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1:茶髪の君と学食
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「おーい、久しぶりっ!」
後ろから声をかけられて、首に腕が回された。
「うっ! ご、ゴホッ! だ、誰だっ?」
無理矢理、腕を引き剥がして顔を見ると、雅人だった。本当に久しぶり。確か5月の後半に学食で会った以来だ。
「お前、腕の回し方考えろよっ! 毎回首が絞まるっ!」
「ははっ! 腕を回すなって言わないのね。一緒に『麺一』へ行かない?」
雅人が笑いながら、肩に腕を回してきた。
「良太たちは?」
1時間目は般教で一緒だったけど、2時間目はそれぞれ専門の授業があって別れた。雅人は良太や伸一と一緒だったはず。
「ん? 何も言わずに速攻で教室出てきた。ちょっと話したかったんだよね。……望と。」
少しトーンが下がった雅人の声が気になる。……どうした?
「何?」
「ま、とりあえず『麺一』行こ。」
雅人の誘いに応じて、久しぶりに「麺一」で昼食をとることにした。
「何食べる?」
雅人に聞かれて考える。「麺一」には2回しか来たことない。醤油ラーメンと味噌ラーメンを食べた。今日は……何がいいかな?
「もやし塩ラーメン。」
ここのもやしシリーズは山盛りで出てくる。一度食べてみたかった。
食券を買ってカウンターに出し、水を準備して窓際の席に2人で座る。まだ、授業が終わったばかりだからか、空いてる席も多かった。
「で? 何?」
さっきの雅人の声のトーンが気になった。雅人はあまり目立つ事はしないけど、いつも周りをしっかりと見て動く奴だ。何かあったのか?
「お前、付き合ってる人いるの?」
「えっ?」
水を飲もうとしていた俺は、危うく溢すとこだった。一口飲んで逆に聞いてみる。
「雅人は?」
俺の言葉に雅人が照れたような笑顔を見せた。
「いるよ。一個上。5月の末から付き合ってる。」
「へぇー。」
雅人に恋人かぁ。高校時代にバカを言って笑い合った仲間なのに、雅人だけが急に大人になってしまったような気がした。
「何だよっ! その気のない『へぇ』は。今幸せなんだよ。祝えよっ!」
「あはははっ! ごめんごめん。おめでとう! どんな人?」
単純に興味があった。大学の先輩……? どんな人なんだろう。
「俺のことはいいんだ。……で? 望は?」
俺っ? 急に雅人が真面目モードに切り替えてきた。俺は、いるはずないだろ。いつも友だちとつるんでいるの分かっているくせに。
「いたら、今頃一緒にご飯食べてるよっ!」
おちゃらけた雰囲気で誤魔化そうとしたけど、雅人の顔は晴れなかった。
「そうか……。」
「? ……何?」
何だか心配そうだ。……何だろ。想像がつかない。
「……お前……良太のことどう思ってる?」
へっ!? 良太? 急に良太の名前が上がって俺は狼狽えた。
後ろから声をかけられて、首に腕が回された。
「うっ! ご、ゴホッ! だ、誰だっ?」
無理矢理、腕を引き剥がして顔を見ると、雅人だった。本当に久しぶり。確か5月の後半に学食で会った以来だ。
「お前、腕の回し方考えろよっ! 毎回首が絞まるっ!」
「ははっ! 腕を回すなって言わないのね。一緒に『麺一』へ行かない?」
雅人が笑いながら、肩に腕を回してきた。
「良太たちは?」
1時間目は般教で一緒だったけど、2時間目はそれぞれ専門の授業があって別れた。雅人は良太や伸一と一緒だったはず。
「ん? 何も言わずに速攻で教室出てきた。ちょっと話したかったんだよね。……望と。」
少しトーンが下がった雅人の声が気になる。……どうした?
「何?」
「ま、とりあえず『麺一』行こ。」
雅人の誘いに応じて、久しぶりに「麺一」で昼食をとることにした。
「何食べる?」
雅人に聞かれて考える。「麺一」には2回しか来たことない。醤油ラーメンと味噌ラーメンを食べた。今日は……何がいいかな?
「もやし塩ラーメン。」
ここのもやしシリーズは山盛りで出てくる。一度食べてみたかった。
食券を買ってカウンターに出し、水を準備して窓際の席に2人で座る。まだ、授業が終わったばかりだからか、空いてる席も多かった。
「で? 何?」
さっきの雅人の声のトーンが気になった。雅人はあまり目立つ事はしないけど、いつも周りをしっかりと見て動く奴だ。何かあったのか?
「お前、付き合ってる人いるの?」
「えっ?」
水を飲もうとしていた俺は、危うく溢すとこだった。一口飲んで逆に聞いてみる。
「雅人は?」
俺の言葉に雅人が照れたような笑顔を見せた。
「いるよ。一個上。5月の末から付き合ってる。」
「へぇー。」
雅人に恋人かぁ。高校時代にバカを言って笑い合った仲間なのに、雅人だけが急に大人になってしまったような気がした。
「何だよっ! その気のない『へぇ』は。今幸せなんだよ。祝えよっ!」
「あはははっ! ごめんごめん。おめでとう! どんな人?」
単純に興味があった。大学の先輩……? どんな人なんだろう。
「俺のことはいいんだ。……で? 望は?」
俺っ? 急に雅人が真面目モードに切り替えてきた。俺は、いるはずないだろ。いつも友だちとつるんでいるの分かっているくせに。
「いたら、今頃一緒にご飯食べてるよっ!」
おちゃらけた雰囲気で誤魔化そうとしたけど、雅人の顔は晴れなかった。
「そうか……。」
「? ……何?」
何だか心配そうだ。……何だろ。想像がつかない。
「……お前……良太のことどう思ってる?」
へっ!? 良太? 急に良太の名前が上がって俺は狼狽えた。
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