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第2章 ブライダルフェア編
卒業式。
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パニックのバレンタインから、あっという間に日にちは過ぎ3月3日のひな祭り。
今日は私の卒業式が行われた
あの日以来かなちゃんを避けている自覚はある。
むしろどんな顔して会えばいいのかさっぱり分からない
だから、咄嗟に避けて逃げて、逃げられない時ははるちゃんにしがみついて離れないという状態を繰り返していた。
このままだといけないとは思ってる。
明日のブライダルフェアのパートナーは蒼介かかなちゃんだと聞いている。
多分午前と午後でパートナーが代わるのだろうと思っている。
「千春?大丈夫?」
「え?あ、大丈夫だよ?」
「そう?」
「うん。」
現在卒業式後のHRで、隣に座る愛美とバレないように話している。
「終わったら、いっぱい写真撮ろ?んで、千春のお母さん達紹介して。」
「あ、うん。スグに分かると思うよ、居場所に関しては」
「もしかしてざわついていた輪の中にいた人?」
「うん。多分そう。」
「楽しみにしてる」
先生の最後の話が終わり、解散する。
そのまま校舎を後にすれば人だかりを見つけた。
あそこで、間違いないな。
ママは、人だかりから少し離れた場所に立っていた。
「ママ!」
「おめでとう千春。」
緑がかったベージュの地に、牡丹や菊などが描かれた訪問着に、金地に古典柄の帯を合わせていて、髪は上品にアップでまとめていた。
40前には見えないよね。
「ありがとう!ママ、6年間同室だった愛美ちゃん。 」
「あら、愛美ちゃんも卒業おめでとう。6年間千春ちゃんと仲良くしてくれて、ありがとう。」
「い、え。こちらこそありがとうございます。え、千春のお母さんって花巻 千鶴さんなの?!」
「まぁ、若い子に知って貰えるって嬉しいわぁ。」
「若い子って娘と同い年じゃない。」
「私に比べれは充分若いわよ。」
「比べちゃダメだと思う。」
「もう!千春ちゃん!」
「なんで、早く教えてくれなかったのよぅ!私大ファンなのに!」
「だって、いったら愛美泣くじゃん!それが嫌だったの!それに、私基本的にpurの服着てたじゃない。」
「母娘だとは思わなかった。」
「千春ちゃんは桂ちゃん似だからねぇ。」
私のママは"pur"ってブランドのデザイナーだ。
愛美は、ずっとpurの服を着てたから好きなんだろうなぁって事は知ってた。
だけど、友達の涙を苦手とする私はずっと黙ってた。
今日は卒業式だからいいやと思ったのだ。
ママよりパパの方がインパクト強いだろうからと。
「はぁ、やっと抜け出せた。」
「おかえりなさい、桂ちゃん。」
「ただいま。ちぃちゃん卒業おめでとう。しかし、はーくんといいちぃちゃんといい、うちの子は優秀だな。」
「卒業生代表でしたものね。」
「そうだな、ところでそちらはちぃちゃんの友達?」
「はい!親友の愛美です!」
「これからもちぃちゃんのことよろしくね。」
「もちろんです!!千春、父親が俳優の岡崎桂樹さんで、母親がデザイナーの花巻 千鶴さん、兄と弟がHARUとHINA。これ以上私を驚かすことなんてないわよね?」
「うーん、どうだろう?自信はないかなぁー。」
「既に一生分の驚きだわ。」
「ごめんねー」
ふうと、ため息つく愛美に苦笑する。
遠巻きに私達親子を見ている感じだ。
「愛美ちゃんの御両親は要らしてるのかしら?」
「私も愛美のママ達紹介してよ!」
「私の両親はあそこで、ワタワタしてるわよ。」
と指さす方には、慌てた感じで電話をしている夫婦が居た。
4人で近くに行き簡単に挨拶をすると、この後用事があるとかで、別れることになった。
愛美はお母さん似でいいなぁーって言ったらパパが落ち込んだので、スルーしてママと買い物に出かけた。
今日は私の卒業式が行われた
あの日以来かなちゃんを避けている自覚はある。
むしろどんな顔して会えばいいのかさっぱり分からない
だから、咄嗟に避けて逃げて、逃げられない時ははるちゃんにしがみついて離れないという状態を繰り返していた。
このままだといけないとは思ってる。
明日のブライダルフェアのパートナーは蒼介かかなちゃんだと聞いている。
多分午前と午後でパートナーが代わるのだろうと思っている。
「千春?大丈夫?」
「え?あ、大丈夫だよ?」
「そう?」
「うん。」
現在卒業式後のHRで、隣に座る愛美とバレないように話している。
「終わったら、いっぱい写真撮ろ?んで、千春のお母さん達紹介して。」
「あ、うん。スグに分かると思うよ、居場所に関しては」
「もしかしてざわついていた輪の中にいた人?」
「うん。多分そう。」
「楽しみにしてる」
先生の最後の話が終わり、解散する。
そのまま校舎を後にすれば人だかりを見つけた。
あそこで、間違いないな。
ママは、人だかりから少し離れた場所に立っていた。
「ママ!」
「おめでとう千春。」
緑がかったベージュの地に、牡丹や菊などが描かれた訪問着に、金地に古典柄の帯を合わせていて、髪は上品にアップでまとめていた。
40前には見えないよね。
「ありがとう!ママ、6年間同室だった愛美ちゃん。 」
「あら、愛美ちゃんも卒業おめでとう。6年間千春ちゃんと仲良くしてくれて、ありがとう。」
「い、え。こちらこそありがとうございます。え、千春のお母さんって花巻 千鶴さんなの?!」
「まぁ、若い子に知って貰えるって嬉しいわぁ。」
「若い子って娘と同い年じゃない。」
「私に比べれは充分若いわよ。」
「比べちゃダメだと思う。」
「もう!千春ちゃん!」
「なんで、早く教えてくれなかったのよぅ!私大ファンなのに!」
「だって、いったら愛美泣くじゃん!それが嫌だったの!それに、私基本的にpurの服着てたじゃない。」
「母娘だとは思わなかった。」
「千春ちゃんは桂ちゃん似だからねぇ。」
私のママは"pur"ってブランドのデザイナーだ。
愛美は、ずっとpurの服を着てたから好きなんだろうなぁって事は知ってた。
だけど、友達の涙を苦手とする私はずっと黙ってた。
今日は卒業式だからいいやと思ったのだ。
ママよりパパの方がインパクト強いだろうからと。
「はぁ、やっと抜け出せた。」
「おかえりなさい、桂ちゃん。」
「ただいま。ちぃちゃん卒業おめでとう。しかし、はーくんといいちぃちゃんといい、うちの子は優秀だな。」
「卒業生代表でしたものね。」
「そうだな、ところでそちらはちぃちゃんの友達?」
「はい!親友の愛美です!」
「これからもちぃちゃんのことよろしくね。」
「もちろんです!!千春、父親が俳優の岡崎桂樹さんで、母親がデザイナーの花巻 千鶴さん、兄と弟がHARUとHINA。これ以上私を驚かすことなんてないわよね?」
「うーん、どうだろう?自信はないかなぁー。」
「既に一生分の驚きだわ。」
「ごめんねー」
ふうと、ため息つく愛美に苦笑する。
遠巻きに私達親子を見ている感じだ。
「愛美ちゃんの御両親は要らしてるのかしら?」
「私も愛美のママ達紹介してよ!」
「私の両親はあそこで、ワタワタしてるわよ。」
と指さす方には、慌てた感じで電話をしている夫婦が居た。
4人で近くに行き簡単に挨拶をすると、この後用事があるとかで、別れることになった。
愛美はお母さん似でいいなぁーって言ったらパパが落ち込んだので、スルーしてママと買い物に出かけた。
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