上 下
68 / 74
第三章『魅了H。駆出し淫魔は大悪魔に誘惑され、黒い天使は嫉妬する』

第六十八話「仲良くイチャイチャお風呂タイム」(★)

しおりを挟む
 かぽーん……。

 一人暮らしの賃貸に備え付けられた浴槽は、当然小さい。
 僕と、僕の上に重なるように座ったシトラスと、二人で一緒にお風呂に入っている。

「あったかいね」

「うむ」

 僕は恥ずかしさのあまり、さっきから当たり障りのないことを言いまくっている。
 シトラスも素で返事してくるから尚のことやりづらい。

 それにしても。
 僕は目と鼻の先にあるシトラスのうなじに酔いながら、今の状況を冷静に観察する。

 シトラスは、見た目は中学生だ。
 だから、狭い浴槽でもギリギリなんとかなっている。

 完全に僕に身体を預けているので、下を向けば肩から下にも目が届く。
 
 透明なお湯の中で、小ぶりなおっぱいがゆらゆらと揺れている。
 続いて、綺麗なおへそに、魅惑的な太もも。
 最後に、毛が一つ生えてないトライアングル。

「ダメだ……」

「宋真!?」

 僕は天を仰ぐように浴槽の壁にもたれかかる。
 既にのぼせ気味の僕は、思いっきり脱力する。

「シトラス、僕に構わず、自由にあがっていいよ。冷蔵庫にはバーゲンダッツもあるから、好きにしていい。ラムレーズン味」

「宋真はどうするのだ?」

「僕は……瞑想する」

「さっきから火傷しそうなくらい熱いのが当たってるのだが。一体何を瞑想してるのだ?」

「うっ……。仕方ないでしょ。こんな状況、こうならない方がおかしいんだ」

 身体は脱力しているのに、ペニスだけが臨戦状態になっている。
 上からシトラスのお尻で挟まれているため、膨らむたびに柔らかい感触が刺激となって、腰が浮いてしまう。

「フフ、我に興奮しているのだな。もっと素直になればいいのに」
「く、あ……」

 えいえい。
 可愛らしく身体を押し付けてきて、逃げられない僕は情けない声を漏らしてしまう。

「宋真、さっきから両手がビクビクしてるぞ」

「こ、これは……」

「なぜ、触ってくれないのだ? 他の女の子とは好き放題してたのに、そんなに我の身体は魅力ないのか……」

「ち、違うよ。シトラスだから我慢してるんだ」

「? 何を言っている。今の宋真なら、【魅了魔法】で好き放題出来るであろう」

 確かに、【魅了魔法】を使えば、僕はどんな女の子とも、いつだって好きな時にエッチすることができる。

「でも、ダメなんだ。シトラスだけは、魔法に頼ることなく、僕を好きになってほしいから」

 ピタリ、とシトラスが動きを止めた。
 そして一度立ち上がって振り向くと、向かい合うように再び身を屈める。

「馬鹿だな、宋真は」

 ちゃぷり、お湯が跳ねる音がして、僕のほっぺたが、お湯よりも温かくて、柔らかいものに包まれた。

「余計なことを考えなくても、我はとっくに……宋真に魅了されてるのに」

 次の瞬間。
 それは、僕とシトラスの唇が、初めて重なった時だった。

「んっ……ふっ……んんっ……ちゅるっ、れろ……」

 じっくりと唇をなぞりあうと、シトラスの小さい舌が口の中に入ってきた。
 溶け合うように絡め合い、甘く瑞々しい果実のようなそれを吸う。

「んんっ……ちゅくっ……。じゅるるっ、じゅ……ちゅぷっ……」

 シトラスが僕の首に手を回す。
 キスの速度と温度が上がる。

 ちゃぷちゃぷとお湯が跳ねる音。
 ぴちゃぴちゃと唾液が絡み合う音。

 雨音のようなノイズが、浴槽内で幾重にも反響して、音のカーテンとなる。

「んあっ……、はあっ……はあっ……。キスって、こんなに気持ちいいモノなのだな」

「シトラス、本当に初めてなの?」

 僕が少しだけ怪訝な顔をすると、むんずとペニスを思いっきり握りしめられた。

「ぐはっ!」

「今のは宋真が悪いぞ」

 シトラスは僕の首にもたれかかると、独り言のように呟く。

「だが、私が悪魔として甘いのはこういうところだ。【魅了魔法】で誰かを犯したいんじゃなくて、好きな人と結ばれたかった。ハハ、甘々だ。ミカエリの事も笑えんな」

「もう一度言うよ、シトラスのそれは、甘いけど、優しさなんだよ」

 僕はお湯の中でゆらゆらゆれる漆黒の羽にそっと触れた。

「なら、宋真も甘くて優しいな。宋真も天使なのか?」

「いや、確かに僕も甘いけど」

 いたずらっぽく笑ってから、宣言する。

「僕はシトラスからもらった【魅了魔法】で、女の子を好き放題する悪魔だよ」

「……そうか。私が天使で宋真が悪魔。まるで逆だな」

 首に手を回す手をほどき、浴槽の中で四つん這いになるシトラス。
 お湯とキスですっかり赤くなった顔は、幼いながらも妖艶さを秘めている。

「だったら、私を好き放題してみてよ」

 悪魔モードではなく、素のシトラスの声。
 無理に作った低音ボイスではなく、弾むように明るい声。

 それはつまり、シトラスの交じり気ない本音ということだ。

 僕はその一言で魅了されてしまった。
 
「あんっ」

 どれだけキスをしても、子供だからと一切触れてこなかったシトラスの身体。
 瑞々しい果実のように、ぷっくりと先端が膨らんだおっぱいを、僕は手のひらで包み込んだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

我慢できないっ

滴石雫
大衆娯楽
我慢できないショートなお話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...