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3:君に向かって
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「今、雅人が連絡を取ってる。返事はないって言ってたけど、まだ警察にいるのかな?」
「う……ん。」
昨日は駿也が10日間拘留されるはずって言ってた。それで少しは安心している俺がいる。
『でも……もしもう家に帰っているとしたら? 雅人へのメールにもわざと返事をしていないとしたら?』
俺は、吊革を握る手にギュッと力を込めた。そんな事はないだろう……そう思っていても何だか怖い。
「あのさ、駿也が……。」
「望、田崎さんと付き合ってんの?」
俺の言葉に被せるように放たれた伸一の言葉で、一瞬で顔が赤くなるのが分かった。
「……。」
「ふーん、そういう事か……。いいんじゃない? 結構似合ってるぜ。」
伸一が笑顔を見せた。少しだけほっとする。
「じゃあ、良太の時も……?」
「ああ、駿也が止めに入ってくれた。」
何だか恥ずかしい。よくよく考えれば、俺が力をつければいい話。良太ぐらい跳ね除けられるぐらいの力。今度、ジムにでも通おうかな?
「良かったな。……田崎さん、学校には、なかなか来てないんだろ? 学校では俺たちが目を光らせておくからって言っとけよ。」
「それなんだけど……駿也が伸一から連絡がほしいって言ってたんだ。これ電話番号。かけてみてくれる?」
駿也と駅で会った時に渡された電話番号。伸一と連絡を取りたいって言ってた。俺の友だちの中じゃ、一番信用できるって……。
「おっ! きたきた。この伸一くんに任せなさい。でも望には1つ貸しだな。いつか返してもらうぜ? ……お兄ちゃん。」
お兄ちゃん? お兄ちゃんって何だよ。伸一は誕生日いつだっけ? そんな事を考えながら、それから、学校前の駅まで伸一とたわいもない話で盛り上がっていった。
「学食行く?」
「うん、行こう。」
浩己に誘われてE棟を出た。浩己とはほとんど取ってる講義が一緒だからありがたい。昨日の休んだ分のノートも午前中のうちに写させてもらった。
いつものように学食までの道を歩く。ここで他の学部の友だちが合流するのがいつものパターン。でも、今日はいつものように来る気配はなかった。
「今日は俺たちだけかな?」
浩己も気づいたようだ。女の子たちは違う授業を取ってるから、合流しない事はよくあるけど……。
「そうだね。」
浩己の方を見た時、浩己の首に銀色に光るものを見つけた。
「浩己、オシャレだな? それネックレスだろ? どんなの?」
俺の言葉で、浩己がすぐに真っ赤になった。
「いや、あの……。」
出来るだけ服の中に隠そうとと努力しながら口籠もる浩己に苦笑する。
「何、隠す事ないじゃん。彼女とお揃いとか?」
俺の言葉にますます顔を赤くしながら、浩己が前を向いた。俺の方を絶対に見ないように頑張っているのが丸わかりだ。
「う、うん。……まあ。」
何だか浩己って可愛いな。俺と身長差があまりない浩己にまたさらに親しみやすさを感じた。
「う……ん。」
昨日は駿也が10日間拘留されるはずって言ってた。それで少しは安心している俺がいる。
『でも……もしもう家に帰っているとしたら? 雅人へのメールにもわざと返事をしていないとしたら?』
俺は、吊革を握る手にギュッと力を込めた。そんな事はないだろう……そう思っていても何だか怖い。
「あのさ、駿也が……。」
「望、田崎さんと付き合ってんの?」
俺の言葉に被せるように放たれた伸一の言葉で、一瞬で顔が赤くなるのが分かった。
「……。」
「ふーん、そういう事か……。いいんじゃない? 結構似合ってるぜ。」
伸一が笑顔を見せた。少しだけほっとする。
「じゃあ、良太の時も……?」
「ああ、駿也が止めに入ってくれた。」
何だか恥ずかしい。よくよく考えれば、俺が力をつければいい話。良太ぐらい跳ね除けられるぐらいの力。今度、ジムにでも通おうかな?
「良かったな。……田崎さん、学校には、なかなか来てないんだろ? 学校では俺たちが目を光らせておくからって言っとけよ。」
「それなんだけど……駿也が伸一から連絡がほしいって言ってたんだ。これ電話番号。かけてみてくれる?」
駿也と駅で会った時に渡された電話番号。伸一と連絡を取りたいって言ってた。俺の友だちの中じゃ、一番信用できるって……。
「おっ! きたきた。この伸一くんに任せなさい。でも望には1つ貸しだな。いつか返してもらうぜ? ……お兄ちゃん。」
お兄ちゃん? お兄ちゃんって何だよ。伸一は誕生日いつだっけ? そんな事を考えながら、それから、学校前の駅まで伸一とたわいもない話で盛り上がっていった。
「学食行く?」
「うん、行こう。」
浩己に誘われてE棟を出た。浩己とはほとんど取ってる講義が一緒だからありがたい。昨日の休んだ分のノートも午前中のうちに写させてもらった。
いつものように学食までの道を歩く。ここで他の学部の友だちが合流するのがいつものパターン。でも、今日はいつものように来る気配はなかった。
「今日は俺たちだけかな?」
浩己も気づいたようだ。女の子たちは違う授業を取ってるから、合流しない事はよくあるけど……。
「そうだね。」
浩己の方を見た時、浩己の首に銀色に光るものを見つけた。
「浩己、オシャレだな? それネックレスだろ? どんなの?」
俺の言葉で、浩己がすぐに真っ赤になった。
「いや、あの……。」
出来るだけ服の中に隠そうとと努力しながら口籠もる浩己に苦笑する。
「何、隠す事ないじゃん。彼女とお揃いとか?」
俺の言葉にますます顔を赤くしながら、浩己が前を向いた。俺の方を絶対に見ないように頑張っているのが丸わかりだ。
「う、うん。……まあ。」
何だか浩己って可愛いな。俺と身長差があまりない浩己にまたさらに親しみやすさを感じた。
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