Day Dream

谷山佳与

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第2章 ブライダルフェア編

バレンタイン。

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「今年もきちゃったなー、バレンタイン。作るのは楽しい!そこは、認める。うー、机が恐怖だ。」
「…諦めて。」

愛美と、一緒に昇降口で靴を履きは帰る。
世の中はバレンタインデーでピンク一色である。
共学校なら、甘酸っぱい感じの事もあったのだろうけど、残念ながら女子校。
そんな、甘酸っぱい感じはまるで無い。
頭の高い位置で結んだ髪を揺らしながら教室へとむかう。

「千春先輩受け取って下さい!!」
「うん、ありがとう。」

廊下でばったり会った後輩からチョコを受け取ったのを皮切りにそれに続けと言わんばかりに次々に渡しに来る。
紙袋…足りるかな?
にっこり笑を浮かべ、受け取る側から袋にチョコを入れていく。
そろそろ、始業ベルがなる頃だ。

「愛美、どう収集つけよう。」
「ここはHARU様ボイスで撤退しよう!」
「そんなのあるの?」
「千春がするに決まってるでしょう?」
「あぁ、なる。」
「あ、あの千春先輩!受け取って下さい!!」

この辺りで撤収しようかな。

「"うん、ありがとう。そろそろ始業時間だからまた、あとで、ね?"」

少しHARUをイメージしながら、話す。
クセや仕草を真似するのも簡単だ。
元気よく返事をした後輩達は、各々クラスへ入っていく。

「…女子校ってどこもこんな感じなんだろうか?」
「大体はそうだと。何で出校日がバレンタインと被るかなー。」
「それ!本当に先生達も考えて欲しい。」

二人して溜息をつき、自分達のクラスに入れば机にはチョコの山ができていた。
その光景をみて、愛美がぽんと肩を叩いた。
絶対太る。
運動しなきゃなぁー。


HRが終わった後、教壇に立つとクラスメイトに作ってきたカップケーキを盛大に配る。
と、同時にお返しをもらった。

「千春ー、学年末の結果貼り出されたってー」
「ん、分かったー。」

荷物を片付けてホールに付くと、学年上位50人が張り出されていた。

「よし完璧!」
「うわぁー、引くわぁー何?オール満点って。」
「いや、はるちゃんと勝負してたんだよねー。」
「何を?」
「実家に戻った時の家事分担。」
「HARU様は家事できるの?」
「え?私の兄弟1通り何でもできるよ?パパでさえも出来るんだから。」

ケロッとした反応に周りがザワつく。
んー、必要にかられて身についた感じなんだけどなぁ。

それから、卒業式の練習をして学校をでた。



「寮に戻ってから行くかな?」
「おでかけ?」
「と言うより外泊するよ?愛美今日は1人だね」
「マジか!実家?」
「そう。渡さないと煩いのがいるからねー。」
「まぁ、千春loveでてきてるよね君ら兄弟。」
「間違ってはないかな?」

苦笑はしつつも寮へと戻り持って行くものをまとめて、寮母さんに再度外泊の旨を伝えた。
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