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第4章 スペシャルドラマ編
相変わらず。
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今撮影していたシーンはヒロインとかなちゃん(陸)が口喧嘩をしている時に、かなちゃんの実家でかなちゃんでは無く弟を当主に付けようとする親族の手先に、弱みとしてヒロインを攫いにくるのだが、2人で倒しちゃうという。
ヒロインのコンプレックスである、武術。
そこを含めてヒロインを好きなかなちゃんの役なんだけども、その格闘シーンで息の合った殺陣が必要らしいのだが、なかなか息が合わない。
との事で、今にいたる訳なんだけども。
かなちゃん自分感覚で動く事があるから、その辺りの見極めもあるんだろうなぁと思ってる。
基本向き合って口喧嘩してる時に相手の後方にいる敵を倒していく感じでって、指示がアバウト過ぎだと思います。
お互いちぎっては投げ状態で、技を掛けていくんだけど一番の見せ場はかなちゃんの背中をくるっと転がっ移動なんだが、絶対ここが合わないんだと思う!タイミング難しいと思う。
「陸!しゃがんで!!」
背中同士は無理でも、背中を支点に飛び蹴りはいけると思う。
うん、ヒット。
ふっ、と小さく息を吐く。
「カット!」
と、声がかかりはぁーとその場に脱力する。
「わわ、千春ちゃん大丈夫?」
すぐさま父親とひなが駆け寄ってくる。
「…大丈夫じゃない。」
「千春ちゃんから見たKANAの殺陣はどう?」
「無茶苦茶。併せるのが大変。スピードが速すぎるのよ。」
「ふむ。まぁ、お疲れ様。」
ひょいと父親に抱き上げられると抵抗はせずそのまま椅子まで運ばれた。
「ひな、冷たいタオルと水分持って来てくれ。」
「分かった。」
近くにあった台本でパタパタと扇いでくれる。
涼しいー。
「KANA、お前は相手に合わせてスピード落とせ、出来るな?特に見せ場。」
「はい。…ちぃ、大丈夫か?」
「心配するぐらいなら全力で、やらないで。それよりも目配せしなさいよ。」
目は今濡れタオルで冷やしてるから見えないけど、情けない顔してんだろうなぁと安易に想像がつく。
足音が遠ざかったから、撮影に戻ったのだろう。
「パパ。覚悟しておいてね。外食なんて許さないから。」
「う、あ、はい。」
「父さんは仕事絡むと俺たちに無茶振り要求するから、毎回ちぃちゃんに怒られるんだよ?」
「だってうちの子優秀だから、つい頼んじゃうんだもん。」
「だもんじゃない。急すぎるの!いつもいつも!前もって言ってくれれば準備したのに!」
「はい、ごめんなさい。分かった前もって言うから、ちゃんとお願い聞いてね?」
「内容によるよね、ひな。」
「そうだね。内容によると思うよ?父さん。」
がばっと起き上がりパパに文句を言い、水分を補給して少し休ませて貰ったあと、私はひなの下校を待って家まで帰宅した。
明日早いらしく家からの方が都合がいいらしい。
今日の晩御飯はひなの好物とパパの嫌いなものを出した。
ヒロインのコンプレックスである、武術。
そこを含めてヒロインを好きなかなちゃんの役なんだけども、その格闘シーンで息の合った殺陣が必要らしいのだが、なかなか息が合わない。
との事で、今にいたる訳なんだけども。
かなちゃん自分感覚で動く事があるから、その辺りの見極めもあるんだろうなぁと思ってる。
基本向き合って口喧嘩してる時に相手の後方にいる敵を倒していく感じでって、指示がアバウト過ぎだと思います。
お互いちぎっては投げ状態で、技を掛けていくんだけど一番の見せ場はかなちゃんの背中をくるっと転がっ移動なんだが、絶対ここが合わないんだと思う!タイミング難しいと思う。
「陸!しゃがんで!!」
背中同士は無理でも、背中を支点に飛び蹴りはいけると思う。
うん、ヒット。
ふっ、と小さく息を吐く。
「カット!」
と、声がかかりはぁーとその場に脱力する。
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すぐさま父親とひなが駆け寄ってくる。
「…大丈夫じゃない。」
「千春ちゃんから見たKANAの殺陣はどう?」
「無茶苦茶。併せるのが大変。スピードが速すぎるのよ。」
「ふむ。まぁ、お疲れ様。」
ひょいと父親に抱き上げられると抵抗はせずそのまま椅子まで運ばれた。
「ひな、冷たいタオルと水分持って来てくれ。」
「分かった。」
近くにあった台本でパタパタと扇いでくれる。
涼しいー。
「KANA、お前は相手に合わせてスピード落とせ、出来るな?特に見せ場。」
「はい。…ちぃ、大丈夫か?」
「心配するぐらいなら全力で、やらないで。それよりも目配せしなさいよ。」
目は今濡れタオルで冷やしてるから見えないけど、情けない顔してんだろうなぁと安易に想像がつく。
足音が遠ざかったから、撮影に戻ったのだろう。
「パパ。覚悟しておいてね。外食なんて許さないから。」
「う、あ、はい。」
「父さんは仕事絡むと俺たちに無茶振り要求するから、毎回ちぃちゃんに怒られるんだよ?」
「だってうちの子優秀だから、つい頼んじゃうんだもん。」
「だもんじゃない。急すぎるの!いつもいつも!前もって言ってくれれば準備したのに!」
「はい、ごめんなさい。分かった前もって言うから、ちゃんとお願い聞いてね?」
「内容によるよね、ひな。」
「そうだね。内容によると思うよ?父さん。」
がばっと起き上がりパパに文句を言い、水分を補給して少し休ませて貰ったあと、私はひなの下校を待って家まで帰宅した。
明日早いらしく家からの方が都合がいいらしい。
今日の晩御飯はひなの好物とパパの嫌いなものを出した。
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