Day Dream

谷山佳与

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第2章 ブライダルフェア編

バレンタイン 4

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パパと一緒にラウンジを出た後、自分のメイン部署へとやってきた所でパパのマネージャー兼秘書の馬渡さんと遭遇し、パパは事務作業再開のため自分の持ち場に戻って行った。

とりあえず身分証を新しい物にしてもらわないとなぁ。

扉を開けブースを開け中へとはいる。
主任は変わってないって言ってたから、いるはずなんだけどなぁー、葉山さん。
少し入ってキョロキョロしていると、近くにいる男性職員が声を掛けてきた。
見たことない顔だなー。

「すみません、葉山さんいらっしゃいますか?」
「葉山ですか?申し訳ございません、どのようなご用件でしょうか。」
「身分証を発行してもらうよう、梶原さんとち…社長に言われたので、来させて頂いたのですが。」
「少々お待ち頂いてもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。」

近くにあった応接のソファに案内され、座って待つことにした。
しばらくして、やって来たのは白髪混じりの頭をオールバックにまとめ、グレーのスーツを着た葉山さんだった。

「お姫じゃん、久しぶりだな。」
「ご無沙汰してます。」
「身分証の発行だっけ。」
「はい。社長に、発行してもらってと言われました。」

と、持っていた身分証を手渡す。

「あー、これ確かに旧式だな。社長新しいのくれなかったのか?」
「綺麗に忘れていたみたいで。」
「成程。15分まてるか?」
「もちろんです。葉山さん、今日蒼介事務所ここ寄ります?」
「蒼介もそろそろ戻って来るからついでに待っとけ。」
「そうします。」

お辞儀をして、そのまま再度ソファに座ると着信内容を確認をした。

「たーだーいまー、戻りまし……ちぃ!!」

戻ってきた、蒼介と目が合った瞬間勢いよく抱きしめられほっぺたにキスされました。
相変わらずスキンシップが海外流。 
薄茶色の癖のある髪を綺麗にセットし、紺色のピーコートと、マフラーを撒いている。

「おかえり、蒼介。」
「え?ちぃやっと職場復帰すんの??」
「やっとって。私は学業に専念してただけです。」
「の割りには長期休暇の時仕事入れてたよね?」
「別にイイじゃん。」
「ねぇ、まだいる?」
「身分証出来るまでは。」
「用事さっさと終わらせるから送ってく!まってて!」

用件を言うと、嵐のように去っていった。
蒼介と入れ違いに葉山さんが戻ってきて、身分証を受け取る。

「ありがとうございます。」
「蒼介機嫌よく手続きしてたな、お姫なにかした?」
「一方的に送ってくって、ご機嫌で行きました。」
「頑張れ」
「分かりました。」

苦笑を、浮かべながらも蒼介が戻って来るのをまった。
葉山さんにも、バレンタインチョコを忘れないうちに渡す。

「ちぃ、お待たせ!行こう!」
「蒼介、あんまりはしゃぐなよ?」 
「大丈夫です。バレないようにやります」

自信満々に答える蒼介に苦笑する。
葉山さんに挨拶をして、フロアを後にした。

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