男ですが聖女になりました

白井由貴

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本編

13話

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「それで……リアムには、教えたんですか?」

 自分が思っている以上に緊張していたようで、想像以上に硬い声が出た。クロヴィス殿下は俺の方をちらと見て、どう思う?と聞いてきた。その表情には後悔が滲んでいるような、それでいてすっきりとしているようなそんな複雑な感情が含まれているように感じられたが、本意はわからない。

「……教えた?」
「半分正解、半分外れ。最初は私も、私はアイツの兄だから教えてやらないと、と思った。けれど何も知らずにいるアイツの姿に無性に腹が立ってしまってね……私がこの10年の間に纏めた資料を渡して、自分で調べろと言ってしまったよ」

 10年分の資料は、クロヴィス殿下の大きな手を広げたくらいの分厚さだったらしく、その時のリアムの顔を思い出したのか満足そうな笑顔を浮かべている。しかしすぐに笑みは消え、険しげな表情で立ち上がるクロヴィス殿下に俺は首を傾げた。

 その時だった。

 ――グオオォォォ!!

 突然耳を劈くような獣の咆哮が聞こえてきたのだ。咄嗟に耳を塞ぐが、それでもなお耳に届く咆哮に身体が震える。音の大きさから、かなり大きな魔獣が近くにいるのだと推測できるが、姿は見えない。ここは安全地帯と言っていたはずじゃなかったかと周囲を見れば、皆一様に驚いた表情をしていた。

 そんな中でもクロヴィス殿下はしっかりと前を見据え、その手はすぐにでも魔法を発動できるように開かれている。しかしその額には汗が滲んでいた。

「……クロヴィス殿下、こちらを」
「ああ、助かる」

 音もなくテントから出てきたのは騎士団長と魔道騎士団長だった。騎士団長はテント内に置いていたクロヴィス殿下の剣を手渡し、横に立って剣を構える。魔道騎士団長は俺を庇うように前に立ち、杖を構えて眼前を睨みつけていた。

 咆哮が止み、静寂が辺りを満たす。
 気付けば全員テントから出て、剣や杖を構えていた。

「……来る」

 そうクロヴィス殿下が呟いたと同時に、少なくとも俺の身長の倍はあるだろう大きな魔獣が姿を現した。狼のような二つの頭を持ち、鬣や尻尾の一本一本が蛇になっている魔獣――オルトロスである。

 オルトロスは地面を掻くように前片足を動かし、上体を低くしてすぐにでも襲い掛かれるような体勢のままこちらを睨みつけている。鋭い歯を曝け出し、粘り気のある唾液を大量に垂らしながらグルルルルと威嚇する魔獣に体の震えが治らない。

 視線が、あった。喉から引き攣ったような声が出る。
 オルトロスが前足の動きを止めてさらに体勢を低くした瞬間、素早い動きで団員達を前足と尾で薙ぎ払った。

「……っ!」

 あまりの速さに、悲鳴すら聞こえなかった。
 俺は元は冒険者ではなくてただの平民だから、オルトロスなんて高ランク魔獣の弱点なんて知らない。俺の水属性魔法は効くのか?……いや仮に効いたとしても、聖属性魔法を使えるように温存しないといけないんじゃないか?怖い……怖いけど、どうにかしなきゃいけない……?

 恐怖で頭が回らない。歯がカチカチと音を立てる。
 震えを押さえるように自分の両腕で身体を抱きしめるが、一向に止まらない震えに焦りが募る。

「火だ!火属性の者は魔法を使え!」

 すぐ側でそんな叫び声が上がった。魔道騎士団長だ。
 彼は俺を庇うように前に立ったまま、火属性の攻撃魔法をオルトロスにぶつけている。杖を媒介に上級の攻撃魔法を幾つも放ち、当たる度に大きな咆哮が上がった。

「ラウルくん!こっちに来てください!」
「カ、カミーユさん?!」

 いつの間にテントから出ていたのだろうか、背後から突然現れたカミーユさんは俺の手を引いてオルトロスに吹っ飛ばされた団員達の元に連れて行き、手を翳して治癒魔法を発動させた。その行動にハッとした俺は、同じように近くに倒れている団員の傷に手を翳して治癒魔法を掛けていく。

 オルトロスに吹っ飛ばされた団員達は皆気を失っているようだ。温存していたお陰で魔力はまだある。近くにいるカミーユさんを見れば、額に汗を浮かべながらも必死に治癒魔法を掛け続けていた。俺も、と次の人に手を翳そうとした時、視界の端に何かが映る。

「……っ、ラウルくん!!」
「……っ?!」

 カミーユさんの悲鳴のような声に顔を上げると、オルトロスがこっちに向かって走ってきているのが見えた。咄嗟に頭を腕で保護するが、そんな物で防げるわけもない。

 気付けば俺の身体は宙に浮いていた。どうしてから時間の流れがゆっくりに感じる。

 このまま床に叩きつけられたら流石に死ぬ、よな?
 ……嫌だな、死にたくないなあ……。

 視界が滲む。眦から涙が溢れる。
 前足で弾かれるように上に飛ばされたからか、全身が痛かった。骨の数本は折れているかもしれない。俺は次に来る衝撃に備えてぎゅっと目を閉じた。

「――ラウル!!」

 走馬灯って本当にあるんだな。俺が聞きたい声を頭が勝手に脳内で再生させたのか、リアムが俺を呼ぶ声が聞こえてきて頬が緩んだ。

「……?」
 
 いつまで経っても訪れない大きな衝撃。もしかしてその前に感じた小さな衝撃で死んでしまったのだろうか。それにしては温かい気がするが、これは俺の血液の温かさか?と混乱しながら恐る恐る目を開けると、視界いっぱいに広がるシルバーアッシュ。

「……?……??」
「……ッ、ラウル?!大丈夫か?!」

 今、俺の頭の中は疑問符でいっぱいだ。
 これは夢なのだろうか、それとも走馬灯の続きなのだろうか。混乱する頭は現実をうまく認識できず、俺は目を瞬かせることしかできない。

 もし夢だとしたらなんて都合の良い夢なのだろうか。

「……りあむ?」
「ラウル……!よか、よかった……!」

 俺を抱きしめながら涙を流すリアムに、俺の胸はじんわりと温かくなっていく。

 どうしてこんなにも胸が温かくなるのだろうか。リアムと過ごした時間はとても少ないのに、どうしてこんなにも俺はリアムがいることに安堵しているのだろうか。
 多分、初めて出会ったあの瞬間にはもう俺は――。
 
「ラウル……すまない、本当に、すまなかった……っ!」

 なんとなく、何に対して謝っているのかがわかった。さっきクロヴィス殿下が資料を渡したと言っていたが、全てに目を通したのだろう。かなりの量があったと聞いたが、この短い期間で読んでしまったのだろうか。

 リアムは俺を抱き抱えたまま座り込み、魔獣がいるであろう方向に手を突き出す。そして口の中で発動呪文を唱えた後、火属性の特級魔法を放った。
 肉が焼けるような匂いが辺りに充満する。再び耳を劈くような咆哮が聞こえ、それを最後に辺りは静寂に包まれた。

「……倒した?」
「や……やったー!!」
「うおおお!!」

 オルトロスを倒したのだと理解した瞬間、団員達の叫び声や泣き声が聞こえ、俺もほっと息をついた。安心した瞬間に全身が軋むように痛み出したので、自分の胸の辺りに手を翳して治癒魔法を掛ける。光が患部を包み込むように広がっていき、光が消える頃には痛みはすっかり消えていた。

 俺はリアムに支えられながら立ち上がり、そのまま涙を湛えるカミーユさんの近くまで歩いていった。俺が情けなく笑うと、カミーユさんも涙を流しながら微笑んでくれた。

 その後は怪我をしていたクロヴィス殿下や団長達に治癒魔法を掛けるのに並行して、リアムが持ってきていたポーションを団員達に配っていく。全員治し終えた頃には、かなりの時間が経っていた。

 しかしアルマン殿下は見つからないにも関わらず高ランクの魔物や魔獣ばかりと遭遇している事実に、皆諦めの色が濃くなってきていた。こんなにも強い魔獣達に襲われたらひとたまりも無いだろう、こんなに見つからないのはもう既に……そんな想いが浮かんでいく。

「……カミ……ユ?」

 そんな時聞こえたのは、不思議そうな声音でカミーユさんを呼ぶ酷く掠れた声だった。カミーユさんは弾かれるように声の方を振り向くと、暫く目を見開いたまま固まった。もう一度同じ声が聞こえた瞬間、カミーユさんの大きな瞳から大粒の涙が流れる。そして一歩、また一歩とゆっくりと引き寄せられるように声の方へと向かっていった。
 そんなカミーユさんの動きを目で追っていると、突然目を塞がれた。それがリアムの手だと気付いたのは、背中に伝わる温もりと耳のすぐ近くから聞こえる声、そしてなにより彼の優しくて爽やかな香りが鼻腔を擽ったからだろう。

「……アルマン兄様は俺達が見つけたよ。オルトロスに追われているうちに、いつの間にか隠し空間にいたんだってさ」

 足を滑らせて入った場所がたまたま隠し空間になっていたそうで、リアムは「運がいいのか悪いのか」と笑っていた。耳元にリアムの息がかかって少し擽ったい。思わず身を捩ると、リアムの腕に力が籠った。

「ごめんラウル……俺、何も知らなくて。ラウルがどんな状況下で過ごしていたかなんてちっとも知らなかった……本当に、ごめん」

 ――ああ、ついに知られてしまったのか。

 俺はすっと表情を消した。知られて嬉しい話ではない、寧ろ知られたくなかった話を知られてしまったのだから仕方がないと思う。疲れているからか、それとも直前にクロヴィス殿下のお陰かはわからない。俺の心は想像とは違い落ち着いていた。

 リアムが何も知らなかったのは彼のせいだけではないとクロヴィス殿下は言っていた。周囲の人間があえてリアムに教えなかったのだと、そして知る機会がほとんどなかったのだと。
 実際、俺はそれでよかったと思っている。そうでなければきっと俺はリアムに出会えなかったのだと思うから。

 でもきっと、リアムの心の中は後悔の念でいっぱいになっていることだろう。それは俺の体を抱きしめる彼の腕が震えているからそう思うだけかもしれないが。

「姉上が、無知は罪だって……全くその通りだ。俺は今まで何も知らずに……いや、知ろうともしないで今までのうのうと生きてきた。優秀だなんだと言われて、天狗になっていたのかもしれない。周りの大人達は皆、聖女を利用しろとばかり言うし、姉上には聖女を軽んじるなと何度も叱られて……やっとその意味や思惑が理解できた」
「リアム……」
「あー、お取り込み中のところ申し訳ないんだが……ラウルくん、カミーユと一緒にアルマンに治癒魔法お願いできるかい?」
「あっ……はい!」

 クロヴィス殿下がごほんと咳払いをすると、俺からリアムを引き剥がしながら申し訳なさそうにそう言った。俺は慌ててアルマン殿下の元に向かい、カミーユさんの向かい側に膝をついて同じように手を翳し、治癒魔法を発動させる。

 アルマン殿下の怪我の具合は見た目には大したことがないように見えるが、どうやら足を滑らせた際に激しくぶつけていたようで、骨折や打撲、そして内臓の損傷がいくつもあった。後頭部にも血が付着していることから、頭もそれなりに強く打っているようだ。

 カミーユさんが頭を、俺が骨折、内臓、打撲の順に治していく。アルマン殿下の上服は肌けた状態になっているため、直接手を翳して魔法を発動させると、途端に身体全体が淡い光に包まれていった。

「あとはポーションでなんとかなりそうですね」
「そうですね……」
「ふふっ……少し、疲れました、ね」
「はい……そう、ですね……」

 後は見える傷だけとなった頃、俺とカミーユさんは顔を見合わせて力なく笑い合った。とてつもない疲労感と倦怠感が全身を襲う。それは彼も同じだったようで、声に覇気がない。
 ぐらりと視界が揺れ、身体が傾ぐ。咄嗟に誰かに抱き止められたようだが、重い瞼はもう開きそうにない。額には脂汗が滲み、息が上がる。それは魔力が枯渇しそうになっている事を表していた。

「……っ、ラウル?!どうした?!ラウル!!」
「カミーユ?おい、カミーユ!しっかりしろ!!」

 リアムが俺を呼ぶ声と、誰かがカミーユさんを呼ぶ声が聞こえてくる。ただ魔力を使い過ぎただけだから、すぐ回復するからと言いたいのに口が動かない。
 そのうち段々と音が聞こえなくなっていき、やがてぷつりと切れた。




 目が覚めると、そこは見慣れた天井だった。

 どうやら俺はまだ生きているらしく、俺の中の魔力は最大値こそ減ってはいるが、今回復できる分は全て回復しているようだった。あれだけ使って最大値が五分の一減るか減らないかくらいなので上々だろう。元々の魔力量が平均よりも多いのが幸いしたのか、今すぐにどうこうなるわけではないらしい。

 大聖堂に戻ってきた記憶が一切ない。
 身体を起こそうにも全く力が入らないので、おとなしくベッドに沈んでいるしかなく、俺はぼんやりとしながら視線だけで辺りを見渡した。
 
 ここは紛れもなく大聖堂内で与えられた俺の部屋だ。私物はほとんどないが、匂いというか空気というか、それでなんとなくわかる。
 俺はこの部屋があまり好きではない。問答無用で抱かれるのもここが多いし、初めて襲われたのも此処だったからあまりいい思い出がないのだ。

 そんな風にぼんやりと考えていると、カチャという音と共に扉が開く音がした。誰かが入ってきたようで、二人分の足音と話し声が聞こえてくる。この声は、クロヴィス殿下とリアムだろうか。

「お前が一日もかからずに全て読み終えるとは思わなかったよ」
「兄様こそ、口頭で返事をもらえるかと思ったら、急に紙の塊を投げつけてくるので何事かと思いましたよ」

 クロヴィス殿下は苦笑しているようだが、リアムは少しばかり怒気を含んでいるようだ。二人は小声で話をしながら、俺が横たわるベッドの横の椅子に腰を下ろした。

「あ、起きたんだね。よかった」
「ラウル、どこか痛いところや気持ちの悪いところはないか?」

 大丈夫だと言いたいところだが、喉がカラカラに乾いていて隙間風のような音が喉から漏れるだけだった。それに気付いたクロヴィス殿下が背中に腕を差し込んでゆっくりと身体を起こしてくれ、水の入ったガラスの吸飲みの吸水部分を口に宛てがってくれた。

 少しばかり唇から差し入れ、ガラスが傾けられると、口内に水分が入り込んできた。まるで乾ききった砂漠に水が与えられるように、少しずつ染み渡っていく。ゆっくりと丁寧にされたお陰で咽せることもなく、無事喉が潤った。そして再びベッドに寝転がった。

「……いつ、ここに?カミーユ、さんは?」
「10日前の夕方にここに戻ってきたんだ。カミーユも先程目が覚めたようでね、今はアルマンが付きっきりで面倒を見ているよ」
「よかった……」

 カミーユさんもアルマン殿下も無事と聞いてホッと胸を撫で下ろすと、クロヴィス殿下は優しげな微笑みを浮かべて俺の頭を撫でた。

「この度は力を貸してくれて本当に感謝している。君がいたお陰でみんな助かったよ。あと……あの五人は強制退団の上で辺境の地に送ることになったから、もう会うこともないだろう。未遂とはいえ強姦しようとしたのだから、あそこはきっちり切り落として置いたよ」

 最後の言葉はそっと耳元で囁かれるように紡がれた。クロヴィス殿下を見ればあの時のことを思い出したのか、笑顔が少し黒い。切り落とした、と聞いて股間がひゅっとなった。

 そうか、あの五人はもういないのか。
 安堵と共に、その対応の速さに驚いてしまった。

「あと、これはさっき決まったことなんだけどね、カミーユとアルマンが今年中に結婚することが決まったよ。これも君のお陰だ。本当に感謝している、ありがとう」

 今まで結婚しなかったことにも様々な理由があったらしいが、今回のこの探索が二人にとって大きな転換期となったようだ。少しの間関わっただけだけれど、この先の二人に幸多からんことを心の中で祈る。仮にも聖女なのだから、願いくらいは聞き届けて欲しいものだ。

 状況報告が終わったのか、クロヴィス殿下は椅子から立ち上がってリアムの背中をバンッと叩いた。その表情はとても慈愛に溢れていて、地下迷宮内で聞いた自嘲の言葉とは真逆のものだった。

「では私はこれで失礼するよ。リアムが君に話したいことがあるようでね、良かったら聞いてやってくれ」

 そう言い残し、クロヴィス殿下は部屋を出ていった。
 後に残された俺たち二人の間には沈黙が流れる。時計の針が淡々と時を刻む音だけが聞こえてくる室内に、少し居た堪れなくなる。沈黙に耐え切れずに口を開こうとした時、リアムが椅子から勢いよく立ち上がった。

 
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