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学園生活2

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長いようで短い謹慎期間が明けた。

ティアとテオは僕を気遣ってか、詳しいことは何も聞かず僕が家でくつろげるよう取り計らってくれた。

2人は随分仲良くなったようで、まるで言葉にせずともお互いの考えが読めているような行動に、今まで仲裁ばかりしていた僕は安堵すると共に少し寂しさを感じる。


そして今日はいよいよ学園に戻る日だ。ティアとテオに見送られながら憂鬱な気分で馬車に乗り込む。

「お兄様。私お兄様のお役に立てるよう頑張りますから、もう少し待っていてくださいね」
「うん?ありがとう。でもティアはもう十分頑張っているよ」
「お兄様、怪我や病気に気をつけて…僕が行くまで絶対に危険なことはしないでくださいね」
「テオは心配性だな。大丈夫、無茶はしないよ」

そうして、何だか2人にものすごく心配されながら僕は学園へと戻って行った。
  


ーーー

学園に到着するとゾーイとヒューゴ、それから何故かエリオットが迎えてくれた。

「ジョシュ!元気だった?」

真っ先に駆け寄ってきたゾーイが心配そうに僕の顔を覗き込む。

「うん、ありがとう。僕は大丈夫。ゆっくり休ませてもらってすっかり元気だよ」

そう答えればゾーイはホッとしたように笑った。

「そのジョシュア…久しぶり」

すると後ろからおずおずとヒューゴが顔を覗かせる。

「ヒューゴ、久しぶり。それからエリオット様も…」
「エリオット」
「エリオットも…久しぶり」

ゾーイとヒューゴがいるので様付けで呼ぼうとしたが、またしても訂正されてしまった。そもそもどうして彼がここにいるのかも分からないのだが…

「あの、なんでエリオットがここに?」
「……だ」
「え?」
「これ以上学園でトラブルが起きないよう見張るためだ!」
「ええっ?だからって何で僕のところに?」
「そんなのお前がトラブルメーカーだからに決まってるだろ」
「別に僕がトラブルを起こしているわけでは…」

どうも腑に落ちない理由に口を尖らせるが、エリオットは聞く耳を持たなかった。

「とにかく、これからは俺のそばにいろ。分かったな?」

その力強い語気に気圧され僕は頷いてしまった。

横でゾーイがクスクスと笑い、ヒューゴは羨ましそうな顔で僕を見ている。

「彼、思ったよりいい人みたいよ。少し頼らせてもらいましょう?」
「でも公爵令息だよ?そんな人と一緒にいていいのかな」

小声で話しかけてきたゾーイにこちらも小声で応じる。

「あら、ジョシュだって侯爵令息じゃない。全然問題ないと思うけど?」
「わっ!それは秘密だってば!それにどっちにしろ本来の立場は平民と変わらないんだから」

そう言ったものの、学園に戻ってくることに不安を抱いていた僕は、彼のぶっきらぼうな優しさを嬉しく感じた。
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