Day Dream

谷山佳与

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第6章 小鳩蒼介編

未完成な未来4。 彩桜side

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同僚の絢菜ちゃんにつれられてフロアに出れば、どこかで見たことのある女性が、おいしそうにケーキを頬張っていた。
タイミングがいいのか今の時間帯彼女以外のお客さんはいない。
おそらく今日のピークは過ぎので、今後増えたとしても常連さんくらいだろ。


「んんっ、おいしい。絢菜ちゃん腕上げたね。」
「お褒めに預かり光栄です。」

親しげに話す二人の会話を聞いた時、あぁ、知っているとい感覚に陥った。
きっと過去夢で見ていたのだろうと思いつつ、そのお客さんに近づく。

「ちぃちゃん、こちらが例の同僚の、武富彩桜たけとみさえちゃん。彩桜ちゃん、こっちが高校のクラスメイトの「岡崎千春ちゃん」。・・・自己紹介いらなかったわね。」
「あら、ありがとうございます?」
「え?え?!なんで、なんでです?!」
「彩桜ちゃん、落ち着こうか。」

頬を赤らめあわてる、私に絢菜ちゃんは深呼吸するように言ってくる。
え?無理でしょう?
ずっとファンで憧れの人が目の前にるんだよ?
無理。

「いやん。私ってば人気者?」
「え?今更?ちぃちゃんの人気の基準は何?」
「ん?パパかな?」
「いや、父親持ってきちゃだめだよね?基準がそもそも高すぎる。」
「じゃあ、かなちゃん。あ、はるちゃんもかな?」
「お兄ちゃんは次いでなの?いや、そうじゃなくて、ちぃちゃんの業界で一番人気は今誰?」
「えー?男女で分かれると思うのだけど、そうなると、蒼介かなぁ?」
「蒼介くん、かっこいいですよね!私ちぃちゃんの次に大好きです。」
「モテ期到来?!ありがとうございます!そうか、蒼介はかっこいいのか。いや、かっこいいよね?旦那様の次kくらいに。」
きゅっと両手を
握り、きっと頬は真っ赤だろうと思うけれどもそれでも素直に思ったことを口にすれば、うれしそうにちぃちゃんが笑った。

「そうそう、恋愛でちょっと彩桜さんのお力をよければ貸していただきたいと思いまして・・・。」
「え?」
「直感を結構信じるタイプで、特に恋愛に関しては。それで、同僚がファンの子に一目ぼれしちゃったらしくて、出会える率とかって見れたりしますか?」
「わかる範囲であれば可能です。」
「本人来る前にさくっと見てほしいです。」

ちぃちゃんが出した”同僚”という言葉に、心臓がドキとはねる。
もしかしてその同僚が蒼介君じゃないかと、いやな音を立てる。
さっき感じたエネルギーで、引いていたカードにもカップのカードや、運命の輪など恋愛に関して思いを寄せているなど、誰かに恋をしている。もしくは気になっている子がいるといったカードが多く出ていた。
それに関して情報がもらえるのであれば、神様からのタイミングであろうと思い話を聴くことにした。
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