君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第2章 憧れた夢の途中

運命の歯車3。 ✩

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シャワー室から出てくると入れ違いで、今度はライがシャワー室に入っていった。
机を見れば、見事に資料が乱雑に積み上げてあり、髪の毛を温風の出る魔道具で乾かしながら、やり残した事は無いかを脳内でチェックを付けていく。
本日すべき仕事は全て完了していることを確認すると、髪の毛を高い位置で括ると紅茶を入れる準備をすると同時に、この散らかった机の上を片付けることにした。
そんなに生徒会室には長いはしないが、きちんと片付けておかないと次仕事をする時が大変だ。

自身の机を先に片付けてしまうと、紅茶を入れる。
紅茶を準備したところでライが出てきたので、そのままポットとカップを応接テーブルに乗せる。

「レティ、今日やる仕事は全部終わったろう?」
「終わりましたけど後片付けがまだですし、この部屋を出る前に落ち着きたいので。」
「そうだな。」

カップに紅茶を注いだところで、ライの机に乗せられている共用の資料を片付け始める。
書類系もきちんと専用の棚に戻し机の上を綺麗に片付ける。
ある程度片付けた所で応接テーブルに戻ってくれば丁度いい温度に紅茶が冷めていた。

「相変わらず猫舌だな。」
「いいんです。それより、予定通り王城へは移動になりそうですね。」
「だろうな。寮に居るよりも王城の方が安全だし。帰って、みんなで城に行くか。」
「そうですね。」

ゆっくり紅茶を飲み、温まる。
残りの紅茶とちょっとしたお菓子を食べた頃には、高ぶっていた状況は落ち着いた。
カップを片付けて、生徒会室を施錠し寮へ戻るとリオとマリーが準備を終えて待っていた。
そこで先ほどあった事を簡単に説明をし、アークが帰宅次第王城へ移動をする旨を伝えた。
襲撃されたことに驚いた二人ではあるが、その後は怖いくらい笑顔だった。

暫くしてアークが戻ってきたのだが、アル兄様と一緒だった。

「レティーシア!」
「わっ、アル兄様!」

私の姿を捉えるなり、きつく抱きしめられる。
無事でよかったと頭上から聞こえてきたので心配をかけたのであろう。

「アル兄様が幼い頃より鍛えてくれたおかげで、無事ですわ。」
「アル兄上、すぐに寮を出たほうがいいのでは?」

私を離さないアル兄様に、ライが冷静にツッコミを入れる。

「そうだった。ライラック殿下、ラザルート殿下の勅令により王城まで我々近衛第2部隊が護衛をさせていただきます。」
「わかった。マリー、荷造の指示を出してくれ。」
「かしこまりました。」

マリーがアル兄様の部下の方に、王城へ持っていく荷物を教えて次々に部屋から運び出される。

「あれ、ほとんどレティの荷物だろ。」
「女の子は、男の子より色々入用なのよ。それより、用意した馬車は四人乗りじゃなかったかしら?」
「馬車に乗るのは、僕とレティ姉さま、ライ兄さまとマリーが馬車に乗るから大丈夫です。アークは騎乗で向かうみたいだから。」
「あ、俺も騎乗で行くから三人で馬車に乗ってくれ。」
「え?」
「あんなことがあった後だ、俺もアル兄上も、アークも護衛で外に居るから。兄貴だってそのつもりでアル兄上を迎えに来させたんだろうし。」
「・・・そうだよね。」

あっという間にマリーが準備をしていた荷物は馬車に載せられ、私達は馬車に乗り込んだ。
外泊届けは守衛に事前に出しているので特に問題はない。
そのまま、アル兄様の部隊の方々に護衛をされながら王城へと出発をした。
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主人公は隣国のお姫様ですがライラックのお話です。ご興味のあるかたはよろしくお願いいたします君がずっと好きでした。

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