君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第4章 愛は光に眠る宝石のよう

王太子殿下の生誕祭4。

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ホールに出てくれば、一瞬のざわめきがあった。
ライと共に踊ることなんて、いつものことだろうし、そんなに変な事でもない。
ラズ様だって許可しているのだ。

「レティ、そんなに拗ねる事か?言いたい奴には言わせとけばいい。」
「拗ねますわよ。アークと踊ったときも思いましたけれど、私がラズ様以外と踊って何が問題あるんでしょうか?」
「問題は無い。だが、気に入らないのが貴族というより、婚約者の居ない令嬢達だろう?」
「私自分で言うのもおかしな話ではありますが、皆から愛されてる自覚はあるんですよ?基本的に私に甘いでしょう?」
「自覚はあったんだな。」
「あれでなければ、どんだけ鈍感なんですか。レオ兄様は置いておいて、アル兄様、ライ、アークに関しては、私の事を基準に条件として考えている気がするんです。」

大きくリフトをされくるりとその場で回る。

「まぁ、理由は前者が多いだろう?嫁に気を使って妹なり、幼馴染に構えなくなるのは嫌だろうし、そもそもレティに何かする様な令嬢は候爵家が排除しそうな気もするがな。」
「それは、候爵家というより、国が回りますか?」
「国は回るだろう?将来は兄上が国王で、レティは王妃じゃないか。それに、国営、国が関わる事、政治、そいういった仕事に関しては手を抜かないだろう?」
「当たり前です。」
「だから、私生活が、レティに甘かろうが問題はない。国は回るし、侯爵家も回る。伯爵以下は知らないが、庶民は困らないから大丈夫だろう。」
「それもそうですわね。」

結局国の大きく分けて六つの領地の経営は候爵家が指揮をとっているし、不正をしようものなら厳罰ものだし、爵位返上の平民へという事もありえる。
数字に関しては、専門の職員が居るし、最終的にはお父様達が見ていると聞いているので問題はないのだろう。

「それよりも、気にはなっていたがリングそれ兄上とペアだろう?個人的なプレゼント?」
「もう、相変わらず目敏いですわね!」
「左手の薬指に二人ともしている言うことは、理由があるんだろう?」

全力でからかう気で問いかけてくるライに、思わず思いっきり足を踏んずけてやろうかと一瞬考えたが、私が答えなければ、ラズ様に聞きにいくだろう。
それもそれで構わないのだが、どうしたものか。

「ラズ様に聞いてくださいな!」

羞恥で顔を赤く染めながら、視線を反らす。
ぶはっと、笑い出しそうな雰囲気ではあるが、必死に我慢している様な気がする。
どこに笑う要素があったのだろうか?

「あ、兄上に、ねっ・・・ふっ、・・・」
「笑う要素ありませんわよ?!」
「いや~、やっぱり変わってないなって思っただけだ。」

表面上の笑顔では無く、本気で笑っているライの姿を見るのが珍しいのが、学院で一緒ではなかった令嬢たちがざわめき出す。
作り上げた笑顔じゃ無いのは確かに、身内しか見せませんものね。
そのあと、無事に踊り終え、ラズ様の元へ戻ってくると、左手をライに取られ、三人に見える様に見せた。

「兄上、左手の薬指にリングをする理由をお伺いしても?」
「あぁ、だから後半レティが拗ねてたんだね。意味は西の国に”左手の薬指は心臓につながる静脈があって、愛に繋がる指だからお互いの愛を誓うために左手の薬指にリングをする。”って風習があるみたいだから、それで貰ったんだよ。」
「では、俺も将来、好きになった相手に、妃として迎える時、それを贈らせてもらおう。」
「確かに、いいですね。想いが相手へ形として現せるって。レオ兄上当たりは張り切って準備しそうですね。」

和やかに話している男性陣に、どうやらこのリングをする風習までもこの国で定着しそうだなと予感をしてしまった。
王家も公爵家も有言実行。
言い出したら絶対に行う。そして、憧れの存在であるので、きっと伯爵以下の人たちにも広がるだろうと想像がついた。
となると、ヴィー姉様辺が張り切りそうだなと思った。
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主人公は隣国のお姫様ですがライラックのお話です。ご興味のあるかたはよろしくお願いいたします君がずっと好きでした。

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