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その光景 2
しおりを挟む「おい!まだ注射を打ってない奴等は、ここに一列に並べ!早くしろ!」
と、スミスは恐ろしい声を上げた。
子供たちはあまりの恐怖に怯えて震えるだけだった。震えながら固まっていると、スミスは額に筋を立てた。
「いいだろう。
お前らが言うことを聞かないから、コイツに罰を受けてもらうとしよう。
いいか?お前らが言うことを聞かないから、コイツが罰を受けるんだ」
スミスはそう言うなり、腕を掴んでいた男の子の腹を足で思いっきり蹴り上げた。悲痛な声を上げながら男の子が口から嘔吐すると、マークとニックはゲラゲラと笑い出したのだった。
「どうだ?分かったか?もう一回、言うぞ。まだ注射を打ってない奴は、ここに並べ!
なんだ…まだ、分からんか?
なら…次は…どこにするかな?」
スミスがギラついた目で男の子の体を見ると、子供たちはヒィッと声を上げた。大切な仲間が殴られないように震える足で一歩一歩進み、一列に並んだのだった。
「なーんだ。けっこう簡単に並びましたね。もっと…楽しめると思ったのに」
と、マークは残念そうな声を出した。
「あぁ。そうだな。
しかし、俺に手間をかけさせたんだ。その罰として、もう一発蹴りでもいれとくか」
スミスは残酷な笑みを浮かべると、男の子を乱暴に床に落とし蹴ろうとした。
その瞬間、銀髪の少年が走ってきて男の子に覆い被さった。
アンセルは、その少年に見覚えがあった。水晶玉で見たことのある魔法使いの1人だった。
「ルーク、もう大事なアノシゴトは終わったのか?今日は早かったな。
お前さぁ…イイトコロに戻ってきたな」
と、スミスは満面の笑みになった。
ルークの腕を乱暴に掴んで無理やり立たせると、ルークの頬を撫でてから首を締め始めた。
「は…い…終わりました…」
ルークが顔を歪ませながら言うと、スミスはルークの喉元から手を離した。
「苦しかったか?ごめんな…。
痛かったよな?なぁ…痛かっただろう」
スミスはルークの耳に触れながら優しい声で囁きかけた。
「は…い…。いたかった…です…」
「そうか…痛かったかぁ…。
お前は…本当に…可愛いなぁ」
スミスは興奮した声を出すと、ルークの美しい顔を見つめた。
冷たい息を美しい顔に吹きかけると、ルークの顔を撫でてから手をゆっくりと下ろしていき撫で回すように体を弄ったのだった。
ルークが怯え切った目を向けると、スミスはますます興奮していった。
「スミスさんのお気に入りが戻ってきましたね。これは楽しくなりそうだ。
やりだしたら…止まらなくなるから」
と、マークはクククッと笑い声を上げた。
「お前さぁ…俺に「痛い」なんて言っていいのか?お前たちのようなマガイモノは人間様には絶対服従。それなのにお前はまだ「痛い」なんて言えるのか?
なら、この体にちゃーんと教えてやらないといけないな。
気絶しても種を使って、強制的に起こしてやる。最後にはクスリをお前の中にぶち込んでやるからな。
痛いなんて言えなくなるように、何度も何度も叩き込んでやるよ」
と、スミスは恐ろしい形相で言った。
大人の男から受け続けた恐ろしい暴力で、心と体が支配されているルークはガタガタと震え上がった。
痛いと言っても殴られ、言わなくても殴られる…何処にも逃げ場はなかった。
「先日…みたいなこと…だけは…」
と、ルークは体を震わせながら言った。
「先日?その時は…何をやったかな?
まぁ、そんなことはどうでもいい。今日も一からやろうなぁ。
ちゃーんと分かってないから、体が震えるんだぞ。感謝がないからだよ。分かれば、震えはおさまる。
こうされるのは当然なんだから。お前たちが悪いんだから。
本当にお前は痛い目を見ないと分からない」
「そんなことは…分かっています。
すみません、スミス様」
「いや、お前は、何も、分かっていない。
分かってるなら「マガイモノとして生まれてきてしまってごめんなさい」ぐらい言ったらどうなんだ?
ちゃんと完成した形で生まれてこなかったお前たちが、俺たちをイラつかせる。
だから、こうなる。
俺たちの大切な時間を使って、わざわざ調整してやらないといけない。お前たちが、俺たちに、手間をかけさせる」
スミスは低い声で言うと、ジットリとした目をルークに向けるだ。
「なぁ、ルーク。
俺が言ったことをちゃーんと分かってるなら、ココにいる奴等にお前からも言い聞かせてやれ」
「僕たちは…本物の魔法使いではない、マガイモノです。ごめんなさい。ちゃんと生まれてこなくて、ごめんなさい。
僕たちが悪いから、こうして皆様が正しい方向に調整して下さっているんです。
僕たちは、そのお礼に、精一杯、皆様の為に頑張ります」
ルークは涙を浮かべながら言った。
「そうそう、その調子だ。お前は、可愛いなぁ。
お前たちはそうやって、これからも精一杯尽くすんだよ。
精一杯、身も心もボロボロになるまで、それで死のうがな。それがお前たちだ。マガイモノのあるべき姿だ。
精一杯、精一杯、精一杯、頑張らないとな。
それが、お前たちの存在理由だ。お前たちはモノなんだ。言われた通りに動くモノだ。
そうだよな?言ってみろ。ここにいる奴等に、お前の口からちゃーんと教えてやれ。
早くしろ!おい!聞いてんのか!」
スミスが怒声を上げると、女の子たちが泣き声を上げた。
「自分たちは…王様の所有物です。モノです。
この力は、今も、これからも、永遠に、捧げます。これからも精一杯…頑張ります…」
と、ルークは涙を流しながら言った。
スミスは満足そうな表情をしながら綺麗な銀髪に触れると、ルークの耳元に口を近づけて舐め回すような声を出した。
「じゃあ、ちゃーんと言えた可愛いお前へのご褒美として、お前の頼みを一つ聞いてやるよ」
と、スミスは言った。
ルークは目を閉じると、スミスの手を取って跪き、手の甲にキスをきた。何度も暴力によって、そうするように強制されてきたのだった。仲間を守る為に、男の望むことをするしかなかった。
「子供たちには…やめてあげて下さい。
自分が…自分が…その代わりになりますから…。子供たちには…お願いします。
自分が…子供たちの分まで精一杯頑張りますから…お願い…します」
と、ルークは言った。
スミスは笑みを浮かべると、ルークを引き摺りながら壁際のテーブルまで連れて行った。ルークをテーブルの上に座らせると、テーブルの上の箱の中から赤い瓶を取り出した。
「いい子だな。お前は、仲間思いで本当に可愛いなぁ。
でもな、お前は間違っている。聞き分けのないコイツらが悪いんだ。
だから殴られて当然だ。いわば躾けだ。言うことを聞かない子供には躾けが必要だ。
それなのにお前がそんな風に思っていたなんて、俺は悲しい。悲しくて…涙が出そうだ。
なぁ、ルーク。お前が俺の事を、そんな風に見てるなんてさぁ…」
スミスは赤い瓶の蓋を開けると、テーブルに座らせているルークの太腿の間にわけいった。
「やめてください…それだけは…」
「お前は俺をガッカリさせた。
だからこの赤いクスリを飲むところを、皆んなに見てもらおう。これは1番イイカンジにイケるクスリだ。
イイカンジに…頭も体もイケるからなぁ」
と、スミスは冷たい声で言った。赤い瓶を見たルークは、ますます真っ青な顔になっていった。
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