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教育実習三週目
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『トモ!?』
背後から僕に覆い被さるようにしてきたのはトモだ。驚きすぎて、涙がすぐに引っ込んでいった。トモが僕の肩に顔を埋めて小さく呟いた。
「……ごめん。こんなに心を痛めているとは知らなかった。」
『?』
何を言ってるのだろう。トモが僕に何かした? 昨日から優しく言葉をかけてもらって感謝しかしてないというのに。
「トモさん、大丈夫です。トモさんには関係ない所で少し……ちょっとだけ弱っていて。」
ちょっぴり鼻声なのは勘弁して。でもトモとは関係ないことを笑顔で見せようと、後ろを向いてトモと顔を合わせた。
「こんなに泣いて……。」
トモの顔が目の前にあって、ちょっとだけドギマギした。この3週間で若干伸びたように感じる前髪の隙間からトモの真剣な眼差しと目が合った。この目、この目はどこかで見たことがある。
『!!』
動揺を隠せないでいると、トモの温かい手が頬に流れ落ちた涙を拭い去り、顔を両手で包み込まれて口づけをされていた。驚きすぎると体が動かない。初めて知った。トモのキスは昨日小池からされたものよりとても優しく、そして長かった。
「!」
我に返って顔を背ける。何で? なぜ今、トモは僕にキスをしたの? えっ? トモって付き合っている女性《ひと》、いや好きな女性いるんだったよな!? 心臓が激しく肋骨を叩く。胸が苦しくてどうにかなりそうだった。
「カズ……好きだ。」
「…………!!」
驚きすぎて何も言えないでいるうちに、また唇が重ねられた。何も考えられない。気がつくと、肩の力が抜けて目を瞑り、トモの唇を受け止めていた。心臓がバクバクしている……。
「カズ、ずっと好きだった。今の俺……今の俺をどうか受け止めて?」
「と、トモさん……。」
頭を抱え込まれて鎖骨に頬が当たる。重なった胸がトモもすごい速さで鼓動していることを伝えてきた。ど、どうしたらいいか分からない……。でも何故かこんな風に抱きしめられることは嫌ではなかった。キスも……嫌ではなかった。
「すぐに返事が欲しいとは思わない。でも、考えてくれないか? 俺たちにはもうあまり時間がない。良かったら、真剣に考えて欲しい。……好きだ。……ごめん、断りもなくキスした。」
トモの大きな指が僕の唇を拭った。この大きな手でいつも料理を作る。餃子だって器用に包める。離れていく手を目で追いながら、そんな事を思っていた。
「昼ができた。降りてきて?」
気がつくと、額にキスをされていた。そのままトモが踵を返して部屋を出て行く。呆然とその後ろ姿を追いながら、顔が熱くなっているのを感じていた。
『トモ? トモに……告白された!? うそっ、嘘だろーー!』
えっ昨日は小池で今日はトモ!? 僕、僕の運勢は今どんな状態? 混乱する頭を抱えながら、そんな事しか考えられなかった。
背後から僕に覆い被さるようにしてきたのはトモだ。驚きすぎて、涙がすぐに引っ込んでいった。トモが僕の肩に顔を埋めて小さく呟いた。
「……ごめん。こんなに心を痛めているとは知らなかった。」
『?』
何を言ってるのだろう。トモが僕に何かした? 昨日から優しく言葉をかけてもらって感謝しかしてないというのに。
「トモさん、大丈夫です。トモさんには関係ない所で少し……ちょっとだけ弱っていて。」
ちょっぴり鼻声なのは勘弁して。でもトモとは関係ないことを笑顔で見せようと、後ろを向いてトモと顔を合わせた。
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『!!』
動揺を隠せないでいると、トモの温かい手が頬に流れ落ちた涙を拭い去り、顔を両手で包み込まれて口づけをされていた。驚きすぎると体が動かない。初めて知った。トモのキスは昨日小池からされたものよりとても優しく、そして長かった。
「!」
我に返って顔を背ける。何で? なぜ今、トモは僕にキスをしたの? えっ? トモって付き合っている女性《ひと》、いや好きな女性いるんだったよな!? 心臓が激しく肋骨を叩く。胸が苦しくてどうにかなりそうだった。
「カズ……好きだ。」
「…………!!」
驚きすぎて何も言えないでいるうちに、また唇が重ねられた。何も考えられない。気がつくと、肩の力が抜けて目を瞑り、トモの唇を受け止めていた。心臓がバクバクしている……。
「カズ、ずっと好きだった。今の俺……今の俺をどうか受け止めて?」
「と、トモさん……。」
頭を抱え込まれて鎖骨に頬が当たる。重なった胸がトモもすごい速さで鼓動していることを伝えてきた。ど、どうしたらいいか分からない……。でも何故かこんな風に抱きしめられることは嫌ではなかった。キスも……嫌ではなかった。
「すぐに返事が欲しいとは思わない。でも、考えてくれないか? 俺たちにはもうあまり時間がない。良かったら、真剣に考えて欲しい。……好きだ。……ごめん、断りもなくキスした。」
トモの大きな指が僕の唇を拭った。この大きな手でいつも料理を作る。餃子だって器用に包める。離れていく手を目で追いながら、そんな事を思っていた。
「昼ができた。降りてきて?」
気がつくと、額にキスをされていた。そのままトモが踵を返して部屋を出て行く。呆然とその後ろ姿を追いながら、顔が熱くなっているのを感じていた。
『トモ? トモに……告白された!? うそっ、嘘だろーー!』
えっ昨日は小池で今日はトモ!? 僕、僕の運勢は今どんな状態? 混乱する頭を抱えながら、そんな事しか考えられなかった。
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