BL短編まとめ(甘い話多め)

白井由貴

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4.そんなにスマホがいいのかよ!※【全1話+おまけ】

1話※

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「なあ」
「……ん」

 ソファーに寝転んでスマホばかり見ている恋人は、俺の呼ぶ声にも気のない返事を返すだけでこっちを見ようともしない。これはいつもの光景。

「なあってば!」
「……ああ」
「こっちみろって!」
「……はあ」

 何度呼んでも空返事ばかり。あまり呼び掛けると鬱陶しそうに顔を顰めて自分の部屋へと篭ってしまう。スマホから顔を上げもしない。これも、いつもの光景。

 付き合い始めて今日で三年、初めの頃は週五日以上していたセックスも、もうひと月ほどしていない。俺だって男だ。性欲が強い方ではないとはいえ、それでもこれは流石にキツい。こんな状態でも一応恋人なのだからほいほいと他で処理することも出来ない。
 会話らしい会話をしたのはいつだったっけ。最近こんなことばかりだから、もう大分昔のように感じる。

 目の前の扉はぱたんと虚しい音を立てて閉まる。今日はもうここから出てこないことは決定した。多分部屋の中に常備している携帯食で済ませるだろうから、出てくるのはトイレと風呂くらいか。

 同棲を始めて二年、こんな風になるなんて誰が想像出来るんだよ、ほんと。

「……はー……やってらんね」

 肺に溜まっていた空気を全て出すかの如く深く息を吐き出し、固く閉じられた扉に背を向ける。リビングを挟んで反対側にある自室の扉の取手に手を掛け、一度だけ恋人がいる部屋の扉を見てからすごすごと自室に入った。

 これでも付き合ってすぐの頃は周りが引くくらい仲が良かったんだ。変わったのは同棲を始めて一年が経った頃、気付けばあいつは人が変わったようにスマホに夢中になっていた。何があったかなんて知らない。もしかしたら浮気かもしれないし、そうじゃないかもしれない。男の俺には興味がなくなったのかもしれないし、他に気になる人ができたのかもしれない。
 
 はっきり言って、今の状況は地獄だ。
 外で働くあいつとは違い、基本在宅勤務の俺はこの家から出ることは少ない。知り合いの多いあいつとは違って、俺は知り合いも多い方ではないし友達も少ない。数少ない友人も今ではみんな仕事が忙しくて中々連絡を取り合うこともないし、況してや会うことなんて殆どない。学生の頃はよかったなあなんて考えていると、目頭が熱くなった。

「……しんどいなぁ」

 ぼふんとベッドに倒れ込む。何も考えたくない。
 今のあいつに「スマホと俺、どっちが大事なんだよ?」と聞けば迷わず「スマホ」と帰ってくる自信がある。自信というか、もう決まった未来というか。
 
 ……言ってて悲しくなってきた。もう俺に興味ないのならきっぱりと別れてくれればいいのに、それでスマホと恋人になればいいのに、あいつは別れるつもりはないとか言うんだ。なんだよそれ、もういいじゃん。恋人に愛してもらえないとか付き合ってる意味ある?それも男同士だぞ?子どもも作れない生産性のないお付き合いなんだから、この際きっぱり別れればいいのに。そうしたら俺だって次に進めるのに。
 ……今の嘘。本当はあいつのことがまだ好きなのにそのまま次に行けるわけなんてない。幼い頃からずっと一緒で、ずっとずっと好きだったんだ。今更他の人を好きになることなんて、多分ない。
 うん、やっぱり地獄じゃないか。

 何にもやる気がなくなった俺はベッドの上で仰向けになり、ぼんやりと天井を見上げた。瞬きをすると、目尻から温かな雫が流れていく。このまま眠ってしまいたい。でも眠って起きたらまた地獄なのか、それは嫌だななんて一人でぐるぐると考えていると、ジャージのポケットに入れていたスマホが小刻みに震え出した。

「……はい」
『あ、もに先生?編集の冴木さえきです。今大丈夫ですか?』
「……はい、大丈夫です」

 もに、というのは俺の仕事名である。本業はイラストレーター、たまに漫画を描いたりしてる。今はとあるエロ漫画の作画を担当していて、冴木さんはその担当編集者だ。
 その漫画には原作がある。原作小説を書いているのは俺の数少ない友人である男で、彼の強い要望により俺が作画担当になった。一応漫画を描いていたこともあるし、作画を担当したこともあったので割とすんなり決まったと聞いたが、本当のところは知らない。

『今度のお話なんですが……』

 冴木さんからの話は、その漫画の話だった。
 電話を耳に当てながらパソコンの前に移動する。次の話は、と送られたメールなどを見ながら話し、電話を切る頃には俺の気持ちとは裏腹にあらぬ所が元気になっていた。まあそうだろうなと思う。ここ二週間ほどはセックスなし、触れ合いもなし、一人でするのも何だか虚しく感じて自慰すらもしていなかったところに、エロい話だ。もうどうしようもなかった。

「……どうすんだよこれ」

 溜息が溢れる。仕方がないのでジャージとボクサーパンツを少し下ろし、カチカチに固くなった陰茎に手を添えた。リビングを挟んだ向かいの部屋には恋人がいるというのに、どうして俺は一人で自分のものを慰める愚行をせにゃならんのだ。自分の中でそう文句を言いながらも手は止まらない。先端から零れた先走りで滑りの良くなったそれを上下に扱いていく。

「はっ……ん……っ」

 久々に触ったためか、少し擦るだけでも気持ちが良くて身体が小刻みに揺れる。下唇を噛み締めて声を抑えながら、徐々に手の動きを早くしていく。

「ぅ……っ、んんッ!」

 今までで一番早かった気がする。イく直前に先端を手のひらで覆ったので周囲に飛び散ることはなかったが、垂れた精液がジャージやパンツに少量ついてしまっていた。肩で息をしながら、椅子の背もたれに全体重を預けるときしりと音が鳴った。

「……さいあく」

 何が悲しくて一人で――そこまで考えて、深く溜息を吐き出した。机の上に常備しているティッシュで適当に股間や手についた精液を拭い、ゴミ箱に放り投げる。それは綺麗な軌跡を描きながらゴミ箱の中へと消えていく。少しだけ、ほんの少しだけ気分が上がった。単純だなと自分でも思うが、それだけ気分が落ち込んでいたことの証明にもなる気がして乾いた笑いがこぼれる。

 パンツとジャージを履き直す。服を全て脱いで洗うついでに風呂に入ってしまおうと自室を出て、風呂場へと向かう。脱いだ服は精液がついてしまったため全て洗濯機へぶち込み、洗剤や柔軟剤を適量入れてスイッチを押した。
 風呂場に入り、水栓を捻って水を出す。お湯になるまでに少し時間がかかるのでその水を利用して手を洗った。

「……え、何、俺そんなに欲求不満だったの?」

 ふと見えた股間にそんな感想が出た。
 今出したのにまだ元気なの?と股間に向かって話しかける姿は、きっと側から見たらヤバい奴だ。誰かに見られているわけじゃないからいいんだけども。
 頭を洗っているうちにおさまるかもなんて思いながら、お湯に変わったシャワーを頭から浴びる。シャンプーをしてコンディショナーをして、顔を洗って。それから股間を再び見たが、やはりそいつは勃っている。いや寧ろさっきよりも大きい?……俺は、泣きたくなった。

「……絶対さっきの話が原因だよなぁ……なんだよ、二十四時間耐久セックスって……今の俺じゃ二十四時間どころか数分すら無理だわ」

 ……だってセックスしてくれねーし。
 はあ、とまた溜息が出る。今日だけで何回目だよ、溜息が出るたびに幸せが逃げるというなら、多分俺の幸せはもう残ってないと思う。

「……えっち……したいなぁ」

 いっぱいキスして、抱きあって、それで好きとか愛してるとか言うんだ。やだって言ってもだめって言っても離してくれない、そんな愛されたえっちがしたい。
 二十四時間じゃなくていい、愛してもらえるのなら時間はなんだっていいから、俺を見て、俺を愛して欲しい。俺も、愛するから。

 今の俺たちじゃそんなこと出来ないのは十も承知だけど、夢見るくらいはいいだろ?

「んっ……ふ……ぅ、んんっ」

 シャワーを止めて固くなった股間に手を添える。壁に手をついて、立ったまま片手でぐちゅぐちゅと音を立てながら上下に擦っていく。手が濡れているからか、とても滑りがよくて気持ちがいい。声が出ないように気をつけながら、一定のリズムで手を動かしていく。時々先端を指先でぐちゅりと軽く潰すと溢れだす先走りを手のひらにつけ、また竿を扱いていくととても気持ちが良かった。

「く……ふ、んっ……いっ……ッ!?」

 俺の陰茎が一際大きく固くなった、その時だった。

「……なにしてんの」

 突然開け放たれた風呂場のドアから、低い声が聞こえて来た。俺はと言えば、驚きのあまり今にもイキそうだった陰茎の根本をきゅっと強く握りしめてしまい、それが射精を止めていた。心臓がばくばくとしている。

「えっ?な、え?」

 頭が追いつかない。なんで今ここにこいつがいるのかがわからない。いつもならこの時間は絶対に風呂には入らないはずなのに、なんでここにいるんだ?

 そんな俺の混乱を知ってか知らずか、目の前で不機嫌丸出しといった様相で立っている恋人はこれ見よがしに溜息を吐き出した。

「……それ」
「えっ……?あ……えっと、その……」
「なんで自分でしてんの」
「は……?え、だって……え?」

 こいつは何を言ってるんだろう、と思った。
 お前がしてくれないから一人でしてるんですけど見て分かりませんか?と言ってやりたい所なんだが、目の前の恋人の目が俺を射殺さんばかりの鋭い眼光を放っていたので、俺はきゅっと口を噤んだ。怖い、何この目、いやそもそもなんでそんな怒ってるのかわからなくて怖い。

「……玲央れお?」

 恐る恐る名前を呼ぶと、目の前の恋人――玲央はまた溜息をついた。呆れ、怒り、なんか色んな感情が混ざったそれに、俺の身体がぶるりと震える。

有馬ゆうま

 玲央が俺を呼ぶ。開け放たれた扉から足が踏み出され、お湯で濡れた床がぴちゃと音を立てる。俺の目の前に立つ彼の顔を呆然と見上げていると、不意に玲央が股間を掴んでいる俺の腕を掴んだ。

「えっ……な、んッ?!」

 突然何の前触れもなく唇が塞がれた。咄嗟に掴まれていない方の手で玲央のしっかりとした胸板を押すがびくともしない。それどころかその手を掴まれ、風呂場の壁に押し付けられた。背中に風呂場の冷たい壁が当たり、身体がびくんと跳ねる。

 くちゅ、ぴちゃと卑猥な水音が反響する。舌を絡め取られ、唇や歯列をなぞられ、そして吸い上げられる。ひと月ぶりのキスだと言うのに雰囲気も情緒もへったくれもなく、ただただ荒々しいだけ。それなのに貪るようなキスに、俺の身体は反応を示していた。

「んあっ……ん、れ……んむっ」

 萎えかけていた股間に再び熱が集まるのを感じる。ぐぐ、と持ち上がっていき、先端が下腹部につくほどに大きくなっていった。上顎を舐められたり舌を吸われるのが気持ち良くて、足がぷるぷると震え出す。だめだ、このままだとこれだけでイってしまうかもしれない。やめてと顔を背けようとするが深く合わさった唇は離れない。

「ふ、やっ……んんっ、ん……む、んンンッ!」

 足をガクガクと震わせながら、先端から精液が勢いよく飛び出した。いつのまにか足の間に入れられていた玲央の膝と両手首を掴まれていたお陰で座り込んでしまうことはなかったが、それでももう足が震えて一人で立つことができない。

 俺の荒い息遣いだけが狭い風呂場の中で反響している。玲央はイったばかりで体をピクピクと震わせながらぼんやりとする俺を静かに見下ろしていた。

「は、あ……ふ……はぁ、っ」

 玲央は一言も話さない。俺の顔をじっと見ながら眉間に皺を寄せている。そしておもむろに俺の手首から手を離して俺を抱き抱えるように支えた後、俺の身体を反転させた。俺は訳もわからぬままに風呂場の壁に手をつかされ、その状態のまま腰を掴まれる。

 背後でかちゃかちゃという音と共に衣擦れの音が聞こえる。なにを、と顔を背中側に向けたその時だった。

「……ひ、っ!」

 背後から前に手を回した玲央が俺のものを掴んだ。イったばかりで敏感なそこをぐちゅんぐちゅんと乱暴に上下に扱かれて引き攣った悲鳴のような声が出る。また足がガクガクと震え出し、上手く力が入らない。崩折れそうになる身体を支えたのは、お腹に回された玲央の左腕だった。
 がっしりと掴まれているため、俺の背中と玲央の腹部がぴったりと密着する。俺の濡れた肌のせいで玲央の上服がしっとりと水分を含み、背中に張り付く。密着しているせいでお尻の割れ目に当てられた固い感触に気がついてしまった。

 え、なに、どういうことだよと混乱する頭。尻の穴にぬるりとした固いものが押し当てられている。これはもしかして、と思う間もなく陰茎をぐちゅぐちゅと扱かれ、俺はまたイった。それと同時に後孔に強く押し当てられるそれ。
 ひと月あまり何も受け入れていないそこは固く窄まり、完全に受け入れを拒否していた。――いや嘘だ。数回自分で弄ってはみたんだ。でももどかしいだけでイくところまでいけなくて、それでやめた。

 固く閉ざされたそこに玲央は無理矢理自分のものを入れようとしてくる。痛い、痛い痛い、うっかり悲鳴をあげないように下唇を噛み締めるが、呻き声だけはどうしても抑えることができない。ぷつ、と音がして、風呂場の床に赤いものが落ちる。どうやら噛み締めすぎたようだ。

「いっ……ぐ、う……ッ」
「……っ」

 ぬるりとした先端を浅く抽挿する動きに、無理だってと後ろを見る。何に対して怒ってるのか知らないけど、慣らしてないんだから入るわけがないんだって、と言おうとしたのに、そこにあった玲央の表情に何も言えなくなってしまった。

 酷く苦しそうな、泣きそうな、痛みを堪えるようなそんな表情。どうしてお前がそんな顔するんだよと、なんで俺よりもそんなに辛そうなんだよとモヤモヤする。意味がわからない。俺に飽きたんじゃなかったのかよ?俺よりもスマホの方がいいんじゃなかったのかよ?なんだよその顔、本当に意味がわからないんだけど。

 何度も何度も浅く出し入れしていたせいで少しだけ解れたらしいそこが、玲央の太くて固いものを受け入れていく。相変わらず痛いし苦しいのに、どうしてか幸せも感じている。無理矢理しているのに、俺を傷つけないようにかゆっくりと時間をかけながら押し進めていく玲央。なんなのこいつ、と思いながらも俺は圧迫感と痛みに耐え続ける。

「うっ……ぐ、ぅ……ひぅッ!」
「……ここか」

 ゆっくりと進んでいく玲央の先端が前立腺を掠めた。びりびりと背筋に電流が走ったように、弓形にびくびくと震える。痛みに萎えていた俺の陰茎が少し熱を持ったのがわかった。
 痛いはずなのに気持ちがいい、頭が痺れるようなそんな感覚が襲ってくる。駄目だ、このままだとまたイってしまうのに、腰が揺れる。突然身体が愛される気持ちよさを思い出したように、快感の波が襲って来た。やだ、だめと口をついて出る言葉たち。背後で玲央が息を呑むのが聞こえた。

「いぁっ、ん、だめ、ッ」
「……っ」
「あ、そこっ……や、イく、っ……」
「イって」
「あっ、ん、ああぁッ!」

 ずりゅ、と前立腺を深く抉られる。精液は出なかった。まあそりゃそうだよな、これ何回目だよと真っ白になる頭の片隅でそんなことを思った。
 力をなくして崩折れそうになった俺の身体を、玲央は自分の全身を使って壁に押し当てて固定した。まだ中に入ったままの陰茎を再びゆっくりと挿入していきながら、俺の耳をかぷりと喰む。熱いねっとりとした舌が耳をなぞる。熱くて荒い息遣いが耳に入り、ぞくりとした。

「んっ……ふ、ぁ」
「……有馬」

 以前は聴き慣れていたはずの低い声が俺を呼ぶ。耳の縁を甘噛みしたり舐めたりする音が脳に直接届くように響き、全身がぶるりと震えた。俺の中に半分ほど治っている玲央のものがずちゅりと音を立ててゆっくりと内壁を押し広げて行きながら奥へ奥へと突き進んでいく。
 相変わらず入り口はヒリヒリと痛むし、無理矢理押し広げて進んでいくせいで強く擦れた内壁もなんだか変な感じだ。けれどさっきよりも嫌だと思わないのは、やっぱり俺が玲央のことを好きなままだからなんだろうか。理由がわからないままに俺の同意もなしに突っ込まれているレイプ紛いの状況であっても、どこか幸せを感じてしまうのはそういうことなんだろう。

 ずぷずぷと本当にゆっくりと時間をかけて奥へと押し込まれていくものを感じながら、俺は涙を流していた。それになんの意味があるのかはわからない。久々に触れてくれたことへの嬉しさ?それとも愛する人との行為への喜び?わからない、わからないけど涙は止まらなかった。

 どのくらいの時間が経ったのかはわからないが、濡れた身体が冷えてきた頃、漸く俺の中に玲央の全てがおさまった。久々に奥も奥、最奥に迎え入れたせいか、身体は悦びをあらわすようにぴくぴくと小刻みに震えている。耳元では玲央の興奮したような荒い呼吸が聞こえ、俺はん、と声をもらした。

「はぁ……っ、有馬」
「んっ……れ、お……?」

 俺が呼ぶと、俺の中の彼がぴくりと反応した。

「……どうして一人で処理してたんだ」
「へ……?んあっ、れお、っ」
「俺は、ずっと我慢してたっていうのに、お前は」
「ん、あっ……え、なに、ふぁ、っ……とま、あぁっ、とまれっ、て、ッ!」

 話をする気があるなら腰を動かすなと訴えると、ぐっぐっと押し込めるように動いていた腰が動きを止めた。やばい、今すごく気持ちがいい。
 濡れた服が素肌に擦れる感触も耳に当たる吐息も肌に触れる温かさも、全部全部気持ちがいい。甘い痺れが全身に走り、俺の股間はまた張り詰めるように上を向いて聳り立っていた。

「もう一度聞く、どうして一人でしていたんだ?」

 そんなのは決まってる。
 玲央が俺に興味をなくしたのがわかったからだ。

 返事も話もセックスもしない、そんな奴と何かをできるわけでもないし、ましてや性欲が溜まったから処理をして欲しいなんて言えるわけがない。外でするわけにもいかないから一人でしていたと、喘ぎに阻まれながら途切れ途切れになりながらも答えると、背後から長い長いため息が聞こえてきた。吐息が肩や耳に触れて、ひっと上擦った声が出る。

「……それは言ってくれ。他に好きな奴でも出来たのかと思った」
「ふ、……それは、れおの、っ、方だろ……?」
「…………は?」

 たっぷりと時間をかけて返されたのは、なんとも気の抜けた声だった。

「ん、はぁ……っ、れおが、おれを見ない、から……っ、スマホばっかり、見るから……!」

 息を詰めたまま玲央は動かない。
 対して俺の口は止まらない。さっきとは違う意味でこぼれ出した涙も、ぽろぽろと壊れたみたいに止まらなくなった。

「……だって」

 玲央が呆然とした声音で口を開いた。

「お前が……自重しろって、言ったから」
「………………は?」

 さっきの玲央よりももっと時間をかけたのに、口から出たのはそれだけだった。
 頭に大量の疑問符が浮かんでいる。あまりの訳のわからなさに次の言葉が出てこない。

 うん?……ん?どういうことだ?
 無意識に寄っていく眉間に気がついたのか、玲央は後ろから抱き締めるように、俺の腹に腕を回して背中を今以上にぴったりと合わせると、ひと月前、と言葉をこぼした。

「っ、ぁ……ん、ひと月、まえ?」

 より密着したことで、結合部分がさらに深くなる。甘い痺れが背筋を走り思わず上擦った声を上げると、玲央の腕にさらに力が込められた。

「……俺がお前を抱き潰した日、覚えてるか?」

 俺が玲央に抱き潰された日――ああ、思い出した。
 俺が久々に仕事の関係で飲みに行った日だ。酔って帰ってきたら玲央が何か言って、なんでそんなに怒るんだろうって、行ってもいいって言ったのはお前なのにとか色々思ったり言ったりしてたら……抱かれたんだ。
 激しくて、苦しくて痛くて、途中からの記憶がなくなるくらい、ずっと抱かれたんだっけ。気がついた時には二日経ってて、二日もヤってたのかって驚いたことと、全身が痛くて怠くて動けなかった記憶しかないんだけど。

「あの時、ヤってる最中にもヤった後にもお前言ってただろ?何でもかんでも不安になるな、ちょっとは俺から離れろ、少しの間行為も自重しろって。だからお前の話もあまり聞けなかったし、そもそもお前を見れなかった。話を聞けば詮索したくもなるし、見れば独占したくなるし、触れたらヤりたくなる」
「……」

 俺は今どんな顔をすればいいんだろうか。
 言った覚えがない事に困惑すればいいのか、その覚えのない俺の言葉が原因だったことに青くすればいいのか、それともその後の無意識の愛の告白みたいな言葉に赤くすればいいのか、もうわからない。
 感情?……ぐっちゃぐちゃだよ。

「……じゃ、じゃあ……ずっとスマホ見てたのは?」
「あれは……お前の写真、ずっと見てた。昔の写真も最近の写真も、実物を見られないのならせめてって思って」
「……部屋に、篭ってたのは?」
「それは……有馬の声聞いたり、ちょっとでも顔見たら……我慢できなくなりそうだった。だから部屋にこもって……その、お前の写真見ながら、してた」

 あー……。

 俺は静かに天を仰いだ。

「……さっき、有馬が風呂に行ったのがわかったから、いつもみたいにお前の服を取りに行ったら声が聞こえて、気付いたらこうしてた」

 ……うん、もうお前喋るな。
 というか、最近服が少なくなってんなと思ったらお前だったのかよ。あれだろ、たまに服を入れ替えたりしてたのもお前だろ。なくしたと思った服が洗濯機に入ってたりとか、不思議だと思ってたんだよな。……そうか。

「多分、お前の右手にさえ嫉妬してたんだろうな。一人で抜いてるのを見て、頭に血が上った」
「……そうか」

 もう俺はその一言しか口に出せなかった。
 さっきまで「そんなにスマホがいいのかよ!」とか思ってたのに、見てたのが全部俺だったなんて知ったらなんで言えばいいんだよ。実物を見ろとか本人ここにいんだろとか、そう言えばいいのか?……もうわかんねえよ。

 俺は脱力したように、深く長い溜息を吐いた。肺の中が空っぽになるくらい、大きい溜息だった。

 玲央の言葉を全て信じるのならば、どうやら俺は飽きられていなかったらしい。それどころか知らないところでものすごい執着心を抱えられ、愛されていたらしい。

 ……わかるか。

「別れようって言われた時、どうやってお前を引き留められるかを考えて、もう拘束して監禁するしかないって思った。その時は準備が整ってなかったから諦めたが、次に言ったらそうするつもりだった」

 過去の俺、よくやった!言わなくて良かった!!

 物騒なことを淡々と告げていく玲央に、俺は違う意味でぞくりとした身体を小さく震わせる。それを感じ取ったのか、玲央は腹に回していた手の片方を腹から胸へと滑らせ、指先で首筋に触れた。つう、と首を撫でられ、思わず首をのけ反らせながら顔を横に背けるとそこには眉尻を下げた玲央の顔があった。

 れお、と唇を動かすと同時に唇が重なる。さっきのような荒々しい口付けではなく、深いけれども優しい口付けに、胸がほわりと温かくなった。

 首筋に触れていた手が、今度は胸へと滑っていく。指先が乳首に触れると、彼は突起ごと周りの胸をやわやわと触り出した。既にぴんと勃っている乳首をに爪先を引っ掛けたり摘んだりされる度に、身体が快感に震える。

「んんッ、ん、ふぁ、っ」
「……っ、……は」

 唇が離れていく。
 唾液が糸を引き、ぷつりと切れて落ちていった。

 その様子を視界の端でぼんやりと眺めていると、中で玲央のものが大きくなったのがわかり小さく喘ぐ。すると胸を触っていた手が俺の腰に移動し、結合部がぐちゅりと音を立てた。

 切羽詰まったような息遣いが耳に触れ、ん、と声をもらした時、玲央が耳元で囁くように言った。

「……動くぞ」
「ま、やっ、ああぁッ!」
「もう、待てない。大丈夫、気持ちよくするから」
「くあ、っ、や、んああっ、イ、くッ、――――!」

 ズチュンッと激しい水音と共に腰を思い切り打ちつけられ、俺の身体はいっそう激しく揺れた。先端が前立腺を掠めるくらいまで引き抜かれ、その後一気に最奥まで突き上げられる。口から溢れるのは唾液と悲鳴のような喘ぎだけ。深く激しい挿入に、俺は呆気なく精を放った。

 くったりとする俺を片腕で抱えながら、玲央はさらに腰を打ちつけてくる。イったばかりで締め付けのきついはずの俺の中を、激しく出入りする玲央のもの。昂ったままのそれはその質量を増しながら俺の内部をこれでもかというほど擦り上げていく。

「あ、やああっ、も、ああッ」
「好きだ、有馬、もう離さないから」
「あ゛あぁッ、や、あ、っ!」
「やっぱり本物が、っ、一番だな」

 耳元で囁かれ、休憩もなく激しく打ちつけられる腰に、脳が溶けそうだった。全身を快感が襲う。脳が焼き切れるくらいの快感に、身体は痙攣しっぱなしだ。
 そうだった、久しぶりすぎて忘れてた、こいつ絶倫だったわ。絶倫だし一回が長いし、そう、射精も、そう思い出した時、俺の中で一際大きくなったそれが弾けた。

 長い長い射精、種付けするように奥へと突かれる腰。俺は多分何も出さずにイった。玲央とは違って俺は絶倫じゃないし、精液の量も体力も普通だ。

「あっ、ん……ッ」
「可愛い、有馬かわいい、好き」
「ひゃ、ああぁッ?!も、やら、あ゛ぁッ」
「大好き、愛してる」

 壊れたロボットのように愛の言葉を囁きながら、また俺の中を掻き乱し始めた玲央に、俺は声を上げた。もう無理だと言葉にしたいのに、口を開いて出てくるのは少し掠れた上擦った声のみ。イキ過ぎて呂律も回らない、頭もくらくらとしているのに、遠慮のない快感は全身を包み込むように次々と襲いくる。

「有馬は、俺のこと好き?」
「ん、ああぁッ!も、しんじゃ、あ゛あぁッ!」
「ねえ、好き?愛してる?」
「しゅ、きぃッ!いあぁッ、もぅ、ゆるし、んんッ!」
「うん、俺も好き。ずっと一緒にいようね?」

 お前そんな甘い奴だったっけと思いながら、風呂場の壁と湯船の縁に手をつけてお尻を突き出しながら、俺は激しい突き上げに声を上げ続ける。反響する自分の声と後孔から聞こえるぐちゅぐちゅという卑猥な水音に耳を犯されながら、俺自身もまた頭を擡げ始めていた。

 パンッ、パンッと激しく肌がぶつかり合う音が響く。徐々に速さを増していくそれと同じように、俺のものも玲央のものも質量を増していく。
 ズチュンッと一際深く突かれ、俺は全身を激しく揺らしながら達した。反り勃った俺のものからはとろりとした精液ではなくおしっこのようなさらりとした液体が吹き出した。その一瞬後、奥に広がる大量の熱。ぐっちょ、と水音を立てながら掻き回され、内壁に熱を塗り込められる感覚を最後に、俺は目を閉じた。



 身体が揺れる感覚に、重い瞼を持ち上げる。
 口を開くが声は出ない。頭が重い、というよりも全身が鉛のように重かった。

「大丈夫か?」

 視界に入ったのは恋人の顔。久々に真正面から顔を見た気がするな、なんて思いながら頬を緩めると、目の前の玲央の目が僅かに見開かれた。
 これ夢なのかな、でも身体が痛いしこれは現実なのかなんてふわふわとした頭で考えるが、襲いくる強い眠気に思考が散漫になる。

「もう少し寝ていろ」
「……ん」

 へにゃりと笑って目を閉じると、唇にあたたかくて柔らかいものが触れた。これが夢なら、本当に幸せな夢だなぁなんて思いながら俺は夢の世界へと旅立った。




 意識が浮上する。今何時、と手を伸ばそうとしたら全身が引き攣った痛みを訴えた。え、なに、と驚きながらぱちぱちと瞬きを繰り返していると、がちゃりと音がして部屋に誰かが入ってきた。
 同棲しているんだから誰かっていうのはその相手しかいないんだけど、その相手は俺の部屋に入ることがほとんどなかったから珍しいななんて思いながら入り口に視線を向ける。

「身体は大丈夫か?」

 開口一番にそう聞かれ、俺は首を傾げた。

「熱はないから風邪は引いてないと思う」

 寒気は?喉は?食欲は?と矢継ぎ早に聞かれるそれらに、頭が混乱しつつも一つ一つ頷いていく。こんなに甲斐甲斐しく世話をする奴だったっけ、と目の前の光景に違和感を感じながらも久々にまともに聞いた声だったからか、少しばかり嬉しくなった。

 自力で起きあがろうとして失敗した身体を、そっと優しく支えてくれるしっかりとした腕。久々に感じる温もりに目頭が熱くなる。
 差し出された蓋の開いた水の入ったペットボトルを口につけ、こくこくと少量ずつ飲んでいく。ようやくほっと息をつけたような気がした。

「有馬、俺はお前が好きだ」
「……え?」

 唐突な告白に気の抜けた声が出た。

「どうにもならないくらい愛してる。お前がいないと俺は……」
「えっと……ちょっと待って」
「待たない」

 そう言った玲央が顔を近づけ、唇が重なった。
 舌を絡めるような濃厚なものではなくて、合わせるだけのキス。すぐに離れていったそれに、俺の心臓はどくどくとうるさく鳴り響く。

「俺から離れないでくれ。お前がいないと俺は生きている意味がないと思うほど、お前が好きで大事なんだ。だからずっとそばにいてくれ」
「え、っと……急に、どうした?」
「……まさか、また覚えてないのか?」
「覚えてない……?……あ」

 俺は思い出した。
 意識を失う前のことを全て、思い出してしまった。

 顔が熱い。不可抗力とはいえ風呂場で何度もヤって散々イカされたこともそうだけど、最中に言われたことを思い出して急に恥ずかしくなった。

「思い出したか?」
「……ああ、うん」
「有馬は、これからどうしたい?」
「……別れたいとか言ったらお前、俺のこと拘束して監禁するんだろ?」
「ああ」

 真面目な顔で頷くなよ。
 こんなの脅しだろ、脅迫だろ、そう思うのに俺の胸はどうしてか高鳴っている。俺も大概おかしいのかもしれない。

「で、どうしたい?」
「……俺のこと好き?」
「ああ、好きだ」
「……スマホよりも?」
「スマホ……?」

 俺の言葉に、玲央がきょとんとする。
 しかしすぐに気がついたらしい彼は、苦笑を浮かべながら俺の頭にそっと手を置いた。
 
「ああ、スマホの中身もお前の写真や動画だけだからな、本物のお前には敵わない」
「……なにそれ」

 信じられないなら見せようか?と言われてこくりと頷いたが、すぐにそれを後悔した。

 本当にスマホの中身は俺と一緒にプレイしていたゲームと、俺との写真や動画しかなかったんだ。もし隠していたとしてももういい。いや、なんとなく本当に俺とのものしかないんだろうなってわかってしまったから、もういいと思った。

 俺、愛されてたんだなぁ、とぽそりと呟くと、今気がついたのかと真顔で返されてもう俺はどうしたらいいのかわからなくなった。

「お前以外を好きになったことはないし、これからもお前以外を好きになるつもりはない」
「……うん」
「もし有馬が、おれを嫌がっても離してやれない」
「……そっか」

 側から聞いていればきっとそれは恐怖を覚えるような言葉なのかもしれない。けれど俺はそれを嬉しいと思ってしまった。

 俺も玲央のことが好きだ。玲央だけが好きで、玲央以外を好きになることなんて多分ないと思う。だからこそ嬉しい。玲央が俺を愛してくれているってわかっただけでもこんなにも嬉しい。

「好きだ、愛してる」
「俺も、好き」

 唇が重なり、俺の身体はベッドへと沈む。
 起き抜けの身体に優しく触れる玲央の熱を感じながら、俺はそっと彼の背中に手を回した。


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蔵屋
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漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

カテーテルの使い方

真城詩
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短編読みきりです。

BL短編まとめ(現) ①

よしゆき
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BL短編まとめ。 冒頭にあらすじがあります。

BL短編まとめ(現) ③

よしゆき
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BL小説短編まとめ。 色んな傾向の話がごちゃ混ぜです。 冒頭にあらすじがあります。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
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 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
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ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

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