Day Dream

谷山佳与

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第6章 小鳩蒼介編

未完成な未来3。

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最近息抜きをする際に、行き着けとなったカフェに、占いの勉強を趣味でしたスタッフさんがいるという情報を、同じお店に勤めている私の高校時代の友人から聞いた。
この友人結構はっきりモノをいう子で、どんなタイプの子ともすぐ仲良くなるような子なのだ。
名前を月神絢菜つきがみあやなちゃん。
天然パーマの黒髪と、ぱっちりとした二重の美人さんだ。

務めているカフェの扉を開き中へ入れば、バッチリ目が合う。


「いらっしゃいませ。」
「絢菜ちゃん!」
「ちぃちゃん?!うわぁー、久しぶり。元気にしてた?」
「いや、それは私のセリフ。私のは主に旦那または兄弟経由で全世界に筒抜けだと思うの。」

頬に手をあてわざとらしくため息をつく。

「確かに。何飲む?」
「絢菜ちゃんのおすすめで。」
「OK!今日はどうしたの?」
「んー、息抜きついでに同僚の恋愛相談。」
「同僚?そ。仕事終わったらここ来るように呼び出してみた。」
「それって、大丈夫なの?」
「お店側には迷惑かからないようにするし、要変装と指示出してみた。」
「の割には、ちぃちゃん変わらないよね?」
「私なんかより、周りがすごいの。」
「人気NO.1の癖に?」
「ありがたいことです。」

話しながら入れてくれたのは、酸味が少なくほろにがで甘みが強めの珈琲。
とお勧めのケーキを出してくれるという。
ありがたい。

一口珈琲を飲む。
甘さも苦さもちょうどいい。これはブラックで飲むべきものだね。

「ん、おいしい。今度おにいちゃん達連れてこよう。」
「そのときは貸切にしてくれたら助かる。」
「ん?以外に大丈夫だよ?」
「心労的な意味で。」
「そう?」
「ちぃちゃんは兄弟だからいいけれど、周りからすると、心臓持たない。」
「そっか。」

出されたケーキをパクパク食べながら、蒼介がくるのを待つことにした。
今日の目的は、もちろん蒼介の話を聞くのもあるけれど、うわさの占い師のたまごさんに会うのも楽しみなのだ。
今日出勤と聞いていたのだけれど・・・・。

「ねぇ、絢菜ちゃんがいっていた子は今日出勤してるの?」
「あぁ、彩桜さえちゃん?いるよ。呼んでくるね」
「うん、よろしく~」

ひらひらと手を振り見送れば、絢菜ちゃんはスタッフルームに姿を消した。




_______________________________


スタッフルームに入った私はテーブルでカードとにらめっこしている、彩桜ちゃんの姿が目にはいった。
しばらくして、カードを一纏めにした時点で、声をかけることにした。

「彩桜ちゃん、私の友達が会いたいといってるのだけれど、少し表に出れる?」
「え?絢菜ちゃんのお友達?もちろんよろこんで。」

ニコリ笑った彩桜ちゃんは、こげ茶色の髪をきゅっと一纏めにしてカードを直して立ち上がる。
そして、荷物を片付けるのをまって、二人一緒にフロアへ戻った。
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