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『幽霊だけど、姿を見られちゃいました。(ついでに触られてます。)』
全部俺によこせ。(章親side)※
しおりを挟む「……えっち。」
咲弥の耳元で、意地悪に囁いた。
俺の声を聞いた咲弥は、ギクリっと身体を強張らせて固まってしまった。
俺は咲弥が動かなくなったことを良いことに、ズボンの裾から手をするりと忍ばせた。
俺よりも少し小さめな、健気に勃っている咲弥のモノを優しく握ある。
そこは興奮しているためか、ほんの少しだけ温かい。
既に先走りのイヤらしい液体で濡れていて、硬くなっている。
上下に扱いてやると、くちゅりっ、くちゅっと、淫靡な水音が部屋に響いた。
「…あき、ちかぁっ。…おきて…た…の?」
やっと気が付いたか。
ていうか、気付くのが遅せえ。
いくら何でも、寝ぼけて人の乳首を摘まんだり、下半身を愛撫することまではしないだろう。
振り返った咲弥は、窺がうように俺を見上げてきた。
大きな瞳が快感で滲んで、月の光に反射していっそう綺麗だった。
顔は火照って少し赤い。
……そんな顔して、上目遣いで見んじゃねえよ。
咲弥が振り返ったのを利用して、仰向けでベッドに押し倒した。
「もっ!やめて!離して!!」
咲弥がもがいて逃げようとするけど、両手をつないで指を絡めたから逃げようがない。
そうやって逃げようとするの、逆効果だぞ?
藻掻いた咲弥が左に顔を背けたから、無防備に鎖骨があらわになった。
吸い寄せられるように鎖骨に顔を近づけて、そこにも所有痕を残す。
「んんっ!」
少し痛いくらいに吸ったから、赤い痕がくっきりと残った。
俺から目を反らそうとしたから、イラついてきつく吸ってしまった。
俺だけを、今は見ていればいい。
痛みに声を上げた咲弥を宥めるように、所有痕を舐めあげてやる。
本当はもっと噛みついて、たくさん痕を残したいけど、咲弥に怖がられそうで堪えた。
咲弥の肌とか、甘い声を聞いていた俺の息は、熱くて荒くなっていく。
欲情を隠しきれていないことは、自分でも自覚していた。
不安げに見上げてくる咲弥の目は、興奮と戸惑いで心細く揺れていて。
瞳が強制的な快感で滲んでいる。
眉を寄せて悩まし気にしている顔は、赤く染まっていた。
……戸惑ってるくせに、物欲しそうに期待している顔。
そんな隙を俺に見せたら、ダメだろ?
食べてくれって、自分を差し出してるようなもんだ。
俺、咲弥を食べていいよな…?
咲弥の小さな口を食べるように、唇を奪った。
口腔内もたくさん犯して、舌を絡めとって吸い上げる。
キスで酔いしれている咲弥に、さらに追い打ちをかけていく。
咲弥の足の間に俺の右膝を入れて、咲弥のモノに膝をぐいっと押し付けた。
「っ!!っんっ、んぁ、ンっ!」
キスをしながら膝で咲弥のモノを愛撫して、嬌声もキスで貪った。
膝でグイっと押すたびに、咲弥は甘い声を出して身体を震えさせる。
もっと感じてほしくて、咲弥の服もめくり上げて、小さな熟れた突起を晒した。
散々弄ったから赤くぷっくりしていて、とても美味しそうだ。
でも、美味しそうな果実には触れずに、周りの皮膚が薄いピンク色の部分を舐めあげる。
焦らして、虐めて、もっと鳴かせてやりたい。
恥かしがって泣きながら、また、イヤらしいお願いをしてほしい。
咲弥のモノも服の上からしか刺激しない。
好きな子に意地悪して泣かせたいとか、ガキか俺は。
でも、さっきは後ろから抱きしめていたから、顔を見ていない。
意地悪をされた咲弥は、どんな顔をするだろう?
そろそろ頃合いだろうかと、胸から顔を離して咲弥を見下ろす。
さっきよりも目が潤んで、涙目になっていた。
「………咲弥、どうした?」
咲弥にドキドキしてほしくて、声を低くして鼓膜を揺らして言葉を誘う。
悔しそうに、下唇を噛んで大きな目で睨んでくる咲弥。
睨んでも、ただ可愛いだけだけど。
「……咲弥はどうしてほしい…?素直に言えたら、とびっきり気持ち良くしてやるよ?」
咲弥の顎を掴んで、下唇をそっと親指で撫でた。小さな唇は柔らかくて、ずっと触っていられる。
「______さわ…て……。」
触っていた小さな口が微かに動いて、消え入りそうな声が聞こえた。
「………どこを?どうやって?」
さらに咲弥を虐めるあたり、自分でもひでえなと思う。
「~~!!……ぼ…くの、ちん●と、…ちくび、…ちゃんと、さわってよぉ…。」
羞恥で顔を真っ赤にして、淫乱な言葉を口にした咲弥。大きな瞳からはポロポロと涙が零れている。
咲弥には悪いけど、涙を浮かべた瞳は綺麗で。
真っ赤になった顔は、本当に可愛くて。
恥かしいのに淫乱な言葉を頑張って紡いで、俺にお願いする姿は健気で。
もう、好きで仕方なくて。
心の中には隠しておけそうにない。
幽霊でも、なんだっていい。
咲弥が愛おしい。愛してる。
でも少し、虐めすぎたかな。
大きな瞳から溢れる涙を、チュッと唇で優しく吸い取った。安心するように頭を撫でて、顔に触れるだけのキスをたくさんする。
「……咲弥。好きだ。好きで仕方ないんだ。」
言葉が溢れるのを止められなかった。
いつか消えてしまう存在かもしれないけど、咲弥への想いは本物だ。
この想いだけでも、咲弥に伝わってほしい。
ぎゅっと咲弥を抱きしめて、俺の想いが咲弥に届くように切実に願った。
「章親…。」
名前を咲弥に呼ばれて、身体を少し離して顔を覗き込んだ。
咲弥は俺の両頬を優しく手の平で包み込むと、小さくて柔らかの唇を俺の唇に重ねた。
咲弥からのキスをされて、俺は驚きで固まってしまう。固まっている俺を見た咲弥は、微笑を浮かべてこう言った。
「…もっとちゃんと僕のこと触って?僕のこと……、抱いて?」
快感の涙とは違う、儚くて切ない涙を瞳に溜めて。
どうにもできない現実を、受け入れているような顔をして。
哀しく、寂しそうで、綺麗な微笑みだった。
胸の奥を何かで縛られ、思い切り締めあげられたような、苦しくて、なんとも言えない傷みがした。
咲弥……。
そんな哀しい顔をしないでくれ。
俺とずっと一緒にいろよ。
涙が出そうになるのをぐっと堪えて、さっきよりも強く咲弥を抱きしめる。
身体は情けなく、震えていたと思う。
咲弥の服を脱がして、全身に痕を付けていった。
恥ずかしがって咲弥が、可愛いモノを手で隠すから、手ごと舐めとってやる。
指の間を舐めあげて、隙間から咲弥のモノを舌で刺激した。手から力が抜けたところで、指を絡めて手を握る。
「……隠すなよ。声も我慢するな。……咲弥の全部が欲しい。」
快感に零れてしまう甘い声も。
俺に敏感に反応して赤く染まっていく身体も。
咲弥の透き通った綺麗なその心も。
全部、全部、俺によこせ。
「………うん。」
咲弥は素直に頷いて、口元を隠していた左手をベッドに置いた。
右手は俺の手をぎゅっと握り返してくれる。
俺にすべてを預けてくれた、全てを見せてくれた咲弥が愛おしい。
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