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第二章『告白H。職場のかわいい新社会人に膣内射精したい』
第三十四話「最後に、想い出のキスをさせてよ」
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先に絞り出すように声を発したのは、倉林聡美だった。
「ひ、日高先輩っ……? 知ってるて、その……」
「言ったでしょ、全部だって。倉林さんが実は、毎日職場で残業セックスをしている。僕とエッチしていた君は、処女なんかじゃなかった」
僕がつらつらと事実を述べると、彼女の顔がみるみる青ざめていく。
「ち、違いますっ! あれは木山先輩が無理矢理……、先輩だから怖くって、仕方なく……」
「へえ。じゃあ何でわざわざ僕の前では指輪を外しているの? 痕、くっきり残ってるよ」
「っ!?」
彼女はさっと左手を右手に握りしめるように隠した。
しかし、その咄嗟の反応が、僕の指摘に対する肯定となってしまう。
「あっ……。ちがっ、その……これ、は……」
「最初から、『彼氏がいる』って言ってくれればよかったんだ。そうしたら、僕は君を、手の届かない高根の花だって、諦めたのに」
「そ、それは、先輩を傷つけたくなかったから……」
「そんな優しさは、悪だよ」
優しさには二種類ある。
心の底から生まれる人を気遣う気持ち。
もう一つは、自分の弱さや優越感から生まれる悪意としての優しさ。
彼女の優しさは、後者だ。
それは、弱さから生まれる優しさを長所だと思っていた、僕自身がよく知っている。
「ご、ごめんなさい……っ。ど、どうすれば、私……」
「そうだね……じゃあ最後の思い出として、キス、させてよ」
「キス……? わ、わかりましたっ。ど、どうぞっ!」
無警戒に、倉林さんが上目遣いで僕の目の前までやってきた。
唇を可愛くとがらせて、目を閉じている。
好きな人から求められるのは男の夢だけど、今の倉林さんはただの清純ビッチにしか見えなかった
『聡美っ! ダメですっ! そうやってすぐ身体を許すから、このような下衆がつけあがるのです!』
ミカエリが上目遣いでキスを懇願する倉林さんを諫める。
「酷いなぁ、天使様は。どう見たって、裏切られたのは僕の方なのに。それとも、天使様もキス、してほしかった?」
「ふ、ふざけないで! 私は人間の汚い性行為など、見るだけで気持ちが悪いのです! 聡美の時だって、【契約者】で、愛する二人の愛情表現のであるなら、と仕方なく──」
「でも、契約してるなら、セックスの快感はミカエリも知ってるだろう。自分がはしたなく見られるのが恥ずかしいから、そうやって嫌いなフリをしているんでしょ?」
『なっ……!』
わずかにミカエリが怯み、顔を赤らめさせる。
半分ハッタリだったけど、うまくいった。
シトラスと同じく【契約】してるなら、感覚は共有される。
もしかしたら感覚共有を切ることできるかもしれないけど、わざわざキャンセルするわけがない。
人類が猿だった時代から、生き残る為に必死に繰り返してきた性行為。
その絶対的な快楽に、天使だろうがなんだろうが、おっぱいとおまんこがついた女の子が我慢できるワケがない。
『フ、下衆な人間風情が、天使相手に挑発とは、笑わますね。あの悪魔さえ捉えられれば人間に危害を加える必要はないと思っていましたが……。聡美に害を為すなら、正当防衛として迎撃するまで』
ミカエリの眼光が鋭く光り、翼が大きく展開される。
この前の、シトラスの悪性を浄化する魔法だ。
「せっかく僕と倉林さんが、最後に思い出のキスをしようとしてるのに。邪魔するなら、ミカエリの方が、悪だよ」
僕はパチン! と指を鳴らした。
「っ!? 急に魔力反応が!」
その時、ミカエリの背後から光が溢れた。
瞬く間に、グロテスクで卑猥な形をした触手が大量に襲い掛かる。
「魅了魔法・レベル4:【眷属召喚】」
僕が事前に仕掛けていた、魔法が発動したのだ。
「なっ、私ではなく、聡美を……っ! させるものですかっ!」
ミカエリは倉林さんを庇うように、立ちふさがると魔法を発動する。
『浄化魔法・レベル3:【水晶の盾】!』
巨大な水晶の壁が、立ちはだかる。
しかし、僕が召喚した触手は大量だ。しかも一方向ではなくうねって隙間から、ミカエリの身体にまとわりつく。
『くっ、狙いは聡美と思わせて、本命は私!? それに、高レベルの魔法を、こんな短期間に──?』
「ミカエリ? 大丈夫っ!?」
目を開けた倉林さんが慌てる。
『聡美っ! 【浄化の光】で、この気持ち悪い触手を浄化するのですっ!』
「う、うん。分かった──ってんんっ、んむっ」
「聡美!?」
一瞬の隙を突いて、僕は倉林さんにキスをした。
「んむっ、ちゅるっ。んあっ、舌、絡まってぇ、……んんっ」
最初にした時のような甘い果実のような味わいが脳に快楽物質を分泌させる。
だけど、ただ想い出のキスをしたかったんじゃない。
これは、僕の作戦だ。
「魅了魔法・レベル2:【媚薬錬成】」
僕は彼女の口内に侵入させた舌の上で、水飴状の媚薬を錬成した。
「んんんっ、ちゅっ、んああっ、ふううっ、ごくっ、ごくっ……」
倉林さんは突然のことに驚くも、訳も分からず飲み下してしまった。
すぐに効き目が表れる。
「ぷぱあっ、はぁっ、はぁっ。なにこれぇ、頭が、ぽわ~っとしちゃう……」
涎を垂らしながら足元をガクつかせる。
これでもう倉林さんは、僕の魔法に抵抗するための冷静な判断力を失った。
『くっ、なんと汚い……っ、な、このっ! 私の身体にまとわりつくのを止めなさい!』
最早ほとんど水晶の盾は意味を為さず、触手がミカエリの四肢にまとわりついていた。
しかし彼女は絶望に顔を歪ませることなく不敵に笑う。
『フ、フフ。舐めないでいただきたいですね。私の魔法は【浄化】! このような悪性は、私の本領発揮です。 浄化魔法・レベル4:【浄化の光】!』
ミカエリは全身から光を発する。
すると、彼女に巻き付いていた触手がボロボロと溶けていく。
「くっ、まだ、まだあっ!」
次々と触手を生み出し、応戦する。
お互いの力は拮抗。いや、わずかにミカエリの浄化スピードの方が速い。
くそ。
もう少し、僕が魔法を使うのが上手かったら。
やはり、本物の天使には適わないのか。
ここまで。ここまでなのか?
やっぱり、僕の人生は、負け続けるのか?
僕が諦めかけた、その時。
『魅了魔法・レベル4:【眷属召喚】!』
背後で、誰かが僕と同じ魔法を発動した。
ミカエリと同じ白髪で、ツインテール。
生意気そうな小顔に、黒のローブ。
背中には生やすは、大悪魔の片鱗を見せ始めた黒の翼。
「シトラス!」
天使の浄化に、悪魔の凌辱。
二つの力が、激突する。
「ひ、日高先輩っ……? 知ってるて、その……」
「言ったでしょ、全部だって。倉林さんが実は、毎日職場で残業セックスをしている。僕とエッチしていた君は、処女なんかじゃなかった」
僕がつらつらと事実を述べると、彼女の顔がみるみる青ざめていく。
「ち、違いますっ! あれは木山先輩が無理矢理……、先輩だから怖くって、仕方なく……」
「へえ。じゃあ何でわざわざ僕の前では指輪を外しているの? 痕、くっきり残ってるよ」
「っ!?」
彼女はさっと左手を右手に握りしめるように隠した。
しかし、その咄嗟の反応が、僕の指摘に対する肯定となってしまう。
「あっ……。ちがっ、その……これ、は……」
「最初から、『彼氏がいる』って言ってくれればよかったんだ。そうしたら、僕は君を、手の届かない高根の花だって、諦めたのに」
「そ、それは、先輩を傷つけたくなかったから……」
「そんな優しさは、悪だよ」
優しさには二種類ある。
心の底から生まれる人を気遣う気持ち。
もう一つは、自分の弱さや優越感から生まれる悪意としての優しさ。
彼女の優しさは、後者だ。
それは、弱さから生まれる優しさを長所だと思っていた、僕自身がよく知っている。
「ご、ごめんなさい……っ。ど、どうすれば、私……」
「そうだね……じゃあ最後の思い出として、キス、させてよ」
「キス……? わ、わかりましたっ。ど、どうぞっ!」
無警戒に、倉林さんが上目遣いで僕の目の前までやってきた。
唇を可愛くとがらせて、目を閉じている。
好きな人から求められるのは男の夢だけど、今の倉林さんはただの清純ビッチにしか見えなかった
『聡美っ! ダメですっ! そうやってすぐ身体を許すから、このような下衆がつけあがるのです!』
ミカエリが上目遣いでキスを懇願する倉林さんを諫める。
「酷いなぁ、天使様は。どう見たって、裏切られたのは僕の方なのに。それとも、天使様もキス、してほしかった?」
「ふ、ふざけないで! 私は人間の汚い性行為など、見るだけで気持ちが悪いのです! 聡美の時だって、【契約者】で、愛する二人の愛情表現のであるなら、と仕方なく──」
「でも、契約してるなら、セックスの快感はミカエリも知ってるだろう。自分がはしたなく見られるのが恥ずかしいから、そうやって嫌いなフリをしているんでしょ?」
『なっ……!』
わずかにミカエリが怯み、顔を赤らめさせる。
半分ハッタリだったけど、うまくいった。
シトラスと同じく【契約】してるなら、感覚は共有される。
もしかしたら感覚共有を切ることできるかもしれないけど、わざわざキャンセルするわけがない。
人類が猿だった時代から、生き残る為に必死に繰り返してきた性行為。
その絶対的な快楽に、天使だろうがなんだろうが、おっぱいとおまんこがついた女の子が我慢できるワケがない。
『フ、下衆な人間風情が、天使相手に挑発とは、笑わますね。あの悪魔さえ捉えられれば人間に危害を加える必要はないと思っていましたが……。聡美に害を為すなら、正当防衛として迎撃するまで』
ミカエリの眼光が鋭く光り、翼が大きく展開される。
この前の、シトラスの悪性を浄化する魔法だ。
「せっかく僕と倉林さんが、最後に思い出のキスをしようとしてるのに。邪魔するなら、ミカエリの方が、悪だよ」
僕はパチン! と指を鳴らした。
「っ!? 急に魔力反応が!」
その時、ミカエリの背後から光が溢れた。
瞬く間に、グロテスクで卑猥な形をした触手が大量に襲い掛かる。
「魅了魔法・レベル4:【眷属召喚】」
僕が事前に仕掛けていた、魔法が発動したのだ。
「なっ、私ではなく、聡美を……っ! させるものですかっ!」
ミカエリは倉林さんを庇うように、立ちふさがると魔法を発動する。
『浄化魔法・レベル3:【水晶の盾】!』
巨大な水晶の壁が、立ちはだかる。
しかし、僕が召喚した触手は大量だ。しかも一方向ではなくうねって隙間から、ミカエリの身体にまとわりつく。
『くっ、狙いは聡美と思わせて、本命は私!? それに、高レベルの魔法を、こんな短期間に──?』
「ミカエリ? 大丈夫っ!?」
目を開けた倉林さんが慌てる。
『聡美っ! 【浄化の光】で、この気持ち悪い触手を浄化するのですっ!』
「う、うん。分かった──ってんんっ、んむっ」
「聡美!?」
一瞬の隙を突いて、僕は倉林さんにキスをした。
「んむっ、ちゅるっ。んあっ、舌、絡まってぇ、……んんっ」
最初にした時のような甘い果実のような味わいが脳に快楽物質を分泌させる。
だけど、ただ想い出のキスをしたかったんじゃない。
これは、僕の作戦だ。
「魅了魔法・レベル2:【媚薬錬成】」
僕は彼女の口内に侵入させた舌の上で、水飴状の媚薬を錬成した。
「んんんっ、ちゅっ、んああっ、ふううっ、ごくっ、ごくっ……」
倉林さんは突然のことに驚くも、訳も分からず飲み下してしまった。
すぐに効き目が表れる。
「ぷぱあっ、はぁっ、はぁっ。なにこれぇ、頭が、ぽわ~っとしちゃう……」
涎を垂らしながら足元をガクつかせる。
これでもう倉林さんは、僕の魔法に抵抗するための冷静な判断力を失った。
『くっ、なんと汚い……っ、な、このっ! 私の身体にまとわりつくのを止めなさい!』
最早ほとんど水晶の盾は意味を為さず、触手がミカエリの四肢にまとわりついていた。
しかし彼女は絶望に顔を歪ませることなく不敵に笑う。
『フ、フフ。舐めないでいただきたいですね。私の魔法は【浄化】! このような悪性は、私の本領発揮です。 浄化魔法・レベル4:【浄化の光】!』
ミカエリは全身から光を発する。
すると、彼女に巻き付いていた触手がボロボロと溶けていく。
「くっ、まだ、まだあっ!」
次々と触手を生み出し、応戦する。
お互いの力は拮抗。いや、わずかにミカエリの浄化スピードの方が速い。
くそ。
もう少し、僕が魔法を使うのが上手かったら。
やはり、本物の天使には適わないのか。
ここまで。ここまでなのか?
やっぱり、僕の人生は、負け続けるのか?
僕が諦めかけた、その時。
『魅了魔法・レベル4:【眷属召喚】!』
背後で、誰かが僕と同じ魔法を発動した。
ミカエリと同じ白髪で、ツインテール。
生意気そうな小顔に、黒のローブ。
背中には生やすは、大悪魔の片鱗を見せ始めた黒の翼。
「シトラス!」
天使の浄化に、悪魔の凌辱。
二つの力が、激突する。
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