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第4章 愛は光に眠る宝石のよう
王太子殿下の生誕祭3。〜ラザルートSide〜
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会場で各国の使者や王族、自国の貴族達と挨拶を終われば、婚約者となったレティと一緒にダンスを踊り、独身三人が固まっている一角に向かった。
周りは和やかに談笑を装い、虎視眈々とダンスに誘えないか機会を伺っている。
レティとアークをフロアへ送り出すと、ライとアルがため息を付いていた。
「そんなにため息を付くこと?」
「兄上は、レティと婚約したから別にいいでしょうが、婚約者が居ない我々は、パーティなんて滅んでしまえと言いたいくらいですよ。もう、身内だけでひっそりやりたいです。」
「左に同じく。伯爵家以下のご令嬢はなんというか、我々の傍にいるお姫様達とは違うでしょう?」
「まぁ、ある意味逞しいよね。」
「レティが双子だったらよかったのに。」
「無いものねだりだね。好みは似ていたっけ?」
「好み。・・好みで行くとリリー姉上とレティを足して割った感じが好きです。レティはレティでわかりやすいから好ましいんですけど。」
「あげないよ?」
「兄上の婚約者なんて要りません。相棒のポジションは譲りませんけど。兄上と喧嘩して姉上達に相談しにくいことをきっと、俺の所にしに来るのが安易に想像つくので、喧嘩とか、怒らせるようなことしないでくださいね。」
「・・・善処しよう。」
ライと話していたら、何時の間にかアルとアークが入れ替わっていた。
「・・・なんて会話しているんですか、兄さん達。俺、思うんですけれど、レティ姉さんが一番好かれてますよね。」
「そりゃ末姫だしね。」
「レティだし。ジェニーとは違った可愛さがあるんだろう?各候爵家からすれば。」
「あー、それは否定できません。父さんも母さんも、一番レティ姉さんに構いますね。ヴィー姉さんとリリー姉さんとの盛り上がる話題は、レティ姉さんの事だって言いますし。」
「あの二人が一番レティに構い倒している気がする。侯爵三姉妹って言われているらしいしね。」
「まぁ、間違いではない表現ですね。」
そんな会話をしていたら、少し頬を赤くさせたレティがアルと一緒に戻ってきた。
「楽しかった?」
「えぇ。ラズ様は何を話されてたのですか?」
「それは、秘密。たまには男同士で秘密の話をしてもいいでしょう?」
「まぁ。私も姉さまたちとしますし、別に構いませんよ。」
と、にっこり笑う。
「レティ。俺とも踊ってくれる?」
「そうですわね。ライと踊らないとなんだかしっくりこなくて。でも、少し待ってもらえます?飲んでしまいますから。」
「いいよ。」
「ライとレティは仲良しだよね。」
ぽつりとつぶやいたのは自分自身で少し驚いた表情をした。
「そうですわね。一番一緒に居る時間が長かったから半身のようなものですわ。」
レティはグラスを給仕に下げてもらうと、私の頬にちゅっとキスをする。
「ラズ様とはこれから一緒に居ることが多くなるのですから、落ち込まないでくださいな。」
手を握って見上げれば、先程まであった心のモヤモヤは無くなり、浮上してくるのが分かった。
多分心底嬉しそうに笑ったのだろう、レティが珍しく固まっていたし周りもざわついた。
お礼に私も頬にキスをすると、そのまま”いちゃつくのは後にしてくれ”とライが、呆れつつもレティを連れてホールへと歩いていった。
口元に手を当てわざと咳払いをすると、傍に居たアルとアークに聞いてみれば、あまり見たことの内容な笑顔だったと、言われたので、相当嬉しかったのだろうなと、思った。
周りは和やかに談笑を装い、虎視眈々とダンスに誘えないか機会を伺っている。
レティとアークをフロアへ送り出すと、ライとアルがため息を付いていた。
「そんなにため息を付くこと?」
「兄上は、レティと婚約したから別にいいでしょうが、婚約者が居ない我々は、パーティなんて滅んでしまえと言いたいくらいですよ。もう、身内だけでひっそりやりたいです。」
「左に同じく。伯爵家以下のご令嬢はなんというか、我々の傍にいるお姫様達とは違うでしょう?」
「まぁ、ある意味逞しいよね。」
「レティが双子だったらよかったのに。」
「無いものねだりだね。好みは似ていたっけ?」
「好み。・・好みで行くとリリー姉上とレティを足して割った感じが好きです。レティはレティでわかりやすいから好ましいんですけど。」
「あげないよ?」
「兄上の婚約者なんて要りません。相棒のポジションは譲りませんけど。兄上と喧嘩して姉上達に相談しにくいことをきっと、俺の所にしに来るのが安易に想像つくので、喧嘩とか、怒らせるようなことしないでくださいね。」
「・・・善処しよう。」
ライと話していたら、何時の間にかアルとアークが入れ替わっていた。
「・・・なんて会話しているんですか、兄さん達。俺、思うんですけれど、レティ姉さんが一番好かれてますよね。」
「そりゃ末姫だしね。」
「レティだし。ジェニーとは違った可愛さがあるんだろう?各候爵家からすれば。」
「あー、それは否定できません。父さんも母さんも、一番レティ姉さんに構いますね。ヴィー姉さんとリリー姉さんとの盛り上がる話題は、レティ姉さんの事だって言いますし。」
「あの二人が一番レティに構い倒している気がする。侯爵三姉妹って言われているらしいしね。」
「まぁ、間違いではない表現ですね。」
そんな会話をしていたら、少し頬を赤くさせたレティがアルと一緒に戻ってきた。
「楽しかった?」
「えぇ。ラズ様は何を話されてたのですか?」
「それは、秘密。たまには男同士で秘密の話をしてもいいでしょう?」
「まぁ。私も姉さまたちとしますし、別に構いませんよ。」
と、にっこり笑う。
「レティ。俺とも踊ってくれる?」
「そうですわね。ライと踊らないとなんだかしっくりこなくて。でも、少し待ってもらえます?飲んでしまいますから。」
「いいよ。」
「ライとレティは仲良しだよね。」
ぽつりとつぶやいたのは自分自身で少し驚いた表情をした。
「そうですわね。一番一緒に居る時間が長かったから半身のようなものですわ。」
レティはグラスを給仕に下げてもらうと、私の頬にちゅっとキスをする。
「ラズ様とはこれから一緒に居ることが多くなるのですから、落ち込まないでくださいな。」
手を握って見上げれば、先程まであった心のモヤモヤは無くなり、浮上してくるのが分かった。
多分心底嬉しそうに笑ったのだろう、レティが珍しく固まっていたし周りもざわついた。
お礼に私も頬にキスをすると、そのまま”いちゃつくのは後にしてくれ”とライが、呆れつつもレティを連れてホールへと歩いていった。
口元に手を当てわざと咳払いをすると、傍に居たアルとアークに聞いてみれば、あまり見たことの内容な笑顔だったと、言われたので、相当嬉しかったのだろうなと、思った。
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