俺が送ったメールは瞬時に既読になる。けど、アイツからの返事は一切ないんだ。……俺はいつまで待っていればいい? 〜明日のその先〜

もこ

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1:茶髪の君

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「おっ! 望。おはよー。」
図書館を出て少し歩いたところで、真っ白なパーカーを着た伸一とばったり会った。伸一は今来たとこか? 駅の方から歩いてきたところのようだった。他にも2,3人がこっちに歩いてくる。今は授業中だからか周りに人は少なかった。

「おはよ。次は休講だよな?」
次の「心理学入門」は結構知り合いが多くとっていた。伸一も同じ。一般教養の中に入っている選択科目だ。

「望も分からなかったクチ? 俺もさー、電車の中で気づいたの。な、お茶しね?」
自然と肩に腕を回されて、伸一を見上げる。伸一は高2の時には俺と同じくらいだったはずなのに、いつの間にか背が高くなっていた。178㎝になったんだそうだ。もうすぐ180……。羨ましすぎだろ。

野郎2人で肩を組んで……さめた目で見れば痛いことこの上ないが、もう既に慣れている俺がいる。2人で何を飲むかあれこれ話しながら、カフェ専門店に向かった。

ちょうどカフェが見えてきた校舎の片隅、A棟の入り口を通り過ぎたところで、ふと左を見る。さっき見かけたばかりの茶髪の君が、遠くのA棟の壁を背にしてこちらを向いて立っていた。その前には小柄な女性……。ストレートの黒髪をハーフアップにしてピンク色のシュシュで飾っている。あれは……告白?女の子の方が俯き加減で、顔を赤くしているようだった。

「やっぱりカフェ・オ・レ? ……望どうした?」
伸一の声にハッとする。慌てて顔を前に向けるが、目は離せなかった。
「あ、いや。今日はブレンドかな。」
ようやく飲めるようになったブラックコーヒー。味はまだ分からないけど、今日は甘いのは……無しかな。

「あ、告ってる。……うまく行ったか?」
俺の肩越しに伸一も2人を見つけて実況し始めた。俺もそう思った。あの黒髪ストレートの女の子が茶髪の君に告っているって……。目を無理矢理離して視線を前に移す。

「おおっ! 大胆……!!」
何が大胆なんだか……。何故か耳を塞ぎたい気持ちで足を速めた。伸一は、首を後ろに回してガン見している。

「伸一は? 何飲むことにしたの?」
俺の言葉に、伸一がようやく顔を前に向けた。
「俺もブレンドかな。今日は少し寒いしな。」
2人でカフェの入り口を通った。

「「いらっしゃいませ。」」
女の子2人の声が聞こえた。ここの店員は、店長と思われる年配の男の人と、たまに見かけるおばちゃんを除いてみんな学生だ。最近高校2年の時のクラスメイトの友希もバイトを始めたって聞いた。ここで会ったことはないけど。彼女は俺と同じ文学部だ。

店の中も今日は人が少ない。ゴールデンウィーク明け、学校に来ている人がそもそも少ないのか? 2人でブレンドコーヒーを受け取ると、窓際の明るいところの席を選んで歩いて行った。




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