42 / 66
第4章 スペシャルドラマ編
相変わらず。
しおりを挟む
今撮影していたシーンはヒロインとかなちゃん(陸)が口喧嘩をしている時に、かなちゃんの実家でかなちゃんでは無く弟を当主に付けようとする親族の手先に、弱みとしてヒロインを攫いにくるのだが、2人で倒しちゃうという。
ヒロインのコンプレックスである、武術。
そこを含めてヒロインを好きなかなちゃんの役なんだけども、その格闘シーンで息の合った殺陣が必要らしいのだが、なかなか息が合わない。
との事で、今にいたる訳なんだけども。
かなちゃん自分感覚で動く事があるから、その辺りの見極めもあるんだろうなぁと思ってる。
基本向き合って口喧嘩してる時に相手の後方にいる敵を倒していく感じでって、指示がアバウト過ぎだと思います。
お互いちぎっては投げ状態で、技を掛けていくんだけど一番の見せ場はかなちゃんの背中をくるっと転がっ移動なんだが、絶対ここが合わないんだと思う!タイミング難しいと思う。
「陸!しゃがんで!!」
背中同士は無理でも、背中を支点に飛び蹴りはいけると思う。
うん、ヒット。
ふっ、と小さく息を吐く。
「カット!」
と、声がかかりはぁーとその場に脱力する。
「わわ、千春ちゃん大丈夫?」
すぐさま父親とひなが駆け寄ってくる。
「…大丈夫じゃない。」
「千春ちゃんから見たKANAの殺陣はどう?」
「無茶苦茶。併せるのが大変。スピードが速すぎるのよ。」
「ふむ。まぁ、お疲れ様。」
ひょいと父親に抱き上げられると抵抗はせずそのまま椅子まで運ばれた。
「ひな、冷たいタオルと水分持って来てくれ。」
「分かった。」
近くにあった台本でパタパタと扇いでくれる。
涼しいー。
「KANA、お前は相手に合わせてスピード落とせ、出来るな?特に見せ場。」
「はい。…ちぃ、大丈夫か?」
「心配するぐらいなら全力で、やらないで。それよりも目配せしなさいよ。」
目は今濡れタオルで冷やしてるから見えないけど、情けない顔してんだろうなぁと安易に想像がつく。
足音が遠ざかったから、撮影に戻ったのだろう。
「パパ。覚悟しておいてね。外食なんて許さないから。」
「う、あ、はい。」
「父さんは仕事絡むと俺たちに無茶振り要求するから、毎回ちぃちゃんに怒られるんだよ?」
「だってうちの子優秀だから、つい頼んじゃうんだもん。」
「だもんじゃない。急すぎるの!いつもいつも!前もって言ってくれれば準備したのに!」
「はい、ごめんなさい。分かった前もって言うから、ちゃんとお願い聞いてね?」
「内容によるよね、ひな。」
「そうだね。内容によると思うよ?父さん。」
がばっと起き上がりパパに文句を言い、水分を補給して少し休ませて貰ったあと、私はひなの下校を待って家まで帰宅した。
明日早いらしく家からの方が都合がいいらしい。
今日の晩御飯はひなの好物とパパの嫌いなものを出した。
ヒロインのコンプレックスである、武術。
そこを含めてヒロインを好きなかなちゃんの役なんだけども、その格闘シーンで息の合った殺陣が必要らしいのだが、なかなか息が合わない。
との事で、今にいたる訳なんだけども。
かなちゃん自分感覚で動く事があるから、その辺りの見極めもあるんだろうなぁと思ってる。
基本向き合って口喧嘩してる時に相手の後方にいる敵を倒していく感じでって、指示がアバウト過ぎだと思います。
お互いちぎっては投げ状態で、技を掛けていくんだけど一番の見せ場はかなちゃんの背中をくるっと転がっ移動なんだが、絶対ここが合わないんだと思う!タイミング難しいと思う。
「陸!しゃがんで!!」
背中同士は無理でも、背中を支点に飛び蹴りはいけると思う。
うん、ヒット。
ふっ、と小さく息を吐く。
「カット!」
と、声がかかりはぁーとその場に脱力する。
「わわ、千春ちゃん大丈夫?」
すぐさま父親とひなが駆け寄ってくる。
「…大丈夫じゃない。」
「千春ちゃんから見たKANAの殺陣はどう?」
「無茶苦茶。併せるのが大変。スピードが速すぎるのよ。」
「ふむ。まぁ、お疲れ様。」
ひょいと父親に抱き上げられると抵抗はせずそのまま椅子まで運ばれた。
「ひな、冷たいタオルと水分持って来てくれ。」
「分かった。」
近くにあった台本でパタパタと扇いでくれる。
涼しいー。
「KANA、お前は相手に合わせてスピード落とせ、出来るな?特に見せ場。」
「はい。…ちぃ、大丈夫か?」
「心配するぐらいなら全力で、やらないで。それよりも目配せしなさいよ。」
目は今濡れタオルで冷やしてるから見えないけど、情けない顔してんだろうなぁと安易に想像がつく。
足音が遠ざかったから、撮影に戻ったのだろう。
「パパ。覚悟しておいてね。外食なんて許さないから。」
「う、あ、はい。」
「父さんは仕事絡むと俺たちに無茶振り要求するから、毎回ちぃちゃんに怒られるんだよ?」
「だってうちの子優秀だから、つい頼んじゃうんだもん。」
「だもんじゃない。急すぎるの!いつもいつも!前もって言ってくれれば準備したのに!」
「はい、ごめんなさい。分かった前もって言うから、ちゃんとお願い聞いてね?」
「内容によるよね、ひな。」
「そうだね。内容によると思うよ?父さん。」
がばっと起き上がりパパに文句を言い、水分を補給して少し休ませて貰ったあと、私はひなの下校を待って家まで帰宅した。
明日早いらしく家からの方が都合がいいらしい。
今日の晩御飯はひなの好物とパパの嫌いなものを出した。
0
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司

隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
けいこ
恋愛
カフェも併設されたオシャレなパン屋で働く私は、大好きなパンに囲まれて幸せな日々を送っていた。
ただ…
トラウマを抱え、恋愛が上手く出来ない私。
誰かを好きになりたいのに傷つくのが怖いって言う恋愛こじらせ女子。
いや…もう女子と言える年齢ではない。
キラキラドキドキした恋愛はしたい…
結婚もしなきゃいけないと…思ってはいる25歳。
最近、パン屋に来てくれるようになったスーツ姿のイケメン過ぎる男性。
彼が百貨店などを幅広く経営する榊グループの社長で御曹司とわかり、店のみんなが騒ぎ出して…
そんな人が、
『「杏」のパンを、時々会社に配達してもらいたい』
だなんて、私を指名してくれて…
そして…
スーパーで買ったイチゴを落としてしまったバカな私を、必死に走って追いかけ、届けてくれた20歳の可愛い系イケメン君には、
『今度、一緒にテーマパーク行って下さい。この…メロンパンと塩パンとカフェオレのお礼したいから』
って、誘われた…
いったい私に何が起こっているの?
パン屋に出入りする同年齢の爽やかイケメン、パン屋の明るい美人店長、バイトの可愛い女の子…
たくさんの個性溢れる人々に関わる中で、私の平凡過ぎる毎日が変わっていくのがわかる。
誰かを思いっきり好きになって…
甘えてみても…いいですか?
※after story別作品で公開中(同じタイトル)
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
出会ったのは間違いでした 〜御曹司と始める偽りのエンゲージメント〜
玖羽 望月
恋愛
親族に代々議員を輩出するような家に生まれ育った鷹柳実乃莉は、意に沿わぬお見合いをさせられる。
なんとか相手から断ってもらおうとイメージチェンジをし待ち合わせのレストランに向かった。
そこで案内された席にいたのは皆上龍だった。
が、それがすでに間違いの始まりだった。
鷹柳 実乃莉【たかやなぎ みのり】22才
何事も控えめにと育てられてきたお嬢様。
皆上 龍【みなかみ りょう】 33才
自分で一から始めた会社の社長。
作中に登場する職業や内容はまったくの想像です。実際とはかけ離れているかと思います。ご了承ください。
初出はエブリスタにて。
2023.4.24〜2023.8.9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる