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教育実習一週目
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『眠れない……。』
眠ることを諦めて、下に降りてコーヒーでも淹れようと考えついた。布団から出て梯子を降りる。僕の部屋のロフトはベッド代わり。絨毯があるからちょうどいい。マットレスも置かずに布団を敷き、僕の寝床になっていた。
『みんな寝てるだろうな。』
出来るだけ音を立てないように下へ降りる。一階まで降りてキッチンのドアを開けようとして動きが止まった。
「もう諦めろよ。」
「……何を?」
「ここまでついてきたのはアイツのせいだろ?」
「だから何が!」
リョウの部屋から2人分の声が聞こえる。「何を?」と聞いてた声はリョウ。リョウとそしてあの声は……トモ? それともユウ? ユウの声にしては低すぎる。やっぱりトモ?
「知ってたんだ。長年ずっと想っていたこと。」
「……誰を。」
「……俺にしとけよ。」
『……! 告白? えっ? 男どうし、だろ?』
何だかドキドキしてきてキッチンへは入らず、また音を立てないように細心の注意を払いながら、ゆっくりと部屋まで戻った。下からボソボソと話をしている声が聞こえてくる。
「はぁっ……。」
ドアを後ろ手に閉めて大きく息を吐く。今のはリョウとたぶんトモ。リョウもトモもゲイなのか? ここまでついてきたって、何のこと? ユウを追いかけてきたってこと? えっ? ユウはノーマルだろ? リョウが片想いしてるってこと?
梯子を登って布団の中へ戻る。まだ自分の温もりが残っている布団に包まりながら、聞いたばかりの話を反芻していた。
僕は恋人がいたことがない。高校でも大学でも告白されたことはおろか、自分から告ったこともない。いいなと思った女の子は何人かいたけど、告白しようかななんて考えるよりも前に、どんどん彼氏持ちになっていった。
『みんな変わっちゃうんだよ。』
僕の好みはサッパリしたタイプ。グループを作ってキャッキャする子達より、男の子とも普通にゲームやスポーツの話ができる子の方がいい。でも、話が弾んでいいなって思い始めると、必ず彼氏ができるんだ。そして変わる。
ガハハハハって大口を開けて笑っていた子が、うふふふっ、と笑うようになる。化粧も濃くなって髪型も変わってく。「あ、これは。」と感じた時にはその通り。彼氏と腕を組んで歩いていたりするんだ。
『ガッカリはするけと、別に失恋したって感じではないんだよな。』
それよりも衝撃的だったのは今聞いたばかりの会話。まだ少しだけドキドキしている。男どうしを否定する気はないけれど、僕の周りにはいなかった。
『リョウとトモか……。』
もう少し寝ようかと思ったけれど、目の前にある天井を見つめながら、さっき漏れ聞いた内容を考えて、ひたすら時間が過ぎるのを待っていた。
眠ることを諦めて、下に降りてコーヒーでも淹れようと考えついた。布団から出て梯子を降りる。僕の部屋のロフトはベッド代わり。絨毯があるからちょうどいい。マットレスも置かずに布団を敷き、僕の寝床になっていた。
『みんな寝てるだろうな。』
出来るだけ音を立てないように下へ降りる。一階まで降りてキッチンのドアを開けようとして動きが止まった。
「もう諦めろよ。」
「……何を?」
「ここまでついてきたのはアイツのせいだろ?」
「だから何が!」
リョウの部屋から2人分の声が聞こえる。「何を?」と聞いてた声はリョウ。リョウとそしてあの声は……トモ? それともユウ? ユウの声にしては低すぎる。やっぱりトモ?
「知ってたんだ。長年ずっと想っていたこと。」
「……誰を。」
「……俺にしとけよ。」
『……! 告白? えっ? 男どうし、だろ?』
何だかドキドキしてきてキッチンへは入らず、また音を立てないように細心の注意を払いながら、ゆっくりと部屋まで戻った。下からボソボソと話をしている声が聞こえてくる。
「はぁっ……。」
ドアを後ろ手に閉めて大きく息を吐く。今のはリョウとたぶんトモ。リョウもトモもゲイなのか? ここまでついてきたって、何のこと? ユウを追いかけてきたってこと? えっ? ユウはノーマルだろ? リョウが片想いしてるってこと?
梯子を登って布団の中へ戻る。まだ自分の温もりが残っている布団に包まりながら、聞いたばかりの話を反芻していた。
僕は恋人がいたことがない。高校でも大学でも告白されたことはおろか、自分から告ったこともない。いいなと思った女の子は何人かいたけど、告白しようかななんて考えるよりも前に、どんどん彼氏持ちになっていった。
『みんな変わっちゃうんだよ。』
僕の好みはサッパリしたタイプ。グループを作ってキャッキャする子達より、男の子とも普通にゲームやスポーツの話ができる子の方がいい。でも、話が弾んでいいなって思い始めると、必ず彼氏ができるんだ。そして変わる。
ガハハハハって大口を開けて笑っていた子が、うふふふっ、と笑うようになる。化粧も濃くなって髪型も変わってく。「あ、これは。」と感じた時にはその通り。彼氏と腕を組んで歩いていたりするんだ。
『ガッカリはするけと、別に失恋したって感じではないんだよな。』
それよりも衝撃的だったのは今聞いたばかりの会話。まだ少しだけドキドキしている。男どうしを否定する気はないけれど、僕の周りにはいなかった。
『リョウとトモか……。』
もう少し寝ようかと思ったけれど、目の前にある天井を見つめながら、さっき漏れ聞いた内容を考えて、ひたすら時間が過ぎるのを待っていた。
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