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『幽霊だけど、姿を見られちゃいました。(ついでに触られてます。)』
もう、離れません。 ※
しおりを挟む舌を出して見せつけるように、僕の白濁を舐めとった章親。
僕は思いっきりそれを見てしまいました。
僕の恥ずかしがって暴れている様子に、クスクスと章親は笑っています。
「いまさらだな。……それに、咲弥の全部を、くれるんだろ?」
そうは言いましたけど…。
全部って、僕の出した『ソレ』も、入っているんですか?
羞恥のせいで腕で目元を覆っていると、下半身にトロリと冷たいものが掛けられました。
その液体は、僕のモノを伝ってお尻の窄まりに垂れていきます。
「ひゃっ!」
ひんやりとした液体にびっくりして、変な声が出てしまいました。
窄まりまで垂れたトロリとした液体を、章親が入り口に塗り広げています。
入り口はヒクリっと反応して、何かを期待しているようです。
「…はぁ、…咲弥…。」
僕の名前を呼びながら、章親がつぷりっと窄まりに指をゆっくりと入れました。
「んっ…。」
僕は違和感に眉を寄せて、章親と握っていた手にぎゅっと力を入れました。
「……痛いか?」
僕の様子に、章親が心配そうに聞いていきます。
こんなときでも、自分の欲を優先しないで、僕のことを気にかけてくれます。
章親は、本当に優しい。
「…痛くない。……ちょっと変な感じ…。」
呼吸を整えて力を抜こうをしていますが、違和感のせいか緊張して上手く力が抜けません。
どうしよう。
これじゃあ、章親のを受け取めるどころか、指さえも入らない…。
不安で涙が滲みそうになります。
「っ!ぁあっ!」
なんの前触れもなく、章親が再び僕の前のモノをパクリと口に含みました。
萎んでいたそこは、絶頂の余韻で敏感になっていて、熱い口腔内の刺激に一溜まりもありません。
驚きと一緒に甘い声が喉をついて、身体がビクンと大きく跳ねました。
ねっとりと舌を這わされ、過敏な先っぽのほうを舐めまわされます。
前への愛撫で力が抜けたのか、章親の指がゆっくりと窄まりの奥まで進んでいきます。
ある程度奥まで入ると、今度はクニクニと内壁を指の腹で押し始めました。
少しずつ、章親のモノを受け入れるために広げられていくのが分かります。
でも、章親の指は広げるだけじゃなくて、何かを探しているような指使いでした。
僕が、前の愛撫に集中していたときに、章親の指がある一点を掠めます。
「っあぁ!…??」
章親の指がそこを掠めた瞬間、電流が身体を貫いたような鋭い感覚がして、大きく身体が跳ねました。
…なに、今の?
章親の指は確かめるように、今度は指の腹でその一点を押してきます。
「っあぁ!…な…に?」
嬌声が我慢できないくらいの快感で、そこを押されるとチカっと目がくらみます。
「……みつけた。」
呟くように章親は言うと、その敏感なしこりを指でトントンと何度も押してきました。
「…やぁっ、あっ、ぁあっ!そ、こ、…やっ!!」
トントンと、章親の指で押されるたびに甲高い声が止まらなくて、身体はビクっ、ビクっと反応します。
気持ち良すぎる快感を逃したくて、僕はイヤイヤするように、左右に首を振りました。
僕の制止の声は無視されて、そのまま敏感過ぎるしこりはずっと、トントンされています。
「…ここ、前立腺。男でも気持ち良くなれる場所だってさ。……咲弥、気持ちいい?」
僕に分からせるように、ぐりっと一度強く押されました。
「ふぁあっ!っあ、あぁ!…そ、こでぇ…、しゃべ…ぁ、な…!!」
僕のモノをしゃぶりながら、ココは気持ちが良いかと、しこりをぐりっと押すなんて…。
そんなことされたら、
もう前と後ろで感じてしまって…。
僕はもう、喘ぐことしかできません。
いつの間にか僕の中に入ってくる指が2本、3本と増やされていました。
指は抜き差しを繰り返して、章親に十分解されています。
指が入り口ギリギリまで抜かれて、しこりにめがけて入ってきます。
それを何度も繰り返されて、僕はまた絶頂の波が近づいてきてるのが分かりました。
…やだ。一人でイキたくない…。
もう、章親を受け入れるには十分過ぎます。
なのに、僕の身体を心配してか、僕の中に挿入てくれません。
僕の心と身体は、
章親が、欲しくて、欲しくて、
たまりませんでした。
「…あ、き…ちか…。」
僕は、章親の名前を必死に呼びます。
我慢できません。
「……どうした?」
章親が顔を上げて、僕を見下ろしました。
章親が上半身を起こしたから、服の中で窮屈そうにしている章親のモノも見えました。
章親はまだ一度も達していません。
その状況がどれだけ辛く、苦しいのか、同じ男だから良く分かります。
「……も、いれ…て?」
恥も何もかもを、かなぐり捨ててでも、今は章親が欲しい。
章親から息を飲むような声が聞こえます。
「なっ…!…でも、今挿入れたら咲弥が辛いだろ…?」
無理しなくていい、と章親が僕をいたわるように言ってきます。
いやです。
もう、早く章親と一緒になりたい。
お願い。
「…いい!…おね…がい…。あき、ちか…。」
縋るように章親を見つめて、章親の首に両手を巻き付けて引き寄せます。
近づいてきた唇に、そっとキスしました。
僕がキスをすると章親は一瞬、目を見張り、喉の奥から低い呻き声を上げました。
「……痛かったら、言えよ。」
衣擦れの音が聞こえてすぐ、熱いモノが僕の入り口にあてがわれました。
そのまま、ゆっくりと章親の硬くて熱いモノが窄まりを広げて挿入ってきます。
「ふぁっ…、んっ、」
指とは全く比べ物にならない、太くてドクドク脈打つモノは、内壁をゆっくりと奥へ擦っていきます。
熱い。
中が溶けてしまいそうになるくらい、章親の熱は熱くて。
トンっと、奥に硬いモノが当たってヒクっと僕の喉が鳴りました。
僕のお尻に、章親の肌が触れた感触があります。
頭上では、はぁっと、章親が吐息を漏らしました。
「…全部、挿入った。」
顔に、ちゅっと、ちゅっと、章親から触れるだけのキスの雨が降ってきます。
……やっと、章親と一つになれた。
僕は嬉しくて、滲んでいた瞳からポロリと涙を1粒零しました。
柔らかな唇が、チュッと涙を掬い取ります。
「…うれしい……。あったかい。」
章親の背中に両手を回して、ぎゅっと抱きつきます。
重なり合った肌から、章親の温かな体温を感じました。
いつも寝るときに感じていた体温よりも、今は少し高くて。
素肌が触れ合って、章親の早鐘を打っている鼓動が、僕にも響いてきます。
しばらく、お互いに抱き合って、啄むだけのキスを何度もしました。
「……動くぞ。」
章親が静かに、呻くように言いました。
僕の中はすっかり章親のモノの形になっていて、きゅうっと締め付けています。
「…あっ、…んっ、ぁっ。」
ゆるゆると章親が腰を動かし始めると、熱がぶり返して快感がぞくぞくと昇ってきます。
章親のモノが引き抜かれようとすると、内壁は追いすがるように硬いモノを締め付けて。
挿入されると、柔らかく開いて奥に奥にと誘います。
「…はぁ、すげえ、気持ちいい…。」
見上げれば、悩まし気で色っぽい章親の顔が見えます。
その顔で、僕はまた中をきゅうっと締め付けてしまいました。
段々と章親の腰の動きが早くなり、それに合わせて僕の嬌声も止まらなくなります。
パンっ、パンっと身体がぶつかり合う艶めかしい音が響きます。
「っ!あぁっ!」
敏感なしこりを、ぐりっと硬い先端に擦られ、さらに深い場所まで章親の楔が入ってきました。
両足は章親の肩に担がれて、身体を折り曲げたような体勢にさせられます。
奥深い場所を、ぐりっ、ごりっと抉られます。
「ふぁあっ!っあ、っあ、…ふか…い!」
上から章親の硬くて太いものに串刺しにされて、奥を疲れる度にチカっ、チカっと火花が頭の中に散っていきます。
「…好きだ。愛してる!咲弥…、咲弥…!」
僕も好きです。好き。
章親が大好きです。
愛してる。
口には決して出しません。
君を縛ってしまうから。
「あっ、あっ!も…、イクっ!…イっ!っぁ、あぁぁあ!」
一気にぐりっと奥を抉られて、僕は身体を大きく仰け反らせて達しました。
自分と章親のお腹を、僕が出した白濁が汚していきます。
「…くっ、はぁ…。」
うめき声が聞こえて、章親のモノがぶるりっと中で震えました。
中に熱いものが流れ込んでくるのを感じて、章親も達したのだと分かりました。
章親に抱かれたのだと、満たされていくような感覚がしました。
「……愛してる。咲弥。」
汗ばんだ肌を重ね合わせて、ぎゅっと章親が僕を抱きしめてくれます。
僕は、幸せで満たされて、心地よくて目を閉じました。
そこから、僕の記憶はプツリっと途絶えました。
_________________________________
結論からいうと、
僕は死んでいませんでした。
章親と結ばれたその日、僕の身体はふわっと浮いた感覚がして、気が付くと病院のベッドで目を覚ましました。
僕は、数か月前にあのアパートの部屋で、エレキビターを弾いていたところ、コンセントから漏電した電気に感電してしまったのです。
そのまま意識不明になっていたそうです。
治療を受けて身体には異常がありませんでしたが、意識が戻らなかったのです。
それもそうです。
だって、意識はアパートの部屋にいたままになっていたのですから。
つまりは、僕は地縛霊ではなく、
生霊だったのです。
身体に意識が戻った僕は、1か月の入院生活を終えて、今日退院しました。
そして、僕は今、章親と住んでいた部屋のドアの前にいます。
退院した足で、まっすぐ向かったのは、ここでした。
突然、アパートからいなくなった僕を、章親はどう思っているか不安です。
もしかしたら、僕のことはすっかり忘れているかもしれません。
彼女も出来てしまったかもしれません。
でも、一目で良いから、
もう一度章親に会いたかった。
入院中も、ずっと章親のことが頭から離れませんでした。
本当は連絡を取りたかったんですが、緊急治療室にいたし、僕は特殊な症例だったので退院するまで面会謝絶状態でした。
やっと、今日、
本当の『相良咲弥』として
章親に会えます。
ピンポーンっと、玄関チャイムを鳴らします。
今日は章親のアルバイトが休みの日だから、部屋にいるはずです。
たぶんですけど。
「はい。」
中から、こちらを窺がう若い男の声が聞こえました。
ずっと聞いていたい、懐かしい声です。
良かった。部屋に居てくれた。
「あの…、咲弥です。相良咲弥です。」
緊張したから、最初は少しどもってしまいました。
でも、ドアを挟んが向こう側にいる、愛おしい人に聞こえるように、はっきり名前を告げます。
カチャリっと鍵を開ける音が聞こえて、そのあとバタンっ!と勢いよくドアが開きました。
僕はその勢いに、びっくりしてビクッと肩を跳ねさせました。
ドアノブを掴んだまま、目を見開いている章親。
僕の全身を見て、ゆっくりと近づいてきます。
壊れ物を触るように、ぎゅっと抱きしめられました。
「…咲弥…、咲弥だ…。」
僕の左肩に顔をうずめて、身体を抱きしめている両腕の力が強まりました。
うわごとのように、僕の名前を震えた声で何度も呼びます。
僕は章親の背中に両手を回して、静かに抱きしめ返しました。
「……章親、僕ね、ちゃんと生きてた。もう、幽霊じゃない。」
そっと章親から離れて、章親の綺麗な目を見つめ返します。
章親の瞳には、今にも零れそうな雫が溜まっています。
僕は、章親に会ったら、
絶対に言いたい言葉がありました。
「章親、好き。大好き。愛してる。」
「もう、章親のそばから離れない。」
ぽろりと、章親の瞳から一粒の涙が零れます。
そして、僕の両頬を優しくて、温かい手の平が包み込みました。
「……好きだ咲弥。愛してる。…ずっと、ずっと一緒だ。」
お互いに泣き笑いしながら、僕たちは唇をそっと重ねました。
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