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指輪
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5月29日(土)pm6:00
「ジャガイモの皮って、こんなにむきづらかったっけ?」
洸一が肉じゃがを作るというので、一緒にキッチンに立っていた。さっきからピューラを滑らせるが、ツルツル滑って思うように皮がむけない。
「新じゃがだからな。包丁でむいた方が早い。」
そう言いながら、洸一は包丁で3つ目をむき終わっていた。
「かして。」
ジャガイモは洸一に任せて、2つある玉ねぎの皮むきに取りかかった。根の方を切り落としてあって、むきやすい。茶色の皮を剥ぎ取りながら、準備していた言葉を告げた。
「ねぇ、明日どこ行く?」
ジャガイモの皮をむき終わって、切り始めていた洸一がビックリした顔でこちらを見た。
「奏…仕事は…?」
「へへっ。休みを取ってた。洸一明日…誕生日…だろ?」
最後の方の言葉は、洸一に抱きしめられて胸の中に消えていった。抱きしめられたまま、洸一を見上げる。
「どこかドライブしてきて、帰りにケーキを取ってこよ?ほら、近くにできたケーキ屋。予約しておいたんだ。」
洸一が、俺の頬に手を添えてキスをしてきた。優しくて長いキス。大好きだ。俺も気持ちを込めて応える。
「…優樹さんに会ってみたい。真司さんにも…。」
「うん。行こ。連絡取ってみる。」
洸一の頬にチュッとキスをして、スマホを置いたカウンターに回り込んだ。
自然体で本棚に目をやる。大丈夫。封筒は見つかりそうもない。洸一への誕生日プレゼントも、昨日の休みのうちに取ってきて、奥の部屋のクローゼットの中に隠した。だいぶ前に買って、自分の住居に置いておいたバスローブ。洸一のは殆ど毎回俺が着ているから、新しいものを買い求めた。同じブランドの同じ色。サイズだけ1つ大きくしてみた。
メールで叔父さんに連絡を取る。既読がすぐについた。洸一は、キッチンで凄い速さで玉ねぎや人参を刻んでいた。
「午後からなら大丈夫だって。」
油で肉を炒め始めた洸一に声をかける。
「そうか。良かった。2時間はかからないだろ?朝もゆっくりできるな。車取ってくるか?」
目を上げて洸一が聞いてきた。
「明日でいいんじゃない?家に行くのに30分ぐらいだし。」
「そうだな。」
ジャガイモや玉ねぎの炒めるいい匂いが部屋中に漂ってきた。
ホッケの塩焼きと、肉じゃがの夕飯を食べ、2人で一緒にお風呂に入って早々にベッドに入った。
「明日、楽しみだ…。」
洸一がキスしてくる。歯磨き粉のミントの香りが漂う。
「うん。俺も…ケーキ楽しみ。」
「誕生日ケーキなんて、高校以来だ。」
本当はミッションが成功するかどうかで、もの凄く緊張していたが、ここ1週間の早起きで体が限界を超えていて、眠くなってきた。
「期待してて…プレゼント…も…あるから…。」
「お休み。」
洸一の腕の中で、洸一の声と温もりを感じながら、心地よい眠りに落ちていった。
「ジャガイモの皮って、こんなにむきづらかったっけ?」
洸一が肉じゃがを作るというので、一緒にキッチンに立っていた。さっきからピューラを滑らせるが、ツルツル滑って思うように皮がむけない。
「新じゃがだからな。包丁でむいた方が早い。」
そう言いながら、洸一は包丁で3つ目をむき終わっていた。
「かして。」
ジャガイモは洸一に任せて、2つある玉ねぎの皮むきに取りかかった。根の方を切り落としてあって、むきやすい。茶色の皮を剥ぎ取りながら、準備していた言葉を告げた。
「ねぇ、明日どこ行く?」
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「奏…仕事は…?」
「へへっ。休みを取ってた。洸一明日…誕生日…だろ?」
最後の方の言葉は、洸一に抱きしめられて胸の中に消えていった。抱きしめられたまま、洸一を見上げる。
「どこかドライブしてきて、帰りにケーキを取ってこよ?ほら、近くにできたケーキ屋。予約しておいたんだ。」
洸一が、俺の頬に手を添えてキスをしてきた。優しくて長いキス。大好きだ。俺も気持ちを込めて応える。
「…優樹さんに会ってみたい。真司さんにも…。」
「うん。行こ。連絡取ってみる。」
洸一の頬にチュッとキスをして、スマホを置いたカウンターに回り込んだ。
自然体で本棚に目をやる。大丈夫。封筒は見つかりそうもない。洸一への誕生日プレゼントも、昨日の休みのうちに取ってきて、奥の部屋のクローゼットの中に隠した。だいぶ前に買って、自分の住居に置いておいたバスローブ。洸一のは殆ど毎回俺が着ているから、新しいものを買い求めた。同じブランドの同じ色。サイズだけ1つ大きくしてみた。
メールで叔父さんに連絡を取る。既読がすぐについた。洸一は、キッチンで凄い速さで玉ねぎや人参を刻んでいた。
「午後からなら大丈夫だって。」
油で肉を炒め始めた洸一に声をかける。
「そうか。良かった。2時間はかからないだろ?朝もゆっくりできるな。車取ってくるか?」
目を上げて洸一が聞いてきた。
「明日でいいんじゃない?家に行くのに30分ぐらいだし。」
「そうだな。」
ジャガイモや玉ねぎの炒めるいい匂いが部屋中に漂ってきた。
ホッケの塩焼きと、肉じゃがの夕飯を食べ、2人で一緒にお風呂に入って早々にベッドに入った。
「明日、楽しみだ…。」
洸一がキスしてくる。歯磨き粉のミントの香りが漂う。
「うん。俺も…ケーキ楽しみ。」
「誕生日ケーキなんて、高校以来だ。」
本当はミッションが成功するかどうかで、もの凄く緊張していたが、ここ1週間の早起きで体が限界を超えていて、眠くなってきた。
「期待してて…プレゼント…も…あるから…。」
「お休み。」
洸一の腕の中で、洸一の声と温もりを感じながら、心地よい眠りに落ちていった。
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