君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第2章 憧れた夢の途中

特別な君でいて2。

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食堂へ着くと、私とラズ様をのぞく子供世代の王族、六公爵家が揃って夕食を食べていた。
そのまま久しぶりにみんなで食事を取り、安全であるのならということで、建国祭のヴィー姉さまとリリー姉さまが私の部屋に泊まりに来てくれることになった。
三人でも余裕のある、大きなベットに私を中心に並んで横になる。

「レティの成人の儀式も同じドレスだから、軽く朝食を明日は取って着替えて準備しなきゃね。」
「儀式はそんなに難しくありませんわ。女神フレイアにお花を捧げて、誕生日を迎えましたって祈ればいいだけだから。」
「頑張りますわ。」
「頑張りすぎなくていいのよ。いつも通りのレティで。」
「はい。」
「明日は早いからもう寝ましょう?三人で眠るのなんて久しぶりだから、沢山お話したいのだけれどね。」
「それは同感ね。でも寝不足はお肌に大敵だから。おやすみ、レティ、リリー姉さま」
「おやすみなさい。ヴィー。ほら、レティも寝なさいな。」
「はい。おやすみなさい。ヴィー姉さま、リリー姉さま。」

二人に挟まれて、下ろされた天蓋のカーテンの中で私達はそれぞれ眠りについた。


翌朝一番初めに起きたのはリリー姉さまで、既にマリーと一緒に色々準備をしていた。

「おはよう、レティ。ヴィーはまだ寝ているのかしら?」
「おはようございます。」
「起きたわ。リリー姉さま。レティもおはよう。」
「おはようござます。ヴィー姉さま。」
「お二人とも顔を洗ってきてください。」

とマリーに言われ、水を張ったボウルで顔を洗ったあと、軽目の朝食を食べ、成人の儀式へ向けての準備中である。
お姉さまたちも一緒に準備を進めるらしくそれぞれ式典用のドレスに着替える。
私はお姉さまたちと同じデザインでそれぞれの候爵家の華の家紋が刺繍をされたリボンを腰に巻居ている。
私一人だけふんわりとした可愛らしいデザインで、前が膝丈で後ろは長いトレーンになっている。少し不満だがお姉さまたちが成人したらそこまで可愛いのは着れないわよと言うので、お姉さまたちイチオシのデザインにしたのだ。長いトレーンにもオリーブとブルーベリーの花が刺繍されている。
ヴィー姉様は、マーメイドラインのドレスで花を模した形にリボンを結び、リボンの端にはエステル侯爵家の家紋であるガーベラが、リリー姉様はオフショルダーのエンパイアドレスでリボンの端にはアトラス侯爵家の家紋、蓮の花が刺繍されている。
色が成人をする私が純白で、姉様達はオフホワイトと若干違う。

「お嬢様は私が全力で護ります!」
「ありがとう、マリー。」
「私達も隣に居るし大丈夫よ。」
「そうですわ。私達の可愛い妹を害しようなんて100年早いですわよね。」

ニッコリと微笑むリリー姉様は、誰よりも怖かったりする。
これはかなり怒っている時に見られる表情だ。
魔力的にはどうにもならなくても、予測を立てることならできるので、あくまで可能性の話で姉様達には話している。
もちろん学院であったことは、ラズ様を通して把握済みだという。
もしかして私の考えは周りに駄々漏れだったりするのだろうか??

「レティ、そんなに心配しなくても大丈夫よ。」
「そうですわ。殿下達もおりますしね。」
「そうですよね。ちょっと考えないようにします。」

「はい。終わりです。」
「それじゃあ行ってくるわね。」
「はい。ヴィクトリア様、リリーシア様お嬢様の事をよろしくお願いします。」
「もちろん。」
「えぇ。」

マリーや、姉様達の侍女に見送られひとまずは成人儀を行う為、王城内にある聖堂へ向かった。
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主人公は隣国のお姫様ですがライラックのお話です。ご興味のあるかたはよろしくお願いいたします君がずっと好きでした。

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