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第一部 クリスマスlive編
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午前中劇をなんとか乗り切った私は精神的に疲弊していた。
調子にのって本気の男装なんてやるもんじゃないと後悔していたりもする。
最後の年だからということで、開き直ってなんでも安請け合いはするものじゃないと思った。
ページェントも、眠れる森の美女も大好評のうちに終了した。
そして、その後新聞部の後輩に捕まり王子役の私とオーロラ姫役の愛美でしばらく写真を撮られた。
どうやら校内新聞で使われるらしい。
そのまま転売されやしないか正直心配なところではあるが、今は考えない事にした。
安請け合いと言えば、この後のキャンドルサービスの伴奏だ。
毎年音痴を理由に伴奏に回っていたが、今年はソロで演奏してくれと言われた。
正直お願いごとには弱い長女気質のせいで、ヴァイオリンでならと条件を付けたのだが、FRONTIERのライブがキャンドルサービス後にあるため内心冷や冷やものだ。
確実にあの三人は私の演奏に気がつく。むしろ気がつかない方がおかしい。
一応キャンドルサービス終了後会場をライブ向けにいじるため、時間があるので三人は控え室となっている教室に待機することになっている。
目さえ合わなければ大丈夫だろうということで、ライブの席は会場の一番後ろ。
とりあえず飲み物を途中で買いに出るつもりではいる。
制服に着替え、白いローブを着篭みヴァイオリンをもってステージに立つ。
ひゅんっと弓を振るとヴァイオリンを構えて演奏を始める。
それに合わせて三年生が歌いだす。
曲の間の聖書の言葉をの時はアレンジをしながら曲を引く。
口元に笑を浮かべながら、最後の曲まで引ききると大きな拍手と完成が上がった。
そのままお辞儀をしてステージ脇に引く。そのままヴァイオリンを片付けて会場を離れる。
講堂近くの自販機でホットのカフェラテを購入しそのまま近くのベンチに座り、口を付ける
ミニライブ形式の途中でMCが入るだろうからその頃に会場に戻ろう。
会場から聞こえてくる歌声に耳を傾けながら、あとはこのライブを乗り切れば大丈夫と自分に言い聞かせる。
どうせ高校を卒業したらソロなり、FRONTIERに加入するなりデビューはしなくてはいけないだろう。
だけど、ギリギリまで平穏な生活を送りたいというのも正直なところ。
残りを一気に飲み干すと、会場へと戻った。
会場へ入るとちょうど、MCに入ったところだった。
「皆さんこんにちは!FRONTIERです。いや〜女子校いい匂いするね!」
「はるちゃん変態臭い。」
「変態だろう?」
「ちょっと二人とも非道くない?!」
「僕たちはいつも優しいじゃない。」
「もう!それよりも俺超気になってることがるんだよね!」
カナちゃんの一言に生徒たちが何〜?と声をかける。
「午前中の劇で王子した子がHARUに激似ってこと聞いたのだけど、写真誰かないの?」
「え?そうなの?」
「見たくない?」
「「見たい!!」」
「君達兄弟だね。息ピッタリ。あ、あるの?ではスクリーンにご注目!!」
カナちゃんの一言で会場のライトが一度暗くなり、スクリーンに先ほどバシャバシャ撮られた写真が映し出された。
巻き添えで愛美も一緒だ。
しかも、上半身だけアップにしカナちゃんがその隣にはるちゃんを連れて、立たせる。
「うん、そっくり。びっくり。双子の弟とか居たっけ?」
「いねぇよ?」
「この人誰〜?」
と聞けば、”千春先輩!”と後輩が勢い良く、答える。
これはダメなやつじゃないだろうか?
会場を出れば大丈夫だろうと思ったのだが、スポットライトで照らされる。
まじ、後で絞める!
内心舌打ちをした瞬間、大音量で名前を呼ばれた。
「千春せんぱ〜い、ステージにカモン!!!」
盛大にため息をついた私は諦めたようにステージへと向かった。
調子にのって本気の男装なんてやるもんじゃないと後悔していたりもする。
最後の年だからということで、開き直ってなんでも安請け合いはするものじゃないと思った。
ページェントも、眠れる森の美女も大好評のうちに終了した。
そして、その後新聞部の後輩に捕まり王子役の私とオーロラ姫役の愛美でしばらく写真を撮られた。
どうやら校内新聞で使われるらしい。
そのまま転売されやしないか正直心配なところではあるが、今は考えない事にした。
安請け合いと言えば、この後のキャンドルサービスの伴奏だ。
毎年音痴を理由に伴奏に回っていたが、今年はソロで演奏してくれと言われた。
正直お願いごとには弱い長女気質のせいで、ヴァイオリンでならと条件を付けたのだが、FRONTIERのライブがキャンドルサービス後にあるため内心冷や冷やものだ。
確実にあの三人は私の演奏に気がつく。むしろ気がつかない方がおかしい。
一応キャンドルサービス終了後会場をライブ向けにいじるため、時間があるので三人は控え室となっている教室に待機することになっている。
目さえ合わなければ大丈夫だろうということで、ライブの席は会場の一番後ろ。
とりあえず飲み物を途中で買いに出るつもりではいる。
制服に着替え、白いローブを着篭みヴァイオリンをもってステージに立つ。
ひゅんっと弓を振るとヴァイオリンを構えて演奏を始める。
それに合わせて三年生が歌いだす。
曲の間の聖書の言葉をの時はアレンジをしながら曲を引く。
口元に笑を浮かべながら、最後の曲まで引ききると大きな拍手と完成が上がった。
そのままお辞儀をしてステージ脇に引く。そのままヴァイオリンを片付けて会場を離れる。
講堂近くの自販機でホットのカフェラテを購入しそのまま近くのベンチに座り、口を付ける
ミニライブ形式の途中でMCが入るだろうからその頃に会場に戻ろう。
会場から聞こえてくる歌声に耳を傾けながら、あとはこのライブを乗り切れば大丈夫と自分に言い聞かせる。
どうせ高校を卒業したらソロなり、FRONTIERに加入するなりデビューはしなくてはいけないだろう。
だけど、ギリギリまで平穏な生活を送りたいというのも正直なところ。
残りを一気に飲み干すと、会場へと戻った。
会場へ入るとちょうど、MCに入ったところだった。
「皆さんこんにちは!FRONTIERです。いや〜女子校いい匂いするね!」
「はるちゃん変態臭い。」
「変態だろう?」
「ちょっと二人とも非道くない?!」
「僕たちはいつも優しいじゃない。」
「もう!それよりも俺超気になってることがるんだよね!」
カナちゃんの一言に生徒たちが何〜?と声をかける。
「午前中の劇で王子した子がHARUに激似ってこと聞いたのだけど、写真誰かないの?」
「え?そうなの?」
「見たくない?」
「「見たい!!」」
「君達兄弟だね。息ピッタリ。あ、あるの?ではスクリーンにご注目!!」
カナちゃんの一言で会場のライトが一度暗くなり、スクリーンに先ほどバシャバシャ撮られた写真が映し出された。
巻き添えで愛美も一緒だ。
しかも、上半身だけアップにしカナちゃんがその隣にはるちゃんを連れて、立たせる。
「うん、そっくり。びっくり。双子の弟とか居たっけ?」
「いねぇよ?」
「この人誰〜?」
と聞けば、”千春先輩!”と後輩が勢い良く、答える。
これはダメなやつじゃないだろうか?
会場を出れば大丈夫だろうと思ったのだが、スポットライトで照らされる。
まじ、後で絞める!
内心舌打ちをした瞬間、大音量で名前を呼ばれた。
「千春せんぱ〜い、ステージにカモン!!!」
盛大にため息をついた私は諦めたようにステージへと向かった。
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