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※愛しています※
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寝顔を見続けて1時間が過ぎた。洗濯物を干し終わらなくてはならない。2号は既に部屋の隅に収納した。
明日の朝食にはベーコンを焦げ目がつくまで焼いて、スクランブルエッグを作ろう。新鮮なトマトと茹でたブロッコリーを添えて。ブロッコリーは何分茹でれば良いのだろう。
立ち上がっりながらネットの海を漕ぐ。またあの光。遠くにあったはずの光が、さっきよりもまた近くなる。いや、そう感じるだけで実際は変わらないのかもしれない。
『沸騰した湯に1つまみの塩を入れて3分から5分程度。1つまみ……指でつまむぐらいを表す。指の大きさの違いは?』
あらゆる線を辿っても、実際の人間の暮らしには理解できないことが多い。塩分濃度、その他の調味料の濃度はある程度自分の舌で判別できるが、それが人間の舌にどう影響するのかが分からない。しかも旨み成分によって濃度など関係しない時がある。
『本物の人間になれたなら……。』
最後に自分が履いていたジーンズを干す。干し終わったものはベランダへ。明日の天気は快晴。冬の今の時期でさえ、この辺りでは洗濯は乾く。アンドロイドとなって、暫くしてからの優樹様からの願い。乾燥機をかけるのではなく、外で干したいと。
『お日さまの香りが好きなんだ。』
お日さまの香りはどんなものかが分からない。優樹様の好む柔軟剤の香りも。「シトラスの香り」と書いてある商品は無限にある。入浴剤、整髪料、消臭剤……。全て同じ香りなのか?
『優樹様と同じように感じて、感覚を共有したい。』
冷たいという感覚や熱いという感覚。温度は測ることができるが、私にはさっぱり解らない。人間の熱いと感じるのは43度以上。風呂の設定は40度。冷たくはないのだろうか……。
ネットの海を漂って検索を続ける。あらゆる線の中で白く光る線が近づいてきている。あの中には何の情報が詰まってる? 行くべきではない、そう何かが警告を発している。行ったら戻ってこれないのだと。
「いや、誰も警告など発していない。」
声に出して言ってみる。この感覚は何だ? 1と0の情報の海の中で……警告してくる者。これが思い? 感覚? 自分の中だけで感じているものなのか?
洗濯カゴを洗面所に戻してリビングへと戻る。白い光を見つめながら食材の準備に入ろうと。その時、突然光の中から優樹様の声が聞こえた。
『愼!』
慌てて寝室のカメラで優樹様を確認する。録画画像を確認しても、先ほどから動いてはいないことは明らかだ。……気のせい? 幻聴?
『……愼!』
さらに近づいてきた白い光の中から、優樹様の声がする。間違いない。あの中にいるのは優樹様。どうしたというのだろう? 人間はネットワークの中へと入り込むことができるのか? そしたら、それならばあの光の中で優樹様と感覚を共有できる?
『愼!』
「はい、優樹様。ただいま参ります。」
抗えない。俺は迷わなかった。白い光の中で俺を呼ぶ優樹様の元へと跳び込んだ。その時、白い光が全身を包み込み……そして、何も分からなくなっていった。
明日の朝食にはベーコンを焦げ目がつくまで焼いて、スクランブルエッグを作ろう。新鮮なトマトと茹でたブロッコリーを添えて。ブロッコリーは何分茹でれば良いのだろう。
立ち上がっりながらネットの海を漕ぐ。またあの光。遠くにあったはずの光が、さっきよりもまた近くなる。いや、そう感じるだけで実際は変わらないのかもしれない。
『沸騰した湯に1つまみの塩を入れて3分から5分程度。1つまみ……指でつまむぐらいを表す。指の大きさの違いは?』
あらゆる線を辿っても、実際の人間の暮らしには理解できないことが多い。塩分濃度、その他の調味料の濃度はある程度自分の舌で判別できるが、それが人間の舌にどう影響するのかが分からない。しかも旨み成分によって濃度など関係しない時がある。
『本物の人間になれたなら……。』
最後に自分が履いていたジーンズを干す。干し終わったものはベランダへ。明日の天気は快晴。冬の今の時期でさえ、この辺りでは洗濯は乾く。アンドロイドとなって、暫くしてからの優樹様からの願い。乾燥機をかけるのではなく、外で干したいと。
『お日さまの香りが好きなんだ。』
お日さまの香りはどんなものかが分からない。優樹様の好む柔軟剤の香りも。「シトラスの香り」と書いてある商品は無限にある。入浴剤、整髪料、消臭剤……。全て同じ香りなのか?
『優樹様と同じように感じて、感覚を共有したい。』
冷たいという感覚や熱いという感覚。温度は測ることができるが、私にはさっぱり解らない。人間の熱いと感じるのは43度以上。風呂の設定は40度。冷たくはないのだろうか……。
ネットの海を漂って検索を続ける。あらゆる線の中で白く光る線が近づいてきている。あの中には何の情報が詰まってる? 行くべきではない、そう何かが警告を発している。行ったら戻ってこれないのだと。
「いや、誰も警告など発していない。」
声に出して言ってみる。この感覚は何だ? 1と0の情報の海の中で……警告してくる者。これが思い? 感覚? 自分の中だけで感じているものなのか?
洗濯カゴを洗面所に戻してリビングへと戻る。白い光を見つめながら食材の準備に入ろうと。その時、突然光の中から優樹様の声が聞こえた。
『愼!』
慌てて寝室のカメラで優樹様を確認する。録画画像を確認しても、先ほどから動いてはいないことは明らかだ。……気のせい? 幻聴?
『……愼!』
さらに近づいてきた白い光の中から、優樹様の声がする。間違いない。あの中にいるのは優樹様。どうしたというのだろう? 人間はネットワークの中へと入り込むことができるのか? そしたら、それならばあの光の中で優樹様と感覚を共有できる?
『愼!』
「はい、優樹様。ただいま参ります。」
抗えない。俺は迷わなかった。白い光の中で俺を呼ぶ優樹様の元へと跳び込んだ。その時、白い光が全身を包み込み……そして、何も分からなくなっていった。
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