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第四章『魔王城で婚活を!?」
第76話 人は獣 ★
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うっとりとした表情で上気した頬に手を添える大淫婦ラミア。
「さぁ、狂いなさい! これが獣のあるべき姿なの! 理性だ秩序だ規律だなんてくだらない。好きな相手と好きな時に好きなだけ交尾するのが獣でしょう?」
「ウオオオオーーーーッ!」
女性を組み敷く男たちは賛同するように雄叫びをあげる。
無我夢中で腰を振り、パン! パン! と肉と肉がぶつかり合う音が重なっていく。
「あん、あンっっ♡ イイっ! 私の愛しの旦那、天国から愛に来てくれたのね! 何年ぶりかしら、こんな熱くて激しいセックス♡」
「好きな人なんて居なかったけど、逞しい男に抱かれるのってこんなに気持ちいいのね! クセになっちゃうわっ! はぁんっ♡ そこっ、もっとじゅぽじゅぽ突いてぇ♡」
「すごい……これがセックス……♡ 普段は優しいパパとママも、こんな激しいセックスして私を産んだんだね……♡」
驚くことに、襲われているはずの女性たちも、我を忘れて性行為を楽しんでいた。
両足で男の腰をホールドしたり、女性が男性を押し倒し、騎乗位で精を搾り取っている者までいる。
同性に魔眼は効かないと思ったけど、単に効き目が男性に比べて遅いだけのようだ。
「あら、女の子が少ないからって、男同士でくっついちゃってるわ。んふふっ。穴があればなんでも構わないなんて、イイ狂いっぷりねぇん」
やがて彼らのボルテージは最高潮に達し、男たちは次々と射精した。
獣じみた咆哮と、黄色い絶叫が不気味に荒野に響き渡る。
眼下で繰り広げられる悲惨な光景にヒミカは思わず目を逸らす。
ラミアは人間を獣と言ったが、野生の獣や魔物、昆虫でさえ交尾時はもう少し場所や時期を選ぶだろう。
「人間ってほんと面白いわね。アタシが魅了したからって、一年中ずっと発情できる生物なんて、アナタたちくらいじゃないかしらぁん」
(ラミアの力は魅了って、私と同じ? いや、こんなの……同じなんかじゃない!)
「ちょっと、ウチを無視しないでくれる?」
ゴオッ!!
突然熱風が吹き荒れ、巨大な火球が唸りを上げてラミアに激突した。
「リルム!」
「あらぁん? 貴方、強力な魔法耐性を持ってるのね。もしかして先代勇者の関係者? でも、相性が悪かったわね」
火球が直撃する瞬間に、ラミアは尻尾でボールを打つようにして防いだ。
並みの魔物であれば灰さえ残さず燃やし尽くすリルムの魔法だが、ラミアには多少鱗に焦がした程度で霧散してしまう。
「ちぃ……っ。蛇の身体で【竜鱗】なんて。好き嫌いせず炎以外の魔法もちゃんと勉強しておくべきだったわ」
「全力のアナタなら強引に燃やし尽くすこともできたでしょうね。でも、アタシの魔眼は【魔導士】系が元々持っている素質程度の耐性じゃ防ぎ切れないわぁ」
「くっ……ううっ、ん……っ」
箒を砕くような勢いで握りしめるリルム。不自然に紅潮した顔には悔しさが滲み出ている。
「はぁっ……は、あっ」
「早く楽になりなさいな。お股にその箒をぐりぐり擦りつけたくって仕方ないんでしょう? んふふっ。アナタの目には一体誰が映っているのかしらぁん」
「だ、黙らっしゃい……っ!」
ヒミカを除いてこの場で唯一発狂していないだけでもリルムの実力の高さが伺える。
しかし、魔眼の影響からは完全には逃れられないようで、口の端からつーっと涎が垂れてしまっている。
「アナタに興味はないから、安心してオナニーしてなさいな。じゃあねぇん」
ラミアはさらに飛翔し、空駆ける竜の如く魔王城がある方角の大地割れに向かって飛び去っていく。
「こらっ、待ちなさいっ……!」
リルムがなけなしの魔力を振り絞って火球を放つも、既に遠く離れたラミアに追いつく頃には勢いが萎んで消えてしまった。
あっという間にリルムと、荒野で繰り広げられた乱交の地獄絵図が遠ざかっていく。
「ちょっと、戦線の人たちを元に戻しなさいよ!」
「うるさいわねぇ。このまま尻尾を締めつけて身体をぐにゃぐにゃにしてもいいのよ? それにあのおサルさん達だって、素敵な夢を見せているだけじゃない」
「素敵な夢ですって……? はっ、ユーマ! ねぇ、ユーマ、一体どうしちゃったの!?」
少し離れたところで一緒に囚われているユーマが、がっくりと項垂れている。呼びかけても反応がなく、意識を失っているようだ。
「意識を失うなんて、アタシの魔眼は坊やにはちょぉっと刺激が強すぎたみたいね。んふふっ、早く帰らなくっちゃ。ヨダレが止まらないわぁ」
「何言ってるの? ユーマをどうするつもり?」
「もともと魔王様が勇者を連れてこいって言うから渋々地上に出てきたけどぉ、アタシ、勇者のことはどうでもいいのよねぇん。メスだし」
「どうでもいいって────わっ!?」
突然、眼下に広がる景色が一変して、暗闇に包まれた。
かつて勇者の墓の頂上から見た、荒野にぽっかりと口を開いた大地割れまで到達していたのだ。
(あれが、魔王城……!)
光の届かない暗闇の奥に、禍々しい城がぼんやりと姿を現している。
見た目はセントエルディア城と大差ないが、視認できるほどの毒々しい瘴気を纏っている。
魔界戦線付近の魔物が一際凶暴なのは、この瘴気に当てられているからだろう。
「魔王様、役目は果たしましたわ。この坊やはアタシの好きにさせてもらいますから、魔王様は勇者とどうぞお幸せに」
途端に、再び虚空からともなく声が響き渡った。
『いいとも。勇者をこちらへ』
「はぁい、どうぞ」
「魔王! ──ってちょっ、ええっ!? 落ちてるっ!?」
気づいた時には、ゴミを放り投げるようにしてヒミカは空中へと投げ出されていた。
「え~~~~~~~っ! ユーマぁ────っ!」
助けを求めるも虚しく、真っ逆さまに落ちていく。
「さぁ、狂いなさい! これが獣のあるべき姿なの! 理性だ秩序だ規律だなんてくだらない。好きな相手と好きな時に好きなだけ交尾するのが獣でしょう?」
「ウオオオオーーーーッ!」
女性を組み敷く男たちは賛同するように雄叫びをあげる。
無我夢中で腰を振り、パン! パン! と肉と肉がぶつかり合う音が重なっていく。
「あん、あンっっ♡ イイっ! 私の愛しの旦那、天国から愛に来てくれたのね! 何年ぶりかしら、こんな熱くて激しいセックス♡」
「好きな人なんて居なかったけど、逞しい男に抱かれるのってこんなに気持ちいいのね! クセになっちゃうわっ! はぁんっ♡ そこっ、もっとじゅぽじゅぽ突いてぇ♡」
「すごい……これがセックス……♡ 普段は優しいパパとママも、こんな激しいセックスして私を産んだんだね……♡」
驚くことに、襲われているはずの女性たちも、我を忘れて性行為を楽しんでいた。
両足で男の腰をホールドしたり、女性が男性を押し倒し、騎乗位で精を搾り取っている者までいる。
同性に魔眼は効かないと思ったけど、単に効き目が男性に比べて遅いだけのようだ。
「あら、女の子が少ないからって、男同士でくっついちゃってるわ。んふふっ。穴があればなんでも構わないなんて、イイ狂いっぷりねぇん」
やがて彼らのボルテージは最高潮に達し、男たちは次々と射精した。
獣じみた咆哮と、黄色い絶叫が不気味に荒野に響き渡る。
眼下で繰り広げられる悲惨な光景にヒミカは思わず目を逸らす。
ラミアは人間を獣と言ったが、野生の獣や魔物、昆虫でさえ交尾時はもう少し場所や時期を選ぶだろう。
「人間ってほんと面白いわね。アタシが魅了したからって、一年中ずっと発情できる生物なんて、アナタたちくらいじゃないかしらぁん」
(ラミアの力は魅了って、私と同じ? いや、こんなの……同じなんかじゃない!)
「ちょっと、ウチを無視しないでくれる?」
ゴオッ!!
突然熱風が吹き荒れ、巨大な火球が唸りを上げてラミアに激突した。
「リルム!」
「あらぁん? 貴方、強力な魔法耐性を持ってるのね。もしかして先代勇者の関係者? でも、相性が悪かったわね」
火球が直撃する瞬間に、ラミアは尻尾でボールを打つようにして防いだ。
並みの魔物であれば灰さえ残さず燃やし尽くすリルムの魔法だが、ラミアには多少鱗に焦がした程度で霧散してしまう。
「ちぃ……っ。蛇の身体で【竜鱗】なんて。好き嫌いせず炎以外の魔法もちゃんと勉強しておくべきだったわ」
「全力のアナタなら強引に燃やし尽くすこともできたでしょうね。でも、アタシの魔眼は【魔導士】系が元々持っている素質程度の耐性じゃ防ぎ切れないわぁ」
「くっ……ううっ、ん……っ」
箒を砕くような勢いで握りしめるリルム。不自然に紅潮した顔には悔しさが滲み出ている。
「はぁっ……は、あっ」
「早く楽になりなさいな。お股にその箒をぐりぐり擦りつけたくって仕方ないんでしょう? んふふっ。アナタの目には一体誰が映っているのかしらぁん」
「だ、黙らっしゃい……っ!」
ヒミカを除いてこの場で唯一発狂していないだけでもリルムの実力の高さが伺える。
しかし、魔眼の影響からは完全には逃れられないようで、口の端からつーっと涎が垂れてしまっている。
「アナタに興味はないから、安心してオナニーしてなさいな。じゃあねぇん」
ラミアはさらに飛翔し、空駆ける竜の如く魔王城がある方角の大地割れに向かって飛び去っていく。
「こらっ、待ちなさいっ……!」
リルムがなけなしの魔力を振り絞って火球を放つも、既に遠く離れたラミアに追いつく頃には勢いが萎んで消えてしまった。
あっという間にリルムと、荒野で繰り広げられた乱交の地獄絵図が遠ざかっていく。
「ちょっと、戦線の人たちを元に戻しなさいよ!」
「うるさいわねぇ。このまま尻尾を締めつけて身体をぐにゃぐにゃにしてもいいのよ? それにあのおサルさん達だって、素敵な夢を見せているだけじゃない」
「素敵な夢ですって……? はっ、ユーマ! ねぇ、ユーマ、一体どうしちゃったの!?」
少し離れたところで一緒に囚われているユーマが、がっくりと項垂れている。呼びかけても反応がなく、意識を失っているようだ。
「意識を失うなんて、アタシの魔眼は坊やにはちょぉっと刺激が強すぎたみたいね。んふふっ、早く帰らなくっちゃ。ヨダレが止まらないわぁ」
「何言ってるの? ユーマをどうするつもり?」
「もともと魔王様が勇者を連れてこいって言うから渋々地上に出てきたけどぉ、アタシ、勇者のことはどうでもいいのよねぇん。メスだし」
「どうでもいいって────わっ!?」
突然、眼下に広がる景色が一変して、暗闇に包まれた。
かつて勇者の墓の頂上から見た、荒野にぽっかりと口を開いた大地割れまで到達していたのだ。
(あれが、魔王城……!)
光の届かない暗闇の奥に、禍々しい城がぼんやりと姿を現している。
見た目はセントエルディア城と大差ないが、視認できるほどの毒々しい瘴気を纏っている。
魔界戦線付近の魔物が一際凶暴なのは、この瘴気に当てられているからだろう。
「魔王様、役目は果たしましたわ。この坊やはアタシの好きにさせてもらいますから、魔王様は勇者とどうぞお幸せに」
途端に、再び虚空からともなく声が響き渡った。
『いいとも。勇者をこちらへ』
「はぁい、どうぞ」
「魔王! ──ってちょっ、ええっ!? 落ちてるっ!?」
気づいた時には、ゴミを放り投げるようにしてヒミカは空中へと投げ出されていた。
「え~~~~~~~っ! ユーマぁ────っ!」
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