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第三章『王子様、現る!?』
第71話 誰がヤる?
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「え?」
「クライド自身が言っている通り、彼は暴走しています。野放しにしては、ヒミカさんや他の兵士達に危害が及びます」
「でも、クライドはもう……」
怪我をして動けない。
そう言おうとした時。
「ヒミカァああああ! 孕ませロ、孕ませろ孕ハラ孕孕孕――――ッ!」
「ひっ」
人間というか、足の折れた虫のような生理的嫌悪を催す動きで、身体をバタつかせる。
圧倒的不利という状況にも関わらず、冷静な判断ができていない。
ただ、ヒミカに精液を流し込みたいという【繁殖】の権能に突き動かされている。
もはや、かつての遊撃部隊隊長の面影はない。
「ヒミカさん、どうしたんですか? 剣扇なら、勇者の力で魔王族にトドメを刺すことができるはずです」
「それはわかってる」
クライドは自ら魔王に取り入った。
あまりにも愚かで、悪だ。
でも、動けない。
何の躊躇いもなく右手を振り下ろせるわけがない。
(だって、クライドは……っ!)
魔物じゃない。
幼馴染だった。
学友だった。
(好き、だったんだ!)
「やれやれ。やっぱりヒミカは優しくて甘々のしゅがーちゃんだね。ま、だからこそウチやアウザーのスケベ野郎は勇者になれなかったんだろうけど」
リルムが箒に乗ったままやれやれと苦笑する。
一方、ユーマは冷徹な目つきのまま、ヒミカが持つ剣扇を手に取った。
「大丈夫です。ヒミカさんが無理なら、僕が汚れ役になりますから」
剣扇は主の手を離れた途端、瞬く間に光を失い、まるで巨大な石像のように重くなっていく。
「ぐ、うっ」
両手で引きずるようにしながら、ユーマは一歩、また一歩と近づき、仰向けで痴態を晒すクライドを見下ろした。
「だめ、ユーマ」
「ダメじゃないです。クライドは、放っておいてもいずれ死にますよ。でも、ここで油断して、その結果誰かが怪我をする。そんなのはもう嫌なんです」
ユーマの脳裏に、ベアウルフに噛みつかれ両腕を失うことになったガイ、目を潰されて絶命した門番のブロウの姿、魔物と戦って傷ついていく兵士の姿が焼き付いている。
スライムやゴブリン、ベアウルフと遊んでいた頃とはまるで違う、魔王族との闘い。
こうなってしまった責任は当事者であるヒミカと、騎士であるユーマにある。
「僕らは、一刻も早く魔王を倒さなくちゃいけない。魔王の眷属であっても、根絶やしにしないといけないんです!」
全身全霊の力を込めて、剣扇を振り上げた両手を思いっきりクライドの心臓めがけて振り下ろした。
「──あれ?」
ユーマにとっては鉄球の如き剣扇を、華奢な手の平が羽毛のようにふわりと受け止めていた。
「ありがとうユーマ。ようやく決心がついたわ」
聖母のように柔らかく微笑むその瞳には、妖艶な魔力が宿っていた。
「私に、ヤらせて?」
ヒミカはユーマから再び剣扇を取り返すと、倒れるクライドの上体をそっと起こして抱きしめる。
「【誘惑の濡れ瞳】」
「グ、あッ!?」
勇者の魔力が魔王の眷属の瞳を射抜く。
「今まで、魅了はずっと使わないようにしてたの」
だって、好きだったから。
心を無理やり誘導することはしたくなかった。
「勇者になれないからって、なんでヴィーヴィルなんて、悪魔の契約をしたの……!? 勇者になれなかったから何? 勇者の私なんかより、何でも持っていて、ずっと強いくせに!」
きつく閉じた目を思いっきり開くと、剣扇の切っ先を、クライドの手の甲へと突き刺した。
「痛ってエェエエエエエエッ!?」
クライドが狂ったように暴れ回るも、手が床に縫い付けられているため身動きが取れない。
「これはさっき私を思いっきり殴った分よ。大丈夫、すぐに気持ちよくなって痛みなんて感じなくなるから」
「あのう、ヒミカさん……?」
「ふひひっ。これはむふふーな展開だねぇ」
後ろでユーマとリルムが騒いでいるけど気にしない。
「クライド、あの頃の放課後と、昨日のシャワーテントで二度もお預けしちゃったよね。…あの続き、シよ?」
「続キ……?」
しゅるりと真紅のベラを脱いでいく。白く華奢な肩、そして片方零れていたおっぱいの全貌が露になる。
生まれたままの姿になったヒミカは、クライドの腰に後ろ向きでゆっくりと跨る。
ヴィーヴィルに感染し、【繁殖】の権能を振るうべく異形と化したペニスを掴む。
大きすぎてヒミカの小さな手では指と指がくっつかない程だ。
「んっ────ぐ、うっ」
短く息を吐いて、一気に腰を沈ませた。
膣よりもさらに後ろの、お尻の穴に向けて。
「クライド自身が言っている通り、彼は暴走しています。野放しにしては、ヒミカさんや他の兵士達に危害が及びます」
「でも、クライドはもう……」
怪我をして動けない。
そう言おうとした時。
「ヒミカァああああ! 孕ませロ、孕ませろ孕ハラ孕孕孕――――ッ!」
「ひっ」
人間というか、足の折れた虫のような生理的嫌悪を催す動きで、身体をバタつかせる。
圧倒的不利という状況にも関わらず、冷静な判断ができていない。
ただ、ヒミカに精液を流し込みたいという【繁殖】の権能に突き動かされている。
もはや、かつての遊撃部隊隊長の面影はない。
「ヒミカさん、どうしたんですか? 剣扇なら、勇者の力で魔王族にトドメを刺すことができるはずです」
「それはわかってる」
クライドは自ら魔王に取り入った。
あまりにも愚かで、悪だ。
でも、動けない。
何の躊躇いもなく右手を振り下ろせるわけがない。
(だって、クライドは……っ!)
魔物じゃない。
幼馴染だった。
学友だった。
(好き、だったんだ!)
「やれやれ。やっぱりヒミカは優しくて甘々のしゅがーちゃんだね。ま、だからこそウチやアウザーのスケベ野郎は勇者になれなかったんだろうけど」
リルムが箒に乗ったままやれやれと苦笑する。
一方、ユーマは冷徹な目つきのまま、ヒミカが持つ剣扇を手に取った。
「大丈夫です。ヒミカさんが無理なら、僕が汚れ役になりますから」
剣扇は主の手を離れた途端、瞬く間に光を失い、まるで巨大な石像のように重くなっていく。
「ぐ、うっ」
両手で引きずるようにしながら、ユーマは一歩、また一歩と近づき、仰向けで痴態を晒すクライドを見下ろした。
「だめ、ユーマ」
「ダメじゃないです。クライドは、放っておいてもいずれ死にますよ。でも、ここで油断して、その結果誰かが怪我をする。そんなのはもう嫌なんです」
ユーマの脳裏に、ベアウルフに噛みつかれ両腕を失うことになったガイ、目を潰されて絶命した門番のブロウの姿、魔物と戦って傷ついていく兵士の姿が焼き付いている。
スライムやゴブリン、ベアウルフと遊んでいた頃とはまるで違う、魔王族との闘い。
こうなってしまった責任は当事者であるヒミカと、騎士であるユーマにある。
「僕らは、一刻も早く魔王を倒さなくちゃいけない。魔王の眷属であっても、根絶やしにしないといけないんです!」
全身全霊の力を込めて、剣扇を振り上げた両手を思いっきりクライドの心臓めがけて振り下ろした。
「──あれ?」
ユーマにとっては鉄球の如き剣扇を、華奢な手の平が羽毛のようにふわりと受け止めていた。
「ありがとうユーマ。ようやく決心がついたわ」
聖母のように柔らかく微笑むその瞳には、妖艶な魔力が宿っていた。
「私に、ヤらせて?」
ヒミカはユーマから再び剣扇を取り返すと、倒れるクライドの上体をそっと起こして抱きしめる。
「【誘惑の濡れ瞳】」
「グ、あッ!?」
勇者の魔力が魔王の眷属の瞳を射抜く。
「今まで、魅了はずっと使わないようにしてたの」
だって、好きだったから。
心を無理やり誘導することはしたくなかった。
「勇者になれないからって、なんでヴィーヴィルなんて、悪魔の契約をしたの……!? 勇者になれなかったから何? 勇者の私なんかより、何でも持っていて、ずっと強いくせに!」
きつく閉じた目を思いっきり開くと、剣扇の切っ先を、クライドの手の甲へと突き刺した。
「痛ってエェエエエエエエッ!?」
クライドが狂ったように暴れ回るも、手が床に縫い付けられているため身動きが取れない。
「これはさっき私を思いっきり殴った分よ。大丈夫、すぐに気持ちよくなって痛みなんて感じなくなるから」
「あのう、ヒミカさん……?」
「ふひひっ。これはむふふーな展開だねぇ」
後ろでユーマとリルムが騒いでいるけど気にしない。
「クライド、あの頃の放課後と、昨日のシャワーテントで二度もお預けしちゃったよね。…あの続き、シよ?」
「続キ……?」
しゅるりと真紅のベラを脱いでいく。白く華奢な肩、そして片方零れていたおっぱいの全貌が露になる。
生まれたままの姿になったヒミカは、クライドの腰に後ろ向きでゆっくりと跨る。
ヴィーヴィルに感染し、【繁殖】の権能を振るうべく異形と化したペニスを掴む。
大きすぎてヒミカの小さな手では指と指がくっつかない程だ。
「んっ────ぐ、うっ」
短く息を吐いて、一気に腰を沈ませた。
膣よりもさらに後ろの、お尻の穴に向けて。
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