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「管理人室」
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それから俺たちは1日中、管理人室でのんびりとすごした。時折、コウイチは洗濯物を干しにいったり(どこに干すんだろう?)、「過去の部屋」へ仕事に行ったり(何の仕事があるんだ?)したが、30分もしないうちに戻ってきて俺の世話をした。
俺はトイレに行く時以外はずっとベッドの中にいた。俺はコウイチがいない時は本棚にある本を取って読んだ。電子工学や量子力学、情報技術とかいう難しそうな本が並ぶ中で、分厚いファンタジー小説が幅を利かせていた。以前巌城さんの家で手に取ったものと同じものだ。いくつかあるシリーズが全巻揃っていた。
『コウイチもファンタジーなんて興味あるんだ。…意外。ま、これは昔大ヒットだったっていってたけどな。』
俺はクスッと笑って、巌城さんの家で読み始めていた1巻目を手に取った。1巻目はかなり読み込まれていたらしく、結構なシワができていた。昨夜手に取った立体ハートはいつの間にか無くなっていたが、俺は気がつかなかった。
「ね、どうしてあの時、過去にいたの?」
お昼の煮込みうどんを食べながらコウイチに話を振った。今日朝からずっと考えていたことだった。昨日のことを思い出すと、まだちょっとだけ体が震えてくるが、しばらくコウイチのことを考えただけで治まるようになっていた。
「ずっと見ていた…。」
隣の部屋からここに運んだテーブルの向こうでコウイチが呟いた。カウンター用の椅子に腰掛け、うどんを口に運ぼうとしていた手を止めて。
「へっ?ずっとって、…コウイチも過去に来てたってこと?」
配達員は俺なのに…、どうして?…扉の修理?
「ようやく過去の映像がリアルタイムで届くようになったんだ。」
『かこのえいぞうがリアルタイムで…。』どう考えても俺には解からなかったが、とりあえず話を繋ごう。
「どうやって?」
うどんを飲み込んで聞いてみた。
「メガネ。」
ん?…メガネ?メガネがどうした?
「メガネ?」
「ああ。ここ3か月開発を続けていた。映像が見られるようになったのは前回。今回は初めから映像を追っていた。だからお前が、もう少しでここに戻って来るのが分かっていた。バス停にいた男を警戒して公園に行ったろう?」
「ああ、念のために。」
コウイチの長い話に唖然として呟いた。…何これ。コウイチどうした?こんなに一気に喋れるの?…今まではなんだったんだ!?
「とにかく、間に合ってよかった。」
コウイチがホッとしたように呟いた。
俺はトイレに行く時以外はずっとベッドの中にいた。俺はコウイチがいない時は本棚にある本を取って読んだ。電子工学や量子力学、情報技術とかいう難しそうな本が並ぶ中で、分厚いファンタジー小説が幅を利かせていた。以前巌城さんの家で手に取ったものと同じものだ。いくつかあるシリーズが全巻揃っていた。
『コウイチもファンタジーなんて興味あるんだ。…意外。ま、これは昔大ヒットだったっていってたけどな。』
俺はクスッと笑って、巌城さんの家で読み始めていた1巻目を手に取った。1巻目はかなり読み込まれていたらしく、結構なシワができていた。昨夜手に取った立体ハートはいつの間にか無くなっていたが、俺は気がつかなかった。
「ね、どうしてあの時、過去にいたの?」
お昼の煮込みうどんを食べながらコウイチに話を振った。今日朝からずっと考えていたことだった。昨日のことを思い出すと、まだちょっとだけ体が震えてくるが、しばらくコウイチのことを考えただけで治まるようになっていた。
「ずっと見ていた…。」
隣の部屋からここに運んだテーブルの向こうでコウイチが呟いた。カウンター用の椅子に腰掛け、うどんを口に運ぼうとしていた手を止めて。
「へっ?ずっとって、…コウイチも過去に来てたってこと?」
配達員は俺なのに…、どうして?…扉の修理?
「ようやく過去の映像がリアルタイムで届くようになったんだ。」
『かこのえいぞうがリアルタイムで…。』どう考えても俺には解からなかったが、とりあえず話を繋ごう。
「どうやって?」
うどんを飲み込んで聞いてみた。
「メガネ。」
ん?…メガネ?メガネがどうした?
「メガネ?」
「ああ。ここ3か月開発を続けていた。映像が見られるようになったのは前回。今回は初めから映像を追っていた。だからお前が、もう少しでここに戻って来るのが分かっていた。バス停にいた男を警戒して公園に行ったろう?」
「ああ、念のために。」
コウイチの長い話に唖然として呟いた。…何これ。コウイチどうした?こんなに一気に喋れるの?…今まではなんだったんだ!?
「とにかく、間に合ってよかった。」
コウイチがホッとしたように呟いた。
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