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第2章 目覚めと、自覚と、狙う者編
狙われる理由。
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事の次第を皆に説明をする中で、朱桜も帰ってきた。
「今回の狙いは完全にわたしでした。おそらく、内裏全体に結界を張り、尚且つこの梨壺に私の力が一番集まっていたからだと思います。」
「根拠は?」
「あの男、絢音は私を花嫁とはっきり言いましたし、何より彼が持つ力は私と同等かと。何より気になるのは、力の均衡が負に傾きかけているところでしょうか?負は光、強い力に惹かれますから。おそらくまた来るかと思います。確実に。」
眉間にシワを寄せ、嫌悪している表情をしつつも半ば諦めた感じで、ため息を着いた。
「俺が追跡できない位だから、相当だろうな。親父ならいけたかもしれないが。」
「あら、おじさまにお願いするまでも無いわ。私が本気で探せば見つけれないことなんてないもの。本当嫌になるわね。晴明様、私たち一族と反対の勢力はこの時代もいるのでしょう?」
「まぁ、最近はめったに表に現れなくなったが、存在自体はしておる。」
「おおかた敵の根城を突き止めればすぐに終りますわね。晴明様、何か情報があれば教えてください。」
「分かった。それでは私は一屋敷に戻って、皆にその男の行方を探らせよう」
「よろしくお願い致します。」
好々爺の表情を浮べ、梨壺を後にした。
「さて、今の問題は狙われている事よりも敦平様、噂とやらを教えていただけませんこと?」
にっこりと春仁の隣に座る敦平に笑を向ければ、何か迷っている様な表情をされた。
この人、よくいえば真面目、要は頑固モノだ。
「私も全部は知らないが、ただ昨日の新嘗祭で、東宮妃が座る場所に両陛下に認められた姫君が座ったと。どこの家の姫かは知らぬが、途中春宮様と大内裏へと渡った。かの姫が春宮様のご正室になるのかとか?というようなもので、それよりも私は時平が女だという事が受け止められないのだが。」
「まぁ、私も男と通してましたからお気にならさらず。それよりも東宮妃って新嘗祭で舞いを舞った内の二人から選ばれるものじゃないのですか?」
「菊華、それについては当事者である私が断た。そもそもずっと断り続けている。」
「あら、東宮の地位に付いている人は既に、許嫁がいらっしゃるかと思いましたが、そうなのですね。」
なぜ居ないのかに少し疑問を間んじつつも、あまり深くは追求しなかった。
それをいえば、婚約者(仮)がいる事を話さなければならないような気がする。だけど結局婚約式をしなかったから、無効にならないのだろうか?と密かに考えていたりはする。
「姫様。今後はどうされますか?」
「狙いが私だからね、あまり春宮様のそばにはいれないし、晴明様のところも微妙でしょう?どちらも迷惑かけちゃうもの。」
その言葉に一番反応したのは春宮様だった。
「もう来ないのかそう、?!」
「来ないというよりも、これないというか、人の噂も七十五日。噂が消えるまでは菊華でくるのは無理でしょう?」
「俺は迷惑だと思っていない!俺は・・・・。」
「あ、私は少し用を済ませてきますね。」
と敦平が局を出ていった。
朱桜と蒼月はそのまま、私の後ろに控えていた。
少し辛そうな表情をする春宮さまを見て、大切な話だろうと思う。
「朱桜、蒼月、少し席を外してくれるかしら?何かあれば喚ぶから。聞くことも見ることも禁止です。こっそりしてもわかりますからね?」
そう、宣言すれば二人は黙って局の外にでて内裏内の結界の状況の確認へと向かってくれた。
「今回の狙いは完全にわたしでした。おそらく、内裏全体に結界を張り、尚且つこの梨壺に私の力が一番集まっていたからだと思います。」
「根拠は?」
「あの男、絢音は私を花嫁とはっきり言いましたし、何より彼が持つ力は私と同等かと。何より気になるのは、力の均衡が負に傾きかけているところでしょうか?負は光、強い力に惹かれますから。おそらくまた来るかと思います。確実に。」
眉間にシワを寄せ、嫌悪している表情をしつつも半ば諦めた感じで、ため息を着いた。
「俺が追跡できない位だから、相当だろうな。親父ならいけたかもしれないが。」
「あら、おじさまにお願いするまでも無いわ。私が本気で探せば見つけれないことなんてないもの。本当嫌になるわね。晴明様、私たち一族と反対の勢力はこの時代もいるのでしょう?」
「まぁ、最近はめったに表に現れなくなったが、存在自体はしておる。」
「おおかた敵の根城を突き止めればすぐに終りますわね。晴明様、何か情報があれば教えてください。」
「分かった。それでは私は一屋敷に戻って、皆にその男の行方を探らせよう」
「よろしくお願い致します。」
好々爺の表情を浮べ、梨壺を後にした。
「さて、今の問題は狙われている事よりも敦平様、噂とやらを教えていただけませんこと?」
にっこりと春仁の隣に座る敦平に笑を向ければ、何か迷っている様な表情をされた。
この人、よくいえば真面目、要は頑固モノだ。
「私も全部は知らないが、ただ昨日の新嘗祭で、東宮妃が座る場所に両陛下に認められた姫君が座ったと。どこの家の姫かは知らぬが、途中春宮様と大内裏へと渡った。かの姫が春宮様のご正室になるのかとか?というようなもので、それよりも私は時平が女だという事が受け止められないのだが。」
「まぁ、私も男と通してましたからお気にならさらず。それよりも東宮妃って新嘗祭で舞いを舞った内の二人から選ばれるものじゃないのですか?」
「菊華、それについては当事者である私が断た。そもそもずっと断り続けている。」
「あら、東宮の地位に付いている人は既に、許嫁がいらっしゃるかと思いましたが、そうなのですね。」
なぜ居ないのかに少し疑問を間んじつつも、あまり深くは追求しなかった。
それをいえば、婚約者(仮)がいる事を話さなければならないような気がする。だけど結局婚約式をしなかったから、無効にならないのだろうか?と密かに考えていたりはする。
「姫様。今後はどうされますか?」
「狙いが私だからね、あまり春宮様のそばにはいれないし、晴明様のところも微妙でしょう?どちらも迷惑かけちゃうもの。」
その言葉に一番反応したのは春宮様だった。
「もう来ないのかそう、?!」
「来ないというよりも、これないというか、人の噂も七十五日。噂が消えるまでは菊華でくるのは無理でしょう?」
「俺は迷惑だと思っていない!俺は・・・・。」
「あ、私は少し用を済ませてきますね。」
と敦平が局を出ていった。
朱桜と蒼月はそのまま、私の後ろに控えていた。
少し辛そうな表情をする春宮さまを見て、大切な話だろうと思う。
「朱桜、蒼月、少し席を外してくれるかしら?何かあれば喚ぶから。聞くことも見ることも禁止です。こっそりしてもわかりますからね?」
そう、宣言すれば二人は黙って局の外にでて内裏内の結界の状況の確認へと向かってくれた。
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