26 / 35
君を忘れる
所長室 1
しおりを挟む
「失礼します。」
ノックもせずに扉を開ける。メールで訪れる旨は伝えてあるから問題ない。目の前にいた目つきの悪い男の傍を無言で通る…。
「佐久間君、いいよ。ちょっと外して。」
親父が言葉を発すると、その男は無言で一礼し、所長室を出て行った。親父が座る机の前まで足を運ぶ。
「洸一…髪の毛、元に戻ったな?…どうした?」
どこか嬉しそうな親父の言葉は無視をする。何がそんなに嬉しいんだ?
「管理人を降ろしてください。」
「…なぜ?」
「…」
理由を言うわけにはいかない。親父は俺の気持ちが分かった上で、これまで応援してくれた…。でも、この方がいいんだ。俺が傍にいる事で、奏を苦しめる…。
「地下に戻してください。」
理由を言わない俺の言葉に、親父は微かに眉間にシワを寄せた。
「あの部屋の管理人は必要だ。」
「新田さんにやらせてください。」
「新田君…?」
「新田さんなら何度か変わりを頼んだこともあり、適任だと思います。」
親父の眉間のシワが深くなってきた。
「今年度のプロジェクトは、小野寺君も生田君もあと数回で終了だ。なぜこの時期に?」
「俺があそこにいない方がいいんです。」
誰にとは言わずとも、親父には通じるはずだ…。
「10年前の事と関係あるのか?」
「…」
俺は何も言えなかった。何があって、何が無かったのか詳しくは話したくない。いくら親父の想像が当たっていても、だ。
「無理だな。小野寺君の次の任務は3日後だ。管理人を代えるにしても急すぎる。」
「3日後!?なぜ?」
こんな短期間に連続で過去に送り出すのは、臨時で生田を19年前へ飛ばした時以来だ。いろいろとメンテナンスが必要だから、最低でも5日間は必要なのに…。
ノックもせずに扉を開ける。メールで訪れる旨は伝えてあるから問題ない。目の前にいた目つきの悪い男の傍を無言で通る…。
「佐久間君、いいよ。ちょっと外して。」
親父が言葉を発すると、その男は無言で一礼し、所長室を出て行った。親父が座る机の前まで足を運ぶ。
「洸一…髪の毛、元に戻ったな?…どうした?」
どこか嬉しそうな親父の言葉は無視をする。何がそんなに嬉しいんだ?
「管理人を降ろしてください。」
「…なぜ?」
「…」
理由を言うわけにはいかない。親父は俺の気持ちが分かった上で、これまで応援してくれた…。でも、この方がいいんだ。俺が傍にいる事で、奏を苦しめる…。
「地下に戻してください。」
理由を言わない俺の言葉に、親父は微かに眉間にシワを寄せた。
「あの部屋の管理人は必要だ。」
「新田さんにやらせてください。」
「新田君…?」
「新田さんなら何度か変わりを頼んだこともあり、適任だと思います。」
親父の眉間のシワが深くなってきた。
「今年度のプロジェクトは、小野寺君も生田君もあと数回で終了だ。なぜこの時期に?」
「俺があそこにいない方がいいんです。」
誰にとは言わずとも、親父には通じるはずだ…。
「10年前の事と関係あるのか?」
「…」
俺は何も言えなかった。何があって、何が無かったのか詳しくは話したくない。いくら親父の想像が当たっていても、だ。
「無理だな。小野寺君の次の任務は3日後だ。管理人を代えるにしても急すぎる。」
「3日後!?なぜ?」
こんな短期間に連続で過去に送り出すのは、臨時で生田を19年前へ飛ばした時以来だ。いろいろとメンテナンスが必要だから、最低でも5日間は必要なのに…。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
処女姫Ωと帝の初夜
切羽未依
BL
αの皇子を産むため、男なのに姫として後宮に入れられたΩのぼく。
七年も経っても、未だに帝に番われず、未通(おとめ=処女)のままだった。
幼なじみでもある帝と仲は良かったが、Ωとして求められないことに、ぼくは不安と悲しみを抱えていた・・・
『紫式部~実は、歴史上の人物がΩだった件』の紫式部の就職先・藤原彰子も実はΩで、男の子だった!?というオメガバースな歴史ファンタジー。
歴史や古文が苦手でも、だいじょうぶ。ふりがな満載・カッコ書きの説明大量。
フツーの日本語で書いています。
とろけてなくなる
瀬楽英津子
BL
ヤクザの車を傷を付けた櫻井雅(さくらいみやび)十八歳は、多額の借金を背負わされ、ゲイ風俗で働かされることになってしまった。
連れて行かれたのは教育係の逢坂英二(おうさかえいじ)の自宅マンション。
雅はそこで、逢坂英二(おうさかえいじ)に性技を教わることになるが、逢坂英二(おうさかえいじ)は、ガサツで乱暴な男だった。
無骨なヤクザ×ドライな少年。
歳の差。
専業種夫
カタナカナタ
BL
精力旺盛な彼氏の性処理を完璧にこなす「専業種夫」。彼の徹底された性行為のおかげで、彼氏は外ではハイクラスに働き、帰宅するとまた彼を激しく犯す。そんなゲイカップルの日々のルーティーンを描く。
隠れSな攻めの短編集
あかさたな!
BL
こちら全話独立、オトナな短編集です。
1話1話完結しています。
いきなりオトナな内容に入るのでご注意を。
今回はソフトからドがつくくらいのSまで、いろんなタイプの攻めがみられる短編集です!隠れSとか、メガネSとか、年下Sとか…⁉︎
【お仕置きで奥の処女をもらう参謀】【口の中をいじめる歯医者】
【独占欲で使用人をいじめる王様】
【無自覚Sがトイレを我慢させる】
【召喚された勇者は魔術師の性癖(ケモ耳)に巻き込まれる】
【勝手にイくことを許さない許嫁】
【胸の敏感なところだけでいかせたいいじめっ子】
【自称Sをしばく女装っ子の部下】
【魔王を公開処刑する勇者】
【酔うとエスになるカテキョ】
【虎視眈々と下剋上を狙うヴァンパイアの眷属】
【貴族坊ちゃんの弱みを握った庶民】
【主人を調教する奴隷】
2022/04/15を持って、こちらの短編集は完結とさせていただきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
前作に
・年下攻め
・いじわるな溺愛攻め
・下剋上っぽい関係
短編集も完結してるで、プロフィールからぜひ!
好色サラリーマンは外国人社長のビックサンを咥えてしゃぶって吸って搾りつくす
ルルオカ
BL
大手との契約が切られそうでピンチな工場。
新しく就任した外国人社長と交渉すべく、なぜか事務員の俺がついれていかれて「ビッチなサラリーマン」として駆け引きを・・・?
BL短編集「好色サラリーマン」のおまけの小説です。R18。
元の小説は電子書籍で販売中。
詳細を知れるブログのリンクは↓にあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる