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第9章 魔王討伐戦、全員無事に帰還せよ
友愛の抱きつき、戦闘後は心を癒やさないと辛いから
しおりを挟む「……こっわ。ていうか、毒とか、かなりえげつないんですけど……!!」
クレイセルがぶるりっと体を震わせて、両手で自分の身体をぎゅっと抱きしめた。そう言えば、俺やソルは一緒にダンジョンに潜り込んだから、アトリが積極的に攻撃する姿に見慣れているけど、他の皆は後方支援する様子しか見たこと無いもんな。
まあ、俺もアトリが毒を操るのが得意だと初めて知ったけど……。
「味方の分には、こんなにも心強い魔導師はいないだろ?」
アトリの魔法は巧妙で美しく、驚くほどに繊細な技術を要する。どれほど鍛錬すれば、あの域に到達するのか見当もつかない。実際にアトリは国内でも3本の指に入る魔導師だと、ヴィンセントから聞いたことがある。今なお、魔導師団から『帰ってきてくれ!』と泣きつかれているらしい。
アトリを称賛した俺に、クレイセルは赤い髪をふるふると揺らして首を左右に振った。
「……いや、敵だった時を考えるだけで恐ろしいわ!」
ぶるりっと悪寒が走ったのか、両腕を手で擦ったクレイセルの肩に、ポンッと背中から優しく手が置かれた。ヒッ!と小さな悲鳴を上げ、クレイセルはギギギっと壊れたおもちゃのごとく首を軋ませて振り返る。クレイセルの後ろに立つアトリが、朗らかに微笑んだ。
「大丈夫ですよ?良い子にしていれば……ね?」
ひぃぇっ!と短い悲鳴を上げて思い切り飛び跳ねたクレイセルに、王冠が虚しく転がった暗い雰囲気の部屋を、明るく爽やかに変化させる。アトリとクレイセルのやり取りをくすくすと笑っていると、先程まで前衛で戦っていたアウルムが、いつもの通りの口元だけ笑う微笑みを浮かべて、長剣を鞘に仕舞うのが目にとまった。
「アル……。大丈夫?」
心配げな顔をしたアヤハが、アウルムの愛称を呼びながら彼の両手を握る。アヤハに手を握らせた瞬間、アウルムの仮初の微笑みが少しだけ剥がれて、年相応の美青年の疲れた顔が現れた。
その時初めて、アウルムは強張った身体から力を抜いた。
「……大丈夫だ、アヤハ。私は既に過去と決別したからな……。ただ少し、疲れただけさ」
おもむろにアウルムがアヤハの手を引いて、驚きで目を見開いたままのアヤハが傾いていく。ふわりと純白の裾を広げながら、華奢なアヤハの身体がアウルムの胸にぽふっと着地した。
「……ほんの少しだけ、このままでもいいか……?」
アヤハの肩口に頭を置いたアウルムは、胸に収まったアヤハの背中に手を伸ばすと、壊れ物を触るかのようにそっと抱きしめた。2人が抱きしめ合う姿は、まさにヒロインと王子様だ。
どうやら、アヤハはアウルムルートに入っているようだ。アウルムが愛称呼びを許しているのもそうだが、アヤハにかなり心を開いている様子が伺える。
2人の仲睦まじい様子を見守りながら、俺は考え込んでいた。乙女ゲームには、攻略対象者全員と結ばれるハーレムエンドが存在するが、現実ではそう上手くいくものではない。
では、ヒロインと結ばれなかった者達の想いは、一体どこに行ってしまうのだろうか。
アウルムとアヤハの仲睦まじい姿を見つめるのは、俺だけじゃない。室内に未だに漂う清涼な冷気に銀色の髪をサラリと靡かせながら、エストは指先で縁無し眼鏡を持ち上げた。いつも通り涼やかで感情を表に出さない怜悧な美青年が佇んでいる。
星色の美青年は、ただその光景を微笑んで見守っているようにも見えるが、ここ数年、友達として図書棟の秘密基地共有者の俺は気が付いてしまった。
光を反射したレンズ越しに垣間見えた星屑の瞳に宿るのは、羨望の情とツキンっと胸が痛くなるような寂しさだった。俺は、居ても立ってもいられなくなった。
「エスト……」
顔に感情をおくびにも出さないエストの右後ろから、俺はそっと彼の元へと近づいて行った。未だに抱きしめ合っているアウルムとアヤハを切なげに眺めていたエストが振り返り、銀色の瞳がふいっとこちらを向いた。
「ヒズミ?」
星屑色の髪をサラリと揺らしながら、エストは不思議そうに小首を傾げた。こういう、ちょっとだけ無防備な表情を見せてくれるようになったのも、彼と長い期間共に過ごしたからだ。
きょとんっとしたままのエストに、俺は正面から両手を伸ばしてそっと抱きしめた。寂しそうにしている友達を、1人にしておくなんて俺にはできないから。
「その、男だから固いとは思うけど……。俺の胸で良ければ、貸すぞ?」
女の子みたいに柔らかい身体じゃないし、エストよりも顔一つ分身長も低い。だから、どちらかと言うと俺がエストの胸の中に抱きついているような形だけど……。友の背中に手を回して、抱きしめることはできる。
「っ?!」
頭上から、エストが息を飲む音が聞こえたかと思うと、ピクンっと小さく身体を震わせた。しばらくの沈黙が続いたあとに、俺の背中に手がすっと回された。そっと力を入れて、エストの胸へと引き寄せられる。
「……ヒズミのお言葉に、甘えようかな……」
肩口で呟かれたほんのりと甘えた声と、本当に心から安堵したように吐かれた息に、俺は堪らなくなった。エストを侮辱したマリオネットに、未だに怒りを覚える。
この魔王討伐戦で、一番心が疲れているのはエストだ。
魔王討伐の主な計画を立てた彼は、誰よりも冷静になることを求められた。魔王復活で起こる被害を、全て防ぐことは不可能。エストは厳格に判断し、時には冷徹に一方を切り捨てることをあった。冷酷だと反感を買っても、彼の氷の表情は変わることがなかったが、優しい心根の彼は辛かったはずだ。
自分の決断一つで、街や村の人々の命が左右されるのだから。
「……ヒズミは、どこまでも清らかで、温かいなぁ……」
エストは名残惜しそうに俺の髪を撫でつけると、頭の上にちゅっと口づけを落としていった。そのくすぐったさに、思わずクスクスと笑ってみ見上げると、満天の星空のように優しく、夜空を照らすように微笑みがある。
普段感情を見せないエストが、友達にだけ時折見せてくれる、優しい笑顔が俺は大好きだ。
「……ありがとう、ヒズミ」
お礼を言って微笑む星屑の美貌に呆けて、エストの思うがまま何度も髪にキスをされていると、突然後ろから胸に手を回された。脇に腕が入り込んで来たかと思うと、そのまま後ろにグイッと引っ張られてエストから引き剥がされる。背中に感じる温かさに首だけで振り返ると、しかめっ面のソルと目があった。
「……おい、そこまでは許していない」
「良いじゃないか、ヒズミから癒やしてくれるといったのだから……」
剣呑な視線と威嚇するような低い声を発したソルに、エストは挑発するように鼻で笑った。ソルが俺を隠すように、ローブの裾で俺を覆って抱きしめる。俺とソルの様子に、エストはわざとらしく肩をすくませる。
その肩の上には、いつの間にか白色の毛玉がちょこんっと座っていた。
「……いつの間に?……御主人様を間違えているぞ?」
これにはエストも驚いたようで、左肩に座るモルンに目を見張りながら指先でモルンを突っついている。
モルンはポンポンと小さなお手てでエストの肩を励ますように叩くと、ふわふわの魅惑の尻尾をフリフリとエストの顔の前に差し出した。まるで『触っても良いんだぞ?』と言っているようなモルンの動きに、エストが思わずという様子で吹き出した。
「モルンにも励まされるなんてな……。お言葉に甘えて、モフモフさせてもらおう」
エストがモルンのふわふわ尻尾に頬づりをしている。銀糸の美青年とモフモフ、ここは神話の世界か?というほど神々しいとうか、これが尊いという感情なのか……。
小動物と美少年の戯れをほうっとため息交じりで眺めている俺の耳元に、後ろからソルの吐息がかかって俺は肩を跳ねさせた。俺だけに聞こえるように、耳元でソルが低く唸った。
「……ヒズミ。この戦いが終わったらお仕置___」
「そろそろ、鍵を探そうかっ!」
あまりにも最後まで聞くのが怖くなった俺は、ソルから身体を離して皆に宣った。
変に声を出したせいで裏返っているし、挙動不審な姿に皆が変な顔をしてしまっているが、気にしないことにする。背中にソルの視線がめちゃくちゃ刺さっているのも、気にしない、気にしない。
「おにいちゃーん!あったよ!!」
いつの間にか、巨大な王冠の前に移動していたアヤハが、俺へと手を振って手招きをしている。艶めく石床に転がる黄金の王冠には、大小様々な宝石が沢山散りばめられていた。アヤハは、王冠の中央に嵌められた、一際小さい深青色の宝石を俺に指し示した。
片手に収まる大きさの深青色の宝石は、装飾の中でも一番小さい。でもその宝石だけ他の装飾と違い、中で光がキラキラと流動的に動いている。俺は嵌め込まれた深青色の宝石を指先で触ると、ポロリっと簡単に宝石が剥がれ落ちる。
「これだ……。よく見つけたな、アヤハ」
光にかざした宝石の中では、金の鱗粉を散らしなが蝶2匹の蝶が夜闇の青の中で羽ばたいていた。真ん中に刃先を下にした剣を象ったマークの周りを、蝶たちが気まぐれにフヨフヨと飛んでいる。
「えへへっ、褒めて、褒めて」
偉いなぁと、前世で兄妹だった癖で俺はアヤハのピンクベージュの髪をポンポンっと優しく撫でた。アヤハがさらにふにゃりとした笑顔をした瞬間、二方向から鋭い視線を感じて、俺はピタリと動きを止める。右からサファイアブルーの瞳に微笑みながら射抜かれ、左からは琥珀色の瞳に貫かれ背中に悪寒が走った。
「……倍に増やそうかな……」
……ソルは、一体何を倍にしようとしているのだろうか?
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