107 / 118
偽りない俺(悠)
5
しおりを挟む
公園を走り抜け、呼吸を整えながら歩いていく。真人の店のあたり…あ、電気が点いた。スマホを確認する。
『待ってる。』
『店の方に来て。』
連続で来ていた返事を眺めた。思わずニヤける。あの灯りがついたところに…真人がいる。
店の前に行くと、小さな灯りの中に動く人影が見えた。
『真人…俺だよ。』
ノックをする…。人影が気づいてドアを開けてくれた。…真人だっ!
「真人っ!会いたかった!!」
「…ゆ、ゆう…?」
真人の全身が見えた瞬間に、思わず両腕の中に真人を閉じ込めていた。
「本名は伊那村悠。真人、好きだっ!」
やっと本当の自分で真人を抱きしめられる…!もう何も悩まなくていい。俺たちは……これからだ。
※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※
「…ゆう…本当に悠だった…。悠、起きて…。」
真人の声が聞こえる…。目を瞑りながら手を伸ばして、最初に触れたものを引き寄せた。
「…ん、んんんっ。悠っ!」
少し焦ったような声が聞こえて、パッと目を開ける。俺は俺に覆いかぶさるようにしていた真人をガッチリと抱き寄せていた。
「おはよ…キス…しよ。」
構わず真人の顔を引き寄せる。真っ赤な顔をした真人の顔を見た瞬間、体の向きを変えて、真人を組み敷いていた。目を見つめる…ずっと囚われていた瞳。障子戸から漏れてくる柔らかな光を受けて、キラキラしている。吸い込まれるように唇を重ねていた。
『最高…。』
真っ赤な顔のままで、俺のキスに応えてくれる真人に愛しさがつのる。ずっとこうしていたい…。角度を変えながらキスに夢中になる。
「…ん…ゆう…仕事。」
キスの合間に真人が呟いた。白い肌が真っ赤に染まってる。瞳が潤っていて…とても綺麗だ。俺の…瞳…。
「俺の…。」
「…ん?…」
瞼にキスをしながら問いかける。真人は分からなかったらしい…。
「この瞳に俺だけ映したい。この唇にキスできるのも俺だけ。こうやって抱きしめられるのも…俺だけがいい。」
「うん…。」
真人の赤い顔がまた深くなった。目を瞑る。真人の睫毛はこんなに長かったんだ。新たな発見場所にキスを加える。右に…左に…。
「…遅れちゃうよ。」
俺のキスを受け止めながら、真人が呟いた。
「どこに?」
耳朶を甘噛みしながら問いかける。
「…仕事。」
「大丈夫。今日は休みもらったから…。」
唇にチュッと音を立ててキスをすると、真人の目がパチッっと開いた。
「本当?」
「うん。本当。」
「…悠っ!」
真人が嬉しそうな笑顔になって抱きついてきた。
「あはは。な、お父さんとお母さんは?」
お母さんにもお父さんにも言いたい…交際を認めてくれって。昨夜真人が俺を好きな人だと言ってくれた…。俺も、俺からもお願いしたい。
「母さんは今、朝食作ってる。父さんは5時にカフェに行った。もうすぐ戻るよ。朝食食べに。いつもそう。」
「そっか。なあ、真人。お父さんの前でも付き合ってること、言ってもいいか?」
「……もちろん!!」
俺の問いに一瞬驚いた顔を見せた真人がまた俺の肩に顔を埋めた。
『待ってる。』
『店の方に来て。』
連続で来ていた返事を眺めた。思わずニヤける。あの灯りがついたところに…真人がいる。
店の前に行くと、小さな灯りの中に動く人影が見えた。
『真人…俺だよ。』
ノックをする…。人影が気づいてドアを開けてくれた。…真人だっ!
「真人っ!会いたかった!!」
「…ゆ、ゆう…?」
真人の全身が見えた瞬間に、思わず両腕の中に真人を閉じ込めていた。
「本名は伊那村悠。真人、好きだっ!」
やっと本当の自分で真人を抱きしめられる…!もう何も悩まなくていい。俺たちは……これからだ。
※※ ※※ ※※ ※※ ※※ ※※
「…ゆう…本当に悠だった…。悠、起きて…。」
真人の声が聞こえる…。目を瞑りながら手を伸ばして、最初に触れたものを引き寄せた。
「…ん、んんんっ。悠っ!」
少し焦ったような声が聞こえて、パッと目を開ける。俺は俺に覆いかぶさるようにしていた真人をガッチリと抱き寄せていた。
「おはよ…キス…しよ。」
構わず真人の顔を引き寄せる。真っ赤な顔をした真人の顔を見た瞬間、体の向きを変えて、真人を組み敷いていた。目を見つめる…ずっと囚われていた瞳。障子戸から漏れてくる柔らかな光を受けて、キラキラしている。吸い込まれるように唇を重ねていた。
『最高…。』
真っ赤な顔のままで、俺のキスに応えてくれる真人に愛しさがつのる。ずっとこうしていたい…。角度を変えながらキスに夢中になる。
「…ん…ゆう…仕事。」
キスの合間に真人が呟いた。白い肌が真っ赤に染まってる。瞳が潤っていて…とても綺麗だ。俺の…瞳…。
「俺の…。」
「…ん?…」
瞼にキスをしながら問いかける。真人は分からなかったらしい…。
「この瞳に俺だけ映したい。この唇にキスできるのも俺だけ。こうやって抱きしめられるのも…俺だけがいい。」
「うん…。」
真人の赤い顔がまた深くなった。目を瞑る。真人の睫毛はこんなに長かったんだ。新たな発見場所にキスを加える。右に…左に…。
「…遅れちゃうよ。」
俺のキスを受け止めながら、真人が呟いた。
「どこに?」
耳朶を甘噛みしながら問いかける。
「…仕事。」
「大丈夫。今日は休みもらったから…。」
唇にチュッと音を立ててキスをすると、真人の目がパチッっと開いた。
「本当?」
「うん。本当。」
「…悠っ!」
真人が嬉しそうな笑顔になって抱きついてきた。
「あはは。な、お父さんとお母さんは?」
お母さんにもお父さんにも言いたい…交際を認めてくれって。昨夜真人が俺を好きな人だと言ってくれた…。俺も、俺からもお願いしたい。
「母さんは今、朝食作ってる。父さんは5時にカフェに行った。もうすぐ戻るよ。朝食食べに。いつもそう。」
「そっか。なあ、真人。お父さんの前でも付き合ってること、言ってもいいか?」
「……もちろん!!」
俺の問いに一瞬驚いた顔を見せた真人がまた俺の肩に顔を埋めた。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
潜入した僕、専属メイドとしてラブラブセックスしまくる話
ずー子
BL
敵陣にスパイ潜入した美少年がそのままボスに気に入られて女装でラブラブセックスしまくる話です。冒頭とエピローグだけ載せました。
悪のイケオジ×スパイ美少年。魔王×勇者がお好きな方は多分好きだと思います。女装シーン書くのとっても楽しかったです。可愛い男の娘、最強。
本編気になる方はPixivのページをチェックしてみてくださいませ!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21381209
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
彼女ができたら義理の兄にめちゃくちゃにされた
おみなしづき
BL
小学生の時に母が再婚して義理の兄ができた。
それが嬉しくて、幼い頃はよく兄の側にいようとした。
俺の自慢の兄だった。
高二の夏、初めて彼女ができた俺に兄は言った。
「ねぇ、ハル。なんで彼女なんて作ったの?」
俺は兄にめちゃくちゃにされた。
※最初からエロです。R18シーンは*表示しておきます。
※R18シーンの境界がわからず*が無くともR18があるかもしれません。ほぼR18だと思って頂ければ幸いです。
※いきなり拘束、無理矢理あります。苦手な方はご注意を。
※こんなタイトルですが、愛はあります。
※追記……涼の兄の話をスピンオフとして投稿しました。二人のその後も出てきます。よろしければ、そちらも見てみて下さい。
※作者の無駄話……無くていいかなと思い削除しました。お礼等はあとがきでさせて頂きます。
年上が敷かれるタイプの短編集
あかさたな!
BL
年下が責める系のお話が多めです。
予告なくr18な内容に入ってしまうので、取扱注意です!
全話独立したお話です!
【開放的なところでされるがままな先輩】【弟の寝込みを襲うが返り討ちにあう兄】【浮気を疑われ恋人にタジタジにされる先輩】【幼い主人に狩られるピュアな執事】【サービスが良すぎるエステティシャン】【部室で思い出づくり】【No.1の女王様を屈服させる】【吸血鬼を拾ったら】【人間とヴァンパイアの逆転主従関係】【幼馴染の力関係って決まっている】【拗ねている弟を甘やかす兄】【ドSな執着系執事】【やはり天才には勝てない秀才】
------------------
新しい短編集を出しました。
詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。
君が好き過ぎてレイプした
眠りん
BL
ぼくは大柄で力は強いけれど、かなりの小心者です。好きな人に告白なんて絶対出来ません。
放課後の教室で……ぼくの好きな湊也君が一人、席に座って眠っていました。
これはチャンスです。
目隠しをして、体を押え付ければ小柄な湊也君は抵抗出来ません。
どうせ恋人同士になんてなれません。
この先の長い人生、君の隣にいられないのなら、たった一度少しの時間でいい。君とセックスがしたいのです。
それで君への恋心は忘れます。
でも、翌日湊也君がぼくを呼び出しました。犯人がぼくだとバレてしまったのでしょうか?
不安に思いましたが、そんな事はありませんでした。
「犯人が誰か分からないんだ。ねぇ、柚月。しばらく俺と一緒にいて。俺の事守ってよ」
ぼくはガタイが良いだけで弱い人間です。小心者だし、人を守るなんて出来ません。
その時、湊也君が衝撃発言をしました。
「柚月の事……本当はずっと好きだったから」
なんと告白されたのです。
ぼくと湊也君は両思いだったのです。
このままレイプ事件の事はなかった事にしたいと思います。
※誤字脱字があったらすみません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる