無添加ラブ

「Ｊ」

2

「ん……んあっ……。」

後ろから体を揺さぶられる……。僕の気持ちのいい所に的確に当ててくるのは誰？


『そのサラサラの髪。似合います。』

嘘……僕は今、固めているんだ。


「うっ。」

男が僕の中で果てる。体をひっくり返されて……ああ、この手に、あのアザがあればいいのに……。

「……ん、んん……。」

口の中に舌が入ってくる。何故、僕はこいつとセ・クスしてるの？　一度シテ気持ち良かったから？　


思ったほどじゃなかった……。


『そんなに見つめないでもらえます？』

あの子の声が聞こえる。馬鹿だな。何を気にしてるんだろう。

僕は、僕は５つも年上なんだ……。





気がつくと、隣でこういちさんが寝ていた。夜中の１時。静かに起き上がってベッドから抜け出す。何故だろう……罪悪感が半端なかった。

『僕は、何をしてるんだ？　本当に……。』

ため息が漏れた。

こんなはずじゃなかった。乱れた髪を手櫛で整えて服を着替える。夜中だし、少しぐらい乱れた服装でも誰も気にしない。僕は財布とスマホを確認すると、音を立てないように気をつけながらその部屋を後にした。