白いシンプルなワンピースは、足首まで丈があるもので、肌触りも抜群である。
寝室へ行くと、ベットサイドで、シャツとズボンとラフな格好をした、ラズ様が本を読んでいた。
「ラズ様が、何故ここにいらっしゃいますの?」
「一緒に寝ようと思って。別に婚姻前は一緒に寝てはダメだと言う法律もないし、レティとの結婚は手続き上、婚姻が一年後なだけあって、夫婦になるのは決定事項だから問題無いと思うのだけれど。」
にっこりと正論を言われれば、何も言えず軽くため息を吐く。
「それで、何を読んでいらしたの?」
「精霊王について。少し調べ直そうかと思ってね。スヴィエート様がおっしゃってた言葉覚えいている?」
「伝えられている内容と、史実が違うというものですわよね?」
「そう。私は王太子だから、即位関連の儀式で知る事にはなるのだろうけれど、他の王族には話せない内容なのかもしれないと思って。一応、父上に精霊王について報告をしたら、妙に納得した表情をされていたよ。」
「それで、そちらの本は?」
「直系の王族、第二王子までが見ることが許されている本かな?王女だと女王として即位することが決まっているモノのみ。」
「それって、ほぼ直系王族の王子は見れるということになりますわよね?」
「まぁ、そうだな。」
現在の子供世代、親世代がたまたま王子が2人生まれただけだ。
祖父世代になると、王位を次ぐ王子以外は全て王女。
もしくは、王女しか生まれなかった世代もあるらしく、我が国では一番はじめに生まれた直系の王子が王として即位する権利を有する。
ただし、王子が生まれなければ、一番初めに生まれた直系の王女が女王として即位する。
光の精霊王であるスヴィエート様がおっしゃっていた、『彼』とは恐らく、闇の精霊王のことだろうと思う。
精霊王の中でもトップの2人で、アル兄様と契約をされている精霊王は、時の精霊王。
この方も上位の方ではあるが、順番的には三番目と聞いている。
精霊王の中でも最高位に君臨する精霊王が私と契約することによって、バランスが取れ、彼も目覚めると言っていた。
つまり私が光と闇の架け橋的ポジションになるのだろうな。
と、妙に納得してしまった。
ぱたんと本を閉じ、サイドテーブルに置くと、ラズ様に抱き寄せられる。
「あいかわらず、お花のいい香りがするね。レティは。」
「精霊王についてのお話じゃなかったですか?」
「それもあるけれど、私は一緒に寝ようって誘ったよね?」
肩口に唇を落とし、首筋にもキスをされた。
そのまま頬に、額に、目尻に、そして唇につば無用なキスを繰り返される。
「ラズ様!」
「赤くなって可愛い。キスは慣れているでしょう?」
「誤解を招くような言い方しないでください!慣れているのは頬とか、目元とか、おデコです!」
そのまま、ベットへ押し倒され、なんとか腕の中から抜け出そうと試みたものの、抜け出せず諦めようとしたとき、心臓が”ドクンっ!”大きく跳ねた。
急に講義の声を止めた、私にラズ様も動きをピタリと止める。
「・・・レティ?」
手の甲に記された、スヴィエート様との契約印が、淡く光を放ち左胸の上にある、侯爵家の家紋が熱く熱を持ち始めた。
異変を感じたラズは、レティの身体を支える。
「レティ?!」
「レティーシア!」
ふわりと姿を現したのは、光の精霊王スヴィエート。
「王子、レティーシアを運べるな?」
「どこに?」
「王城、最北端にあるローズガーデン、地下礼拝堂。場所は私が知っているから、付いてきなさい。」
そう、宣言すると、寝室の扉を開ける。
扉を出ると、ルイ兄様がこちらへ国王陛下共々走ってくるのが見えた。
ラズ様は、先に進むスヴィエート様に続くように私を抱えたまま走りだした。
部屋の場所は変わっていないので、そのままラズ様の私室の隣に戻ってくる。
隣といっても互いの寝室はつながっているわけで、今場所は王太子妃の部屋じゃないだろかと城内地図を展開してみる。
今は王太子の部屋の一部であろうが、元は王太子妃の寝室だった可能性があるが、まぁ深く考えないようにしよう。
と、浴室の湯船に肩までつかる。
バシャとリングをした手をお湯からだし、リングを見つめる。
からかわれるかと思ったら、以外にも賛同されてしまった。
それはそれで嬉しい事なのだけれど、照れくささもある。
とぷんと頭で潜りと、勢い良く浴室をでる。
ボディケアをされ、準備された夜着に着替える。
白いシンプルなワンピースは、足首まで丈があるもので、肌触りも抜群である。
寝室へ行くと、ベットサイドで、シャツとズボンとラフな格好をした、ラズ様が本を読んでいた。
「ラズ様が、何故ここにいらっしゃいますの?」
「一緒に寝ようと思って。別に婚姻前は一緒に寝てはダメだと言う法律もないし、レティとの結婚は手続き上、婚姻が一年後なだけあって、夫婦になるのは決定事項だから問題無いと思うのだけれど。」
にっこりと正論を言われれば、何も言えず軽くため息を吐く。
「それで、何を読んでいらしたの?」
「精霊王について。少し調べ直そうかと思ってね。スヴィエート様がおっしゃってた言葉覚えいている?」
「伝えられている内容と、史実が違うというものですわよね?」
「そう。私は王太子だから、即位関連の儀式で知る事にはなるのだろうけれど、他の王族には話せない内容なのかもしれないと思って。一応、父上に精霊王について報告をしたら、妙に納得した表情をされていたよ。」
「それで、そちらの本は?」
「直系の王族、第二王子までが見ることが許されている本かな?王女だと女王として即位することが決まっているモノのみ。」
「それって、ほぼ直系王族の王子は見れるということになりますわよね?」
「まぁ、そうだな。」
現在の子供世代、親世代がたまたま王子が2人生まれただけだ。
祖父世代になると、王位を次ぐ王子以外は全て王女。
もしくは、王女しか生まれなかった世代もあるらしく、我が国では一番はじめに生まれた直系の王子が王として即位する権利を有する。
ただし、王子が生まれなければ、一番初めに生まれた直系の王女が女王として即位する。
光の精霊王であるスヴィエート様がおっしゃっていた、『彼』とは恐らく、闇の精霊王のことだろうと思う。
精霊王の中でもトップの2人で、アル兄様と契約をされている精霊王は、時の精霊王。
この方も上位の方ではあるが、順番的には三番目と聞いている。
精霊王の中でも最高位に君臨する精霊王が私と契約することによって、バランスが取れ、彼も目覚めると言っていた。
つまり私が光と闇の架け橋的ポジションになるのだろうな。
と、妙に納得してしまった。
ぱたんと本を閉じ、サイドテーブルに置くと、ラズ様に抱き寄せられる。
「あいかわらず、お花のいい香りがするね。レティは。」
「精霊王についてのお話じゃなかったですか?」
「それもあるけれど、私は一緒に寝ようって誘ったよね?」
肩口に唇を落とし、首筋にもキスをされた。
そのまま頬に、額に、目尻に、そして唇につば無用なキスを繰り返される。
「ラズ様!」
「赤くなって可愛い。キスは慣れているでしょう?」
「誤解を招くような言い方しないでください!慣れているのは頬とか、目元とか、おデコです!」
そのまま、ベットへ押し倒され、なんとか腕の中から抜け出そうと試みたものの、抜け出せず諦めようとしたとき、心臓が”ドクンっ!”大きく跳ねた。
急に講義の声を止めた、私にラズ様も動きをピタリと止める。
「・・・レティ?」
手の甲に記された、スヴィエート様との契約印が、淡く光を放ち左胸の上にある、侯爵家の家紋が熱く熱を持ち始めた。
異変を感じたラズは、レティの身体を支える。
「レティ?!」
「レティーシア!」
ふわりと姿を現したのは、光の精霊王スヴィエート。
「王子、レティーシアを運べるな?」
「どこに?」
「王城、最北端にあるローズガーデン、地下礼拝堂。場所は私が知っているから、付いてきなさい。」
そう、宣言すると、寝室の扉を開ける。
扉を出ると、ルイ兄様がこちらへ国王陛下共々走ってくるのが見えた。
ラズ様は、先に進むスヴィエート様に続くように私を抱えたまま走りだした。
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主人公は隣国のお姫様ですがライラックのお話です。ご興味のあるかたはよろしくお願いいたします君がずっと好きでした。
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