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第四章 火精霊の棲み処へ
甘い刺激を ※
しおりを挟むスフェンは首筋にから、徐々に下へと顔を移動させる。時折、チクッとした痛みを俺に与えながら、舌を肌に這わされる。
スフェンが、唇で触れてくる部分が熱い。自分自身も息が荒くなって、熱くて悩ましい吐息を溢していた。
「っア!……ふっ…、んぁ……っ。」
肌を滑っていた唇が、左の小さな突起をはくっと食んだ。突然の強い刺激に驚いて、思わず大きな声が出て、口を引き結ぶ。
ここは外だ。通り縋りの人に声を聞かれるかもしれない。
自分では意識したことのないその胸の尖りを、スフェンは柔らかな唇で挟むように弄んだ。
最初はくすぐったいと違和感しか感じなかったのに、スフェンに執拗に刺激されて燻る熱を帯びていく。
「っ!…ン…。」
小さな胸の尖りをスフェンの肉厚な舌がぺろっと掠めていく。唇とは違い、乳首を押しつぶされる強い刺激に、身体を仰け反らせてしまう。
そんな俺を逃がさないとばかりに、スフェンが俺の背中に左手を回して身体を固定した。
仰け反らせた姿勢のまま、俺はスフェンに乳首を差し出すような体勢になる。
舌先で左の乳首をつん、つんと舐められ、時々ちゅうっ、と音をわざと立ててしゃぶられる。
乳首を吸われると痺れるような快感が走って、そのたびに身体が跳ねた。
散々に舐めしゃぶったあと、スフェンはやっとのこと乳首から唇を離した。
俺のその小さな尖りはすっかり腫れていて、赤く色づいた果実のようにぷっくりとしている。
ぷっくりとした果実はてらりとスフェンの蜜で濡れていて、その光景がとても淫靡に見えた。
「……すっかり、腫れてしまったな。」
「ンっ!……ふっ…、やめ……っ!」
俺の制止の言葉なんか聞こえないとばかりに、スフェンは右の乳首を食み始める。
左の小さな突起は右手の親指で容赦なくグリグリと押しつぶされた。
右は湿った舌で押し潰され、右は指で潰され弾かれる。左右で違う刺激に、俺はもう為す術もなく翻弄される。
「……ぁンっ、……急に……、どう、…ぁっ、して?」
急にキスをされて、スフェンに身体中に熱を帯びさせられて……。
なんで、スフェンはこんなことをしているのだろう?
身体の熱に翻弄されてたどたどしく質問する俺に、スフェンは乳首をペロリと意地悪に舌で一舐めすると、顔を上げた。
「……あまりに、ミカゲが無防備すぎるからだ。ミカゲは皆に『男に注意するように。』と言われていただろう?それなのに、男の前でこの美しい身体を晒すなんて……。こんなことをされても、文句は言えないんだぞ?」
俺を下から見上げてくるスフェンの目には、以前見たギラついた光が見えた。しかも、瞳の奥にはほんの少しばかり淀んだ緑が見えた気がする。
「……ここも、こんなに固くして…。赤くなって随分と美味しそうじゃないか。」
「っンん!……やっ、……め…!」
スフェンは俺に知らしめるように、左右の乳首を親指の腹でグリグリと虐めた。強めに押しつぶされると、堪らなくて身体が自然にビクっ、ビクっと跳ねる。
「ミカゲは、温泉が随分好きなようだな?……皆に内緒にして、一人で公衆浴場に行こうと思っていること、バレているからな?」
ギクッと、俺は心臓を大きく跳ねさせた。
思いっきり図星だ。
だって、温泉街って楽しいじゃないか。
この街では日帰りで湯に浸かれる宿もたくさんある。一つの温泉だけしか味わえないというのは勿体ないじゃないか……。
俺は宿の部屋に置いてあった周辺の観光マップをこっそりと見て、行きたい温泉に目星をつけていたのだ。
それに、スフェンたちは少し俺のことを心配しすぎだと思うのだ。俺は、一人でも迷子にならないし……。
「……ミカゲのような華奢で、なおかつ容姿も美しい者が野獣の群れに裸でいてみろ。すぐに捕まえられて、大勢の男に群がられて襲われるぞ。……今だって、随分と快楽に弱い身体なのに。」
スフェンはそう言うと、俺の両足の間に顔を埋めた。熱でぼんやりとしている俺は、すでに足に力が入らず開きかけていた。
その両足にするりと身体を割り込ませて、両太腿の裏側をがっちりとスフェンの両手で押さえつけられる。
「乳首だけで、こんなに蜜を零して……。やらしいな。」
「ひうっ!」
ピンっとスフェンの指に、俺のモノを弾かれて直接的な刺激に息を飲んだ。
自分でも、自身のモノがはしたなく昂っているのには気が付いていた。でも、スフェンに露骨に指摘されて一気に顔に熱が集まっていく。
「……み、ない、…ンっ!…で……。」
太腿の際どいところに、スフェンは顔を埋めてチュウッと唇で吸い上げていく。
恥ずかしく勃ち上がっている自分のモノを隠したいのに、後ろ手についた両手はカタカタと震えるだけだ。
何度も際どい部分を吸われて、舌が這う。吸われた部分がじんわりと熱を持った。
……もどかしい。
一番近くにある、敏感な部分に刺激を与えてもらえない。ずっと、その近くばかりを責められて、期待だけさせられて。
俺のモノはもう、固くなりすぎて、もどかしくて震えだしていた。心では抵抗したいのに、身体が言うことを聞いてくれない。
気を抜くと、淫靡なお願いが口から出そうなほどに、俺の身体が甘い刺激を求めていた。
気がつくと、スフェンが太腿への愛撫を止めて、俺を下から見上げている。
「………どうした?」
ニヤリと片方だけ広角を上げ意地悪に笑うその美貌に、ドキッとしてしまう。スフェンの問いかけに、俺は答えられない。
言葉を紡げば気持ちよくなれると、俺の身体は快感を求めて、我慢できずにイヤらしく蜜を溢していた。
「……ミカゲ、どうされたい……?」
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