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第二章『告白H。職場のかわいい新社会人に膣内射精したい』
第三十三話「勇気を出して告白したのに、あっさりフるなんて許せないよね?」
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「ごめんね、倉林さん。こんな時間に呼び出しちゃって。仕事は順調?」
「いえ、正直全然終わってなくて……。私ってトロいんでしょうか……?」
そりゃあ連日のようにセックスしてたら、終わる仕事も終わらないだろう。
「心配しなくても、僕が今度教えてあげるよ。伊達にこの仕事長くやってないからね」
「本当ですかっ!? 嬉しいですっ。私、ほんとダメで、先輩に助けられてばかりですね」
倉林さんはぱあっと顔を赤くすると、それを隠すように頬を手で覆う。
どの指にも指輪はついていなかった。
あくまで僕には『彼氏がいないけど実はエッチが好きな理想の女の子』を演じ続けるつもりらしい。
「それで、こんな夜更けに人の気配がない場所で、大事な話と言うのは──?」
そして恥ずかしながらも、僕に話を切り出すように促す。
うん、倉林さんはトロくなんかないよ。
これから僕が何を話そうとしているのか、分かっているみたいだし。
「この前言えなかったから、ちゃんと言うね」
僕は一歩倉林さんの前に踏み出す。
彼女は特に驚く様子もない。むしろ、これから先出てくる言葉に期待すらしているようだ。
「僕は、倉林さんのことが大好きだ。僕と……恋人として付き合ってほしい」
時間が停止したかのような、静寂。
覚悟したとはいえ、正面切って言うのは恥ずかしい。
でも僕には、百戦錬磨のチャラ男のような、キザったらしい口説き文句は出てこないのだ。
倉林さんは、わざとらしく『えっ』『うそっ』『告白?』『きゃっ!』なんて小さく呟きながら、焦っている…………フリをしている。
もう僕を騙すことはできないよ。
「日高先輩、先輩の気持ち、とっても嬉しいですっ。私って、誰かに告白されたことなんて今までなくて、どうしていいか分からなくって……その……」
なるほど。
普通のカップルはこんな甘ったるい、けれど心臓が破裂するような緊張感を乗り越えてきたんだ。
相手の言葉一つで、自分の行く先がバラ色にも暗闇にもなるのだから。
「私、前にえ……えっちな小説書いてるって、先輩に打ち明けましたよね」
「うん、そうだね」
「先輩とお付き合いできるのは嬉しいんですけどっ。そういう関係になったら、きっと私、書く時間が無くなって、趣味を諦めてしまいそうで……」
「つまり?」
「つまりですねっ! そのっ、彼氏彼女ってカンケイじゃなくて、親友……友達ってのはどうでしょうかっ?」
でたよ。
男を傷つけないよう、しかしはっきりと関係は断る、研ぎ澄まされた告白回避スキル。
おそらく、これまでの人生で何十人と告白されて身についたのだろう。
この常套句で、そのままがっくりと項垂れてその場を後にした哀れな男の事を想うと、深い悲しみを禁じ得ない。
僕だって、何も知らなかったらきっと同じ行動を取っていただろう。
だけど、今は違う。
倉林さん、君は勘違いしているよ。
今日は、君が僕と付き合うかどうかを決める日じゃない。
「それってつまり……僕はフラれたってこと? そんな、傷つくなぁ。告白するのって、すごく勇気がいるんだよ。女の子からすれば、冴えない男子から告白されることが迷惑なんだろうけど、僕の気持ちも少しは考えてほしいな」
「そ、そうですよねっ。ご、ごめんなさいっ。私ったら、いつもいつも日高先輩に迷惑かけてばかりで、全然お返しが足りてないですよね……」
「大丈夫。僕に倉林さんの全部をくれればいいから」
「ぜ、全部、ですかっ!?」
一体ナニを想像したのか、彼女は無意識に胸を隠すように手で覆い、内腿を擦り合わせる。
「そ、それってつまり、こ、ここここの前のような……」
あくまで清純ぶるんだね。
とっくに処女をぶち破ってるのに。
『下衆めっ、さっきから一体何を考えているのです!』
ふわり、と空気からにじみ出るように、突然ミカエリが姿を現した。
相変わらず、白髪のロングヘアーに、ホワイトドレス。白く光る輪っかに、汚れなき純白の羽。
誰がどう見ても天使としか形容できない彼女が、僕を糾弾する。
「ミカエリっ!?」
『聡美は黙ってなさい。そこの下衆。【契約】した悪魔はどこに居るのです? 大方、私に一糸報いる隙でも狙っているのでしょう?』
「ううん、シトラスはもういないよ。……喧嘩、しちゃったからね」
改めてシトラスが居ない現実を認識し、僕は自然と声が暗くなる。
それを見たミカエリが高らかに笑った。
『あははは! 悪魔が人間と喧嘩! あはははは! では、そこの下衆は一体何しに聡美の前に現れたのです? 魔法で聡美を振り向かせるつもりですか? いいや、そんなハズないですね。だったらこんな童貞丸出しのような告白、するわけありませんから』
「しかもあっさり断られちゃいましたからね」
僕があっさり負けを認めると、ミカエリはますます上機嫌になって煽る。
『素直でよろしいですこと。そもそも、そこの下衆に聡美がなびくことはありません。なにせ、聡美は既に殿方が──』
「ちょっ、ミカエリっ! 何を言って──」
「大丈夫だよ、倉林さん」
僕はにっこりと微笑みかける。
その優しい顔は、きっと天使の如く柔和な笑みを浮かべていたことだろう。
「全部、知ってるから」
倉林さんとミカエリ。
双方が、僕の告白なんかよりも数十倍驚いた顔をして、雷を打たれたように固まった。
「いえ、正直全然終わってなくて……。私ってトロいんでしょうか……?」
そりゃあ連日のようにセックスしてたら、終わる仕事も終わらないだろう。
「心配しなくても、僕が今度教えてあげるよ。伊達にこの仕事長くやってないからね」
「本当ですかっ!? 嬉しいですっ。私、ほんとダメで、先輩に助けられてばかりですね」
倉林さんはぱあっと顔を赤くすると、それを隠すように頬を手で覆う。
どの指にも指輪はついていなかった。
あくまで僕には『彼氏がいないけど実はエッチが好きな理想の女の子』を演じ続けるつもりらしい。
「それで、こんな夜更けに人の気配がない場所で、大事な話と言うのは──?」
そして恥ずかしながらも、僕に話を切り出すように促す。
うん、倉林さんはトロくなんかないよ。
これから僕が何を話そうとしているのか、分かっているみたいだし。
「この前言えなかったから、ちゃんと言うね」
僕は一歩倉林さんの前に踏み出す。
彼女は特に驚く様子もない。むしろ、これから先出てくる言葉に期待すらしているようだ。
「僕は、倉林さんのことが大好きだ。僕と……恋人として付き合ってほしい」
時間が停止したかのような、静寂。
覚悟したとはいえ、正面切って言うのは恥ずかしい。
でも僕には、百戦錬磨のチャラ男のような、キザったらしい口説き文句は出てこないのだ。
倉林さんは、わざとらしく『えっ』『うそっ』『告白?』『きゃっ!』なんて小さく呟きながら、焦っている…………フリをしている。
もう僕を騙すことはできないよ。
「日高先輩、先輩の気持ち、とっても嬉しいですっ。私って、誰かに告白されたことなんて今までなくて、どうしていいか分からなくって……その……」
なるほど。
普通のカップルはこんな甘ったるい、けれど心臓が破裂するような緊張感を乗り越えてきたんだ。
相手の言葉一つで、自分の行く先がバラ色にも暗闇にもなるのだから。
「私、前にえ……えっちな小説書いてるって、先輩に打ち明けましたよね」
「うん、そうだね」
「先輩とお付き合いできるのは嬉しいんですけどっ。そういう関係になったら、きっと私、書く時間が無くなって、趣味を諦めてしまいそうで……」
「つまり?」
「つまりですねっ! そのっ、彼氏彼女ってカンケイじゃなくて、親友……友達ってのはどうでしょうかっ?」
でたよ。
男を傷つけないよう、しかしはっきりと関係は断る、研ぎ澄まされた告白回避スキル。
おそらく、これまでの人生で何十人と告白されて身についたのだろう。
この常套句で、そのままがっくりと項垂れてその場を後にした哀れな男の事を想うと、深い悲しみを禁じ得ない。
僕だって、何も知らなかったらきっと同じ行動を取っていただろう。
だけど、今は違う。
倉林さん、君は勘違いしているよ。
今日は、君が僕と付き合うかどうかを決める日じゃない。
「それってつまり……僕はフラれたってこと? そんな、傷つくなぁ。告白するのって、すごく勇気がいるんだよ。女の子からすれば、冴えない男子から告白されることが迷惑なんだろうけど、僕の気持ちも少しは考えてほしいな」
「そ、そうですよねっ。ご、ごめんなさいっ。私ったら、いつもいつも日高先輩に迷惑かけてばかりで、全然お返しが足りてないですよね……」
「大丈夫。僕に倉林さんの全部をくれればいいから」
「ぜ、全部、ですかっ!?」
一体ナニを想像したのか、彼女は無意識に胸を隠すように手で覆い、内腿を擦り合わせる。
「そ、それってつまり、こ、ここここの前のような……」
あくまで清純ぶるんだね。
とっくに処女をぶち破ってるのに。
『下衆めっ、さっきから一体何を考えているのです!』
ふわり、と空気からにじみ出るように、突然ミカエリが姿を現した。
相変わらず、白髪のロングヘアーに、ホワイトドレス。白く光る輪っかに、汚れなき純白の羽。
誰がどう見ても天使としか形容できない彼女が、僕を糾弾する。
「ミカエリっ!?」
『聡美は黙ってなさい。そこの下衆。【契約】した悪魔はどこに居るのです? 大方、私に一糸報いる隙でも狙っているのでしょう?』
「ううん、シトラスはもういないよ。……喧嘩、しちゃったからね」
改めてシトラスが居ない現実を認識し、僕は自然と声が暗くなる。
それを見たミカエリが高らかに笑った。
『あははは! 悪魔が人間と喧嘩! あはははは! では、そこの下衆は一体何しに聡美の前に現れたのです? 魔法で聡美を振り向かせるつもりですか? いいや、そんなハズないですね。だったらこんな童貞丸出しのような告白、するわけありませんから』
「しかもあっさり断られちゃいましたからね」
僕があっさり負けを認めると、ミカエリはますます上機嫌になって煽る。
『素直でよろしいですこと。そもそも、そこの下衆に聡美がなびくことはありません。なにせ、聡美は既に殿方が──』
「ちょっ、ミカエリっ! 何を言って──」
「大丈夫だよ、倉林さん」
僕はにっこりと微笑みかける。
その優しい顔は、きっと天使の如く柔和な笑みを浮かべていたことだろう。
「全部、知ってるから」
倉林さんとミカエリ。
双方が、僕の告白なんかよりも数十倍驚いた顔をして、雷を打たれたように固まった。
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