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第2章 目覚めと、自覚と、狙う者編
現れし者
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梨壺の辺りまでやってくると、さすがに人影は見当たらない。
代わりに、人ならざるものが沢山いる。多くは害のないもの達なのだが、梨壺の殿舎のまわりの空気は確かにおかしい。
渡殿に足を踏み入れ、そして祝詞を紡ぐ。
私が歩く度、浄化の光が当たりを包む。ふわり、ふわりと優しい風が舞う。
殿舎の中へ入るとその濃さは増す。
印を、結び、浄化を続ける。
結界を張るときよりも、簡易的なものですむ。
何も、ないのだから。
「・・・我守護は光とならん。」
そうつぶやけば、私を中心に殿舎全体に光が包まれていっく。
これで、息苦しさは解決だろう。
”・・・見つけた・・・・。”
そう、声が聞こえた。
「菊華!!!!」
声が聞こえると同時に私の体は風をきり、ガタンと大きな音と気がついたら、庭に出ていた。
そして、体を抱え込むのは、長い髪に花の簪をさした美丈夫。
しかし、浮かべる笑は暗く、ぞわりと泡肌たつ。
「見つけた、我の花嫁。尊き血を引く姫君。神と上の血を引く貴重な娘。」
ぐっと寄せられた腰は離れるはずも無くしっかりと固定されている。
「姫!!!」
私の異常事態に気がついた、青にぃと朱桜が一気に間合いを詰め、男に攻撃を仕掛けると同時に男から私の体を引き離し、青にぃの腕に抱きとめられた。
「お前はどこのモノだ?」
「護衛は相変わらず、姫の周りには多くいる。多くの守護神達が・・・。まぁよい。我が名は絢音また会おうぞ、我の花嫁。」
冷たい笑を浮かべた男は、その場から姿を消した。
一瞬朱桜達の攻撃を避ける為に放たれた力は、霊力。それも相当強いと思う。
ぎゅっと青にぃの衣を握り締め、擦り寄るようにその体温を求める。
生理的に受け付けないとは、まさにあの男のような、モノを言う。
浅くなった呼吸をゆっくりと落ち着かせると、殿舎にっ戻れば調度品は倒れ、かまいたちでもきたかのような惨状で、春宮様が、その中心に倒れていた。
「宮様!!!春仁様!!」
慌てて駆け寄り、状況を確認する。幸いにも気を失っているだけのようだ。頭は動かさず、周りの調度品は式に片付けてもらい、再度浄化を行う。
袿をかけ、そばで様子を見る。絢音と名乗った男は、例の黒ずくめの男たちと同じ力を感じた。
あの男が使役をしていると考えても不思議ではない。
そしてあの力。
まだ、均衡は保ってはいるが、いつ闇の力が増すかわからない。
そして、花嫁とはっきり呼んだ。私の事を。その辺も踏まえて、色々考えなくてはならない。
とりあえず、あの男はない
と、確信している。あの男は危険でしかないと。本能がそう訴えている。
ならば、それに従うだけだ。
目を閉じる春宮様の頬をなぞり、ふっと息を吐く。
まじないをし、晴明様に出した式の返事を待つことにした。
もちろん、朱桜、そして琥珀にもあの男を追う様に命じ、私のそばには青にぃと雪ねぇがいる。今はまだ、大丈夫だ。
と思いながら。
代わりに、人ならざるものが沢山いる。多くは害のないもの達なのだが、梨壺の殿舎のまわりの空気は確かにおかしい。
渡殿に足を踏み入れ、そして祝詞を紡ぐ。
私が歩く度、浄化の光が当たりを包む。ふわり、ふわりと優しい風が舞う。
殿舎の中へ入るとその濃さは増す。
印を、結び、浄化を続ける。
結界を張るときよりも、簡易的なものですむ。
何も、ないのだから。
「・・・我守護は光とならん。」
そうつぶやけば、私を中心に殿舎全体に光が包まれていっく。
これで、息苦しさは解決だろう。
”・・・見つけた・・・・。”
そう、声が聞こえた。
「菊華!!!!」
声が聞こえると同時に私の体は風をきり、ガタンと大きな音と気がついたら、庭に出ていた。
そして、体を抱え込むのは、長い髪に花の簪をさした美丈夫。
しかし、浮かべる笑は暗く、ぞわりと泡肌たつ。
「見つけた、我の花嫁。尊き血を引く姫君。神と上の血を引く貴重な娘。」
ぐっと寄せられた腰は離れるはずも無くしっかりと固定されている。
「姫!!!」
私の異常事態に気がついた、青にぃと朱桜が一気に間合いを詰め、男に攻撃を仕掛けると同時に男から私の体を引き離し、青にぃの腕に抱きとめられた。
「お前はどこのモノだ?」
「護衛は相変わらず、姫の周りには多くいる。多くの守護神達が・・・。まぁよい。我が名は絢音また会おうぞ、我の花嫁。」
冷たい笑を浮かべた男は、その場から姿を消した。
一瞬朱桜達の攻撃を避ける為に放たれた力は、霊力。それも相当強いと思う。
ぎゅっと青にぃの衣を握り締め、擦り寄るようにその体温を求める。
生理的に受け付けないとは、まさにあの男のような、モノを言う。
浅くなった呼吸をゆっくりと落ち着かせると、殿舎にっ戻れば調度品は倒れ、かまいたちでもきたかのような惨状で、春宮様が、その中心に倒れていた。
「宮様!!!春仁様!!」
慌てて駆け寄り、状況を確認する。幸いにも気を失っているだけのようだ。頭は動かさず、周りの調度品は式に片付けてもらい、再度浄化を行う。
袿をかけ、そばで様子を見る。絢音と名乗った男は、例の黒ずくめの男たちと同じ力を感じた。
あの男が使役をしていると考えても不思議ではない。
そしてあの力。
まだ、均衡は保ってはいるが、いつ闇の力が増すかわからない。
そして、花嫁とはっきり呼んだ。私の事を。その辺も踏まえて、色々考えなくてはならない。
とりあえず、あの男はない
と、確信している。あの男は危険でしかないと。本能がそう訴えている。
ならば、それに従うだけだ。
目を閉じる春宮様の頬をなぞり、ふっと息を吐く。
まじないをし、晴明様に出した式の返事を待つことにした。
もちろん、朱桜、そして琥珀にもあの男を追う様に命じ、私のそばには青にぃと雪ねぇがいる。今はまだ、大丈夫だ。
と思いながら。
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