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第三章『魅了H。駆出し淫魔は大悪魔に誘惑され、黒い天使は嫉妬する』
第六十五話「やっぱりみんなセックスしたい」(★)
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午前三時。
ロマンチック彩る薄暗闇……ではなく、煌々と灯る照明の下。
壁際で獣のように腰を振り、肉を打ち付け、水音がしたたる。
「んああっあっあっあっあっあっあっあっああああ」
もたれかかるように、壁に手をつくシトリーの首がガクガク揺れる。
僕の腰が、機械的な速度で何度も何度も振り子のように上下する。
「情けないなぁ。淫欲を司る悪魔が、そんなアへ顔晒してていいの?」
「ちがっ、これは……っ、貴様のっ、媚薬の……っんはっ、おっ、おおっ」
シトラスの魔力も合わせた媚薬魔法が、シトリーの耐性を上回った。
こうなれば、後はただの人。
生殖行為の快楽に涎を垂らしながらイキ狂う、ただの肉塊だ。
一方僕は、アスリート顔負けの筋肉質な身体に、もう十数回射精しても衰えることのない絶倫。
そしてラブホテルという人目を気にすることなく、性交するために存在する空間。
後は、ひたすら悦ばせるのが、僕の役目だ。
「十七回目、イくよっ」
細い腰を両手でガシっと掴むと、ペニスの根本まで深く貫いてく。
「!? あぐっ、足が浮いて……奥っ! 子宮までキちゃっ……ああんっ、はあああああああっ」
どびゅびゅびゅびゅくくっ! びびゅううううるっ! びゅるるっ!
ペニスを下から突き上げて身体を支えるような態勢。
つま先が浮いたシトリーは、沈み込む体重を逃がすことができない。
おへそに届くくらい深く結合し、爆発するような快感が全身を呑み込む。
「ああああああっ! 着床するっ! 子宮壊れるっ……ああああっ、んあああああっ……
あうっ、あああああん!」
「ぐっ、おまんこが締め付けて……っ」
すっかり開発された蜜壺が、僕の射精に合わせて収縮し、ペニス全体を圧迫する。
敏感になったペニスはさらに暴れて奥に逃げる為、精子をより深いところで放出するのだ。
「あ、ああ……」
「足腰が砕けるのは、まだ早いよ」
お姫様抱っこでシトリーを抱きかかえると、再びベッドへ寝かせる。
そのとき、ふとベッドの脇にあるものが目に入った。
「そういえば、試してみたかったんだよね、これ」
白色で、カラオケマイクのような形。
側面のスイッチを押すと、ヴィイイイイン! と小刻みに振動した。
電気マッサージ器。通称電マだ。
絶頂の余韻で身体がぴくぴく震えている中、ぷっくりと自己主張するクリトリスに押し当てる。
「あああああああああああああっ! はああっ!」
面白いくらい身体が跳ねた。
「すごい反応……。ねぇ、触手とどっちが気持ちいいか教えてよ」
さらにスイッチを押し上げ、強さを『強』にする。
「やめ……イクっ! またイクっ! もう無理っ! 無理イいいいいいいっ! ひぎいいいっ!」
膣が痙攣して潮を噴き始めた。
それでも構わず刺激を与えると、さらに勢いを増す。
その光景に、僕は思わず唾を呑み込む。
蹂躙している
あの、傲慢で上から目線の悪魔を。
三十歳まで童貞だった僕が。
「まだまだあるよ。バイブにローター、ニップルポンプ。それから……」
「わ、分かった……。我の、負けでいい」
身体が思うように動かせず、かといって快感を逃がすこともできないシトリーが、息も絶え絶えになって白旗を揚げた。
「アホ弟子と、貴様のやり方について……もう何も言わぬ。だから、もう……」
「それはよかった。ところで、シトラスを封印していた理由って、なんなの?」
悪魔や天使の事情など知ったことではないけど、シトラスのことなら、別だ。
「フン……。そんなこと。あまりのアホさ加減に、邪魔になっただけだ」
「そっか」
僕は手に持っていたアダルトグッズをばらばらと床に落とす。
「ごめん。もう終わりにしようと思ったんだけど、下半身が言うことを利かないや」
「……ッ!」
魔界では名だたる悪魔の顔から、精気が失われていく。
目線の先では、もはや凶器と化した僕の陰茎が、天高く吠えていた。
そして僕とシトリーは、朝までひたすら交わり続けたのだった。
◆
「眩し……」
部屋の照明全開で寝てしまったためか、光の刺激で僕は目を覚ました。
隣では、意識を失ったシトラスが横たわっている。
シトリーの放った触手が解かれ、寝かせたのだった。
なだらかな胸が僅かに上下することを確認し、僕は安堵する。
そのまま視線を上に向けると、ベッドの淵にこしかける綺麗な背中が目に入った。
「お寝坊さん」
「紫織……」
全裸のままの紫織が、こちらを振り向いてニヤリと笑った。
「もう、シトリーは出てこないよね?」
「わからない。今は静かだけど、元気になったらまた出てくるかも」
「やっぱり、紫織は悪魔のこと知ってるんだね」
「知ってる。シトリーが宋真さんに会わせろって言ってきたから、私はこの街に来たんだ」
「えーと、随分強引なんだね」
そういうことか。
職場で僕に近づいてきたのは、紫織以前に、シトリーの策略だったのだ。
恐らく、シトラスの【契約者】がどういう人間か、知りたかったのだろう。
「そういえばさ、どうしてシトリーと【契約】したの?」
シトリー程の悪魔でも、人間を依り代にしないとこの世界に干渉できないのだろうか。
「多分、宋真さんと同じ」
「え?」
「セックス、してみたかったんだよね、私も」
照れくさそうに、僕から顔を背けて呟いた。
「本当に、初めてだったのか」
「まあね。私って男より背高いし、性格もどこか変って言われるし、陰キャだし」
「身長以外は僕も同じだね。そして、望みが叶った」
不思議な気持ちだ。
悪魔に魂を売ってまでセックスしたいなんて思うのは、僕ぐらいだと思ってたから。
「もう一度ちゃんとシたかったなぁ。恋人みたいに」
「シたらいいんじゃない? ここ、そういう場所でしょ」
「宋真さんには、かわいい子がいるでしょ?」
不意打ち気味にデコピンされて面食らう僕。
しまった、少しがっつきすぎたか。
「あと……」
紫織が振り返って、お腹に手を当てながら言った。
「ちゃんと、セキニン、とってよね」
僕は顔から血の気が引いて、再びベッドの上に沈むのだった。
ロマンチック彩る薄暗闇……ではなく、煌々と灯る照明の下。
壁際で獣のように腰を振り、肉を打ち付け、水音がしたたる。
「んああっあっあっあっあっあっあっあっああああ」
もたれかかるように、壁に手をつくシトリーの首がガクガク揺れる。
僕の腰が、機械的な速度で何度も何度も振り子のように上下する。
「情けないなぁ。淫欲を司る悪魔が、そんなアへ顔晒してていいの?」
「ちがっ、これは……っ、貴様のっ、媚薬の……っんはっ、おっ、おおっ」
シトラスの魔力も合わせた媚薬魔法が、シトリーの耐性を上回った。
こうなれば、後はただの人。
生殖行為の快楽に涎を垂らしながらイキ狂う、ただの肉塊だ。
一方僕は、アスリート顔負けの筋肉質な身体に、もう十数回射精しても衰えることのない絶倫。
そしてラブホテルという人目を気にすることなく、性交するために存在する空間。
後は、ひたすら悦ばせるのが、僕の役目だ。
「十七回目、イくよっ」
細い腰を両手でガシっと掴むと、ペニスの根本まで深く貫いてく。
「!? あぐっ、足が浮いて……奥っ! 子宮までキちゃっ……ああんっ、はあああああああっ」
どびゅびゅびゅびゅくくっ! びびゅううううるっ! びゅるるっ!
ペニスを下から突き上げて身体を支えるような態勢。
つま先が浮いたシトリーは、沈み込む体重を逃がすことができない。
おへそに届くくらい深く結合し、爆発するような快感が全身を呑み込む。
「ああああああっ! 着床するっ! 子宮壊れるっ……ああああっ、んあああああっ……
あうっ、あああああん!」
「ぐっ、おまんこが締め付けて……っ」
すっかり開発された蜜壺が、僕の射精に合わせて収縮し、ペニス全体を圧迫する。
敏感になったペニスはさらに暴れて奥に逃げる為、精子をより深いところで放出するのだ。
「あ、ああ……」
「足腰が砕けるのは、まだ早いよ」
お姫様抱っこでシトリーを抱きかかえると、再びベッドへ寝かせる。
そのとき、ふとベッドの脇にあるものが目に入った。
「そういえば、試してみたかったんだよね、これ」
白色で、カラオケマイクのような形。
側面のスイッチを押すと、ヴィイイイイン! と小刻みに振動した。
電気マッサージ器。通称電マだ。
絶頂の余韻で身体がぴくぴく震えている中、ぷっくりと自己主張するクリトリスに押し当てる。
「あああああああああああああっ! はああっ!」
面白いくらい身体が跳ねた。
「すごい反応……。ねぇ、触手とどっちが気持ちいいか教えてよ」
さらにスイッチを押し上げ、強さを『強』にする。
「やめ……イクっ! またイクっ! もう無理っ! 無理イいいいいいいっ! ひぎいいいっ!」
膣が痙攣して潮を噴き始めた。
それでも構わず刺激を与えると、さらに勢いを増す。
その光景に、僕は思わず唾を呑み込む。
蹂躙している
あの、傲慢で上から目線の悪魔を。
三十歳まで童貞だった僕が。
「まだまだあるよ。バイブにローター、ニップルポンプ。それから……」
「わ、分かった……。我の、負けでいい」
身体が思うように動かせず、かといって快感を逃がすこともできないシトリーが、息も絶え絶えになって白旗を揚げた。
「アホ弟子と、貴様のやり方について……もう何も言わぬ。だから、もう……」
「それはよかった。ところで、シトラスを封印していた理由って、なんなの?」
悪魔や天使の事情など知ったことではないけど、シトラスのことなら、別だ。
「フン……。そんなこと。あまりのアホさ加減に、邪魔になっただけだ」
「そっか」
僕は手に持っていたアダルトグッズをばらばらと床に落とす。
「ごめん。もう終わりにしようと思ったんだけど、下半身が言うことを利かないや」
「……ッ!」
魔界では名だたる悪魔の顔から、精気が失われていく。
目線の先では、もはや凶器と化した僕の陰茎が、天高く吠えていた。
そして僕とシトリーは、朝までひたすら交わり続けたのだった。
◆
「眩し……」
部屋の照明全開で寝てしまったためか、光の刺激で僕は目を覚ました。
隣では、意識を失ったシトラスが横たわっている。
シトリーの放った触手が解かれ、寝かせたのだった。
なだらかな胸が僅かに上下することを確認し、僕は安堵する。
そのまま視線を上に向けると、ベッドの淵にこしかける綺麗な背中が目に入った。
「お寝坊さん」
「紫織……」
全裸のままの紫織が、こちらを振り向いてニヤリと笑った。
「もう、シトリーは出てこないよね?」
「わからない。今は静かだけど、元気になったらまた出てくるかも」
「やっぱり、紫織は悪魔のこと知ってるんだね」
「知ってる。シトリーが宋真さんに会わせろって言ってきたから、私はこの街に来たんだ」
「えーと、随分強引なんだね」
そういうことか。
職場で僕に近づいてきたのは、紫織以前に、シトリーの策略だったのだ。
恐らく、シトラスの【契約者】がどういう人間か、知りたかったのだろう。
「そういえばさ、どうしてシトリーと【契約】したの?」
シトリー程の悪魔でも、人間を依り代にしないとこの世界に干渉できないのだろうか。
「多分、宋真さんと同じ」
「え?」
「セックス、してみたかったんだよね、私も」
照れくさそうに、僕から顔を背けて呟いた。
「本当に、初めてだったのか」
「まあね。私って男より背高いし、性格もどこか変って言われるし、陰キャだし」
「身長以外は僕も同じだね。そして、望みが叶った」
不思議な気持ちだ。
悪魔に魂を売ってまでセックスしたいなんて思うのは、僕ぐらいだと思ってたから。
「もう一度ちゃんとシたかったなぁ。恋人みたいに」
「シたらいいんじゃない? ここ、そういう場所でしょ」
「宋真さんには、かわいい子がいるでしょ?」
不意打ち気味にデコピンされて面食らう僕。
しまった、少しがっつきすぎたか。
「あと……」
紫織が振り返って、お腹に手を当てながら言った。
「ちゃんと、セキニン、とってよね」
僕は顔から血の気が引いて、再びベッドの上に沈むのだった。
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