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学園生活2
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それからというもの、僕はティアとテオ、エリオット、ゾーイにヒューゴと大所帯で過ごすようになった。
それぞれエリオットとテオ、ゾーイとティアの仲が悪いのが気になるがそれ以外は平和に過ごしている。
「ジョシュア、前話していた魔法工学の品と魔法陣の本を持ってきてやったぞ」
「本当に!?エリオット、ありがとう!」
僕がお礼を言うと、興味を持ったらしいテオが覗き込んでくる。
「魔法工学?」
「うん、エリオットの国では広く使われているんだって。魔法が使えない人でも魔石で魔道具が使えるんだ」
「へぇ….」
「これは声を吹き込んで相手にメッセージを届ける魔道具だ。使い方は…」
そうしてエリオットが魔道具について説明してくれる。その内容は想像以上に面白いものだった。
「なるほど…この魔法陣で音を保存して…」
「ああ、それでこっちで相手を特定して…」
僕がエリオットとの会話に夢中になっているとテオがつまらなそうに口を尖らせた。
「こんなものなくても僕が魔法でやってあげるのに
に…」
その言葉に僕とエリオットが振り返る。
「お前、失礼なやつだな」
エリオットがそう言い放った。
「これは俺の国で普及しているものだ。それをこんなもの扱いとは。それにお前は常にジョシュアのそばにいてこいつが使いたいタイミングで魔法を使ってやる気か?」
その言葉にテオは失言に気づいたらしい。
ハッとしたように「ごめん…」と謝った。彼の普段の態度を知っているので僕はテオが貶す目的で言ったのではないと分かっている。
「僕は大丈夫、エリオットにはごめんね。それにやっぱり僕としても魔法の代わりになる魔道具は興味深いよ」
そう言うと、エリオットは「なぜお前が謝る?」と不思議そうな顔をした。僕はうっかり兄としてエリオットに謝ってしまったことを慌ててごまかす。
そうして、一応は機嫌を直してくれた彼が再び解説をしてくれた。
「この本に基礎的な魔法陣が載ってるから、色々見てみるといい」
「うん、ありがとう!」
そうして僕たちは賑やかに過ごした。
だがその様子を少し輪から外れて見ている人物がいた。
「何でジョシュアばっかり…同じ平民なのに…」
~ヒューゴside~
僕は裕福な商家の息子で、両親に"貴族との繋がりを"と期待されてこの学園に入学した。
最初は貴族ばかりの学園で緊張したけれど、僕の他にも平民の子がいることを知って安堵した。
そしてさっそく初日から繋がりを作らなければと思い貴族の子に話しかけた。それがハンフリー伯爵令息だ。
その人選が良くなかったことは後から知ったが、その時は下位の貴族令息と仲良くしているので、自分とも親しくしてくれるのではないかと思ったんだ。
結果は散々で、召使のような真似事をしてくれるなら"友達"になってやってもいいと言われてしまった。僕は断ることができなくて、引き攣った笑顔で頷いた。
(お父さんお母さんごめん…僕失敗しちゃったみたいだ…)
そうして食事の用意をさせられたかと思えば頭からスープをかけられた。これはもう上辺の友達ですらない。
僕は辛くなって泣きついて家に帰ってしまおうかと思った。
だが、そんな僕を助けようとしてくれる子がいた。それが同じ平民のジョシュアだ。
銀髪にグレーの瞳のとても美しい少年だけれど、色がないと言うことは魔法が使えないということだ。
自己紹介の時に存在は知っていたけれど、友達になるメリットはないと思って話しかけるつもりはなかった。だというのに、そんな彼に助けられるなんて…
僕は自分を恥ずかしく思いながらも彼の助けに感謝した。まあ、結局その場を収めてくれたのはエリオットだったけど。
そして、結局平民同士で友達となってしまった。
だが思わぬ誤算は、彼がアダムス家の後援を受けていたということだ。僕はジョシュアを通してゾーイ嬢との繋がりを手に入れた。
それどころか、彼のことを気にしたエリオットとも一緒に行動するようになった。
最初はこの繋がりを喜んだ。ジョシュアのおかげで貴族との繋がりを得られたと。
だが、彼らの関心は僕ではなく常にジョシュアに向けられている。それが次第に腹立たしくなっていった。
極め付けはウッドセン家のアリスティアだ。彼女を見たとき、こんなに可愛い女の子がこの世にいるのかと思った。
だが彼女の関心もジョシュアにしか無いようだ。
ゾーイ嬢とばかり話してるように見えるがその視線はいつもジョシュアに向けられている。
(なんでジョシュアばっかり…)
そうして、僕は美しいだけで何の能力もない友人を疎ましく思うようになった。
それぞれエリオットとテオ、ゾーイとティアの仲が悪いのが気になるがそれ以外は平和に過ごしている。
「ジョシュア、前話していた魔法工学の品と魔法陣の本を持ってきてやったぞ」
「本当に!?エリオット、ありがとう!」
僕がお礼を言うと、興味を持ったらしいテオが覗き込んでくる。
「魔法工学?」
「うん、エリオットの国では広く使われているんだって。魔法が使えない人でも魔石で魔道具が使えるんだ」
「へぇ….」
「これは声を吹き込んで相手にメッセージを届ける魔道具だ。使い方は…」
そうしてエリオットが魔道具について説明してくれる。その内容は想像以上に面白いものだった。
「なるほど…この魔法陣で音を保存して…」
「ああ、それでこっちで相手を特定して…」
僕がエリオットとの会話に夢中になっているとテオがつまらなそうに口を尖らせた。
「こんなものなくても僕が魔法でやってあげるのに
に…」
その言葉に僕とエリオットが振り返る。
「お前、失礼なやつだな」
エリオットがそう言い放った。
「これは俺の国で普及しているものだ。それをこんなもの扱いとは。それにお前は常にジョシュアのそばにいてこいつが使いたいタイミングで魔法を使ってやる気か?」
その言葉にテオは失言に気づいたらしい。
ハッとしたように「ごめん…」と謝った。彼の普段の態度を知っているので僕はテオが貶す目的で言ったのではないと分かっている。
「僕は大丈夫、エリオットにはごめんね。それにやっぱり僕としても魔法の代わりになる魔道具は興味深いよ」
そう言うと、エリオットは「なぜお前が謝る?」と不思議そうな顔をした。僕はうっかり兄としてエリオットに謝ってしまったことを慌ててごまかす。
そうして、一応は機嫌を直してくれた彼が再び解説をしてくれた。
「この本に基礎的な魔法陣が載ってるから、色々見てみるといい」
「うん、ありがとう!」
そうして僕たちは賑やかに過ごした。
だがその様子を少し輪から外れて見ている人物がいた。
「何でジョシュアばっかり…同じ平民なのに…」
~ヒューゴside~
僕は裕福な商家の息子で、両親に"貴族との繋がりを"と期待されてこの学園に入学した。
最初は貴族ばかりの学園で緊張したけれど、僕の他にも平民の子がいることを知って安堵した。
そしてさっそく初日から繋がりを作らなければと思い貴族の子に話しかけた。それがハンフリー伯爵令息だ。
その人選が良くなかったことは後から知ったが、その時は下位の貴族令息と仲良くしているので、自分とも親しくしてくれるのではないかと思ったんだ。
結果は散々で、召使のような真似事をしてくれるなら"友達"になってやってもいいと言われてしまった。僕は断ることができなくて、引き攣った笑顔で頷いた。
(お父さんお母さんごめん…僕失敗しちゃったみたいだ…)
そうして食事の用意をさせられたかと思えば頭からスープをかけられた。これはもう上辺の友達ですらない。
僕は辛くなって泣きついて家に帰ってしまおうかと思った。
だが、そんな僕を助けようとしてくれる子がいた。それが同じ平民のジョシュアだ。
銀髪にグレーの瞳のとても美しい少年だけれど、色がないと言うことは魔法が使えないということだ。
自己紹介の時に存在は知っていたけれど、友達になるメリットはないと思って話しかけるつもりはなかった。だというのに、そんな彼に助けられるなんて…
僕は自分を恥ずかしく思いながらも彼の助けに感謝した。まあ、結局その場を収めてくれたのはエリオットだったけど。
そして、結局平民同士で友達となってしまった。
だが思わぬ誤算は、彼がアダムス家の後援を受けていたということだ。僕はジョシュアを通してゾーイ嬢との繋がりを手に入れた。
それどころか、彼のことを気にしたエリオットとも一緒に行動するようになった。
最初はこの繋がりを喜んだ。ジョシュアのおかげで貴族との繋がりを得られたと。
だが、彼らの関心は僕ではなく常にジョシュアに向けられている。それが次第に腹立たしくなっていった。
極め付けはウッドセン家のアリスティアだ。彼女を見たとき、こんなに可愛い女の子がこの世にいるのかと思った。
だが彼女の関心もジョシュアにしか無いようだ。
ゾーイ嬢とばかり話してるように見えるがその視線はいつもジョシュアに向けられている。
(なんでジョシュアばっかり…)
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