上 下
33 / 95
第二章『えっ! 踊り子なのに魔物と戦うんですか!?』

第33話 襲撃 ★

しおりを挟む
「村長!? 何してるんですかあんた!」
 
 獣のような唸り声を上げているが、間違いなく先ほど笑顔で鍋をご馳走してくれた村長だった。

「ううぅぅウウッ! ウム! ハラマセル! コドモ! アトツギィッ!」

 ヒミカの太ももを膝で割って押し付けられ、荒々しく胸を鷲掴みにされる。

「いたっ! この、何するの、よ!」

「ボニュウ、ミルク! イノチノアカシ!」

 胸を寄せて、両の乳首を一気に唇に挟んで強く吸われる。
 舌でベロベロと突く動作は、本気で乳を絞り出すようだった。

「あぐっ! あっ、あっ……ン! 母乳なんて、出るワケ…………んんっ」

 ヒミカの股に魔の手が伸びる。
 魔力加工されているベラはいくら引裂こうと破れない。
 苛立った村長はベラを諦め、代わりに内側のショーツを引き裂いた。
 
 ベアウルフのような鋭い爪だった。

「ひっ」

 ヒミカが絶句したものは、こちらに狙いを定めている男の生殖器だった。
 
 大きい。何より長い。
 異常なほどに浮き出た血管が剛直を取り囲み、驚くことに亀頭のようなエラが数段にも渡って波打っている。
 とても人間の雄のモノとは思えない異形のモノを挿入され、射精されたらどうなってしまうのか想像もつかない。

「イレル。……ツキサス。タクサン、ダス。ダス! タクサン、ハラマセルゥぅウ!」

「いやああああああっ!」

 勇者とはいえ、【踊り子】の非力な腕力では村長を跳ねのけられない。

 異形と化した肉槍が女陰に押し当てられる。
 それだけで気持ちいいのか、亀頭からぶしゅうっ! と泡だった粘液が射精のような勢いで零れた。

(やだ……! また知らない男に犯されるっ!)

 思わず目を瞑った瞬間、ガツン! 鈍い音が破裂した。
 ゆっくり瞼を開くと、白目を剥いて倒れる村長と、両手で盾を握ったユーマの姿が映っていた。

「この外道ッ! 勇者様に触れるどころか、強姦するなんて……ッ!」

 いつになくキレていた。

「ユー、マ……?」

「軽く脳震盪を起こしているだけで、殺してはないです。(殺してやりたかったけど)。勇者様はお怪我ありませんか?」

「大丈夫。でも、なんで村長が」

「分かりません。依頼主から襲われるクエストなんて聞いたことないです。ひとまず、そこの大木に縛っておきますか」

 手際よく鞄から縄を取り出し、近くの大木へ村長を引きずっている。
 恐ろしい事に、下半身だけ未だ勃起したままでゆらゆらと鎌首をもたげていた。
 まるで、性交できなかったことを恨んでいるかのように、我慢汁が噴き出している。

「私達、騙されていたんだわ」

「スライムとゴブリン相手に金貨十枚はやっぱりおかしい。お金に目がくらんでしまい、もう少し警戒するべきでした」

「でも、一体何のために」

「分かりません。この場合、報酬ってどうなるんでしょうかね」

 ユーマが背を向けて村長を縛りつけている。
 その様子を、いそいそと身だしなみを整えながら見守るヒミカは何かに気付いて叫んだ。

「ユーマ、危ないっ!」

 着崩れしたまま、膝立ちしているユーマに体当たりして突き飛ばす。
 混乱したユーマが振り向いた時には、ヒミカは何かどろっとしたものに頭から呑み込まれていた。

「……っ!? ごぼっ」

「スライム!?」

 ヒミカの上半身をすっぽりと覆うほどの大きな粘塊が、木の上からずるりと落ちてきたのだ。

「がっ……ごぽぽっ……!」

 両手に渾身の力を込めてもがく。
 なんとかひっぺがして顔を出す。口を塞がれると呼吸できなくなる恐怖があるが、所詮はスライムの力だ。
 なんとかなる──そう思っていたのだが。

「こ、のっ。絡みついて取れない」
 
 引き剥がしたはいいものの、ネバネバして弾力性のある体躯はヒミカから離れることはなく、今度は細く伸びて手首から肩にかけて絡みついていく。

「いやぁ! はーなーしーてーっ!」

 まるで知性があるかのようにスライムは巧みに全身を使い、ヒミカを手近な大木へ磔にする。

「また呑み込まれる……!? ユーマ、ぼうっとしてないで早く私を──」

「助けてくださーい! 勇者様ぁ! ま、魔物が!」

「それは私のセリフ!!」
 
 救助を求めたはずの頼れる(?)相方は、離れた位置でどこからともなく現れたゴブリンの群れに囲まれていた。

「こいつら、何か様子がおかしい!」

 スライムとゴブリン。クエストの依頼を思い出す。

「目が異様に黒い……? 気を付けて! そのゴブリンは、スライムの仲間よ!」

 口封じをするかのように、ゴブリンたちはユーマを無視してヒミカに襲い掛かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語

瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。 長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH! 途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!

[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。

ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい えーー!! 転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!! ここって、もしかしたら??? 18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界 私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの??? カトリーヌって•••、あの、淫乱の••• マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!! 私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い•••• 異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず! だって[ラノベ]ではそれがお約束! 彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる! カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。 果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか? ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか? そして、彼氏の行方は••• 攻略対象別 オムニバスエロです。 完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。 (攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)   

【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。

雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。 ——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない) ※完結直後のものです。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

処理中です...