非日常 学園

ナポ

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「はるま君のお父さんにはお世話になってね、会うたびに君のことを話していたよ。」

「そうなんですか。」

でも俺は知ってる。お父さんの1番もお母さんの1番も、弟だってこと。

「それに、はるま君を治したいと思ったのも理由の1つだよ。」

こんな時、どんな表情と声で答えればいいのか分からない。

「ありがとうございます。」

「中学2年生で、忙しい時期かもしれないけど、はるま君が良ければ、僕の病院で手術させてほしい。部活はしばらくできなくなるけど、リハビリすれば動けるようになるし、普通の生活も出来るようになる。
もちろん、僕もサポートする。命の危険があるけど、最善を尽くす。だから、受けてくれないかな。」

命の危険があると言われたことは別に気にならなかった。
それよりも、部活は好きだし、やりがいを感じていて出来なくなることに少し迷った。

でも、この息苦しさと背中の違和感が無くなるなら、良いかもしれないな。

「よろしくお願いします。」
「任せて。」


暁さんの病院で検査を受けて、様々な準備が終わり、とうとう手術の日になった。
俺は病院の個室を用意してもらって、暁さんが用意した手術服に着替えた。

手術服に着替え終わった頃、暁さんがやってきた。

「怖くない?大丈夫?」
「はい、大丈夫です。今日はよろしくお願いします。」
「うん、任せて。さ、ここに横になって。」

寝台車に横になると、他の看護師さんが周りについた。
カラカラと音を立てながら、寝台車が進んでいく。
何だからアトラクションに乗っているようで少し楽しかった。

手術室につくと、施術台に載せられる。酸素マスクをつけ、少しずつ麻酔が流されると段々と瞼が落ちていった。

次に目を覚ましたときは周りに看護師さんと、目の前に暁さんがいた。
でも、すごい眠気に抗えず、勝手に瞼が落ちていった。

何か周りで話していたけど、何も聞き取るとことができなかった。

そして、2日ほど眠り続けていたらしく、起きたのは2日目の昼だった。

ぼーと天井を眺めていると、暁さんがやってきた。
「はるま君、よく頑張ったね。手術は成功だよ。」
「ありがとうございます。」

でも、めちゃくちゃ背中が痛い。そりゃ手術したんだから痛いんだろうけど、思った以上の痛さに顔をゆがめる。
それによく見ると、酸素を送るチューブが取り付けられ、腕にも点滴が刺されていた。

「しばらく痛みが続くから、この薬を朝昼晩飲んでね。」
「はい。あの、どれくらいで動けるようになりますか?」
「早くて1ヶ月だよ。それまで頑張って治していこうね。何かあったら、ナースコールを押して。毎回僕が来れるわけじゃないんだけど、来た人に症状を伝えてね。」
「わかりました。お忙しい中ありがとうございます。」
「何言ってるのこれぐらい当たり前だよ。はるま君は気にせずゆっくり休んで。それじゃまたね。」
「はい。ありがとうございました。」

それからは痛みとの戦いだった。
何度もナースコールを鳴らし、鎮痛剤と、睡眠薬を何度もお願いするぐらい酷い痛みに耐えられなかった。
そんな事がしばらく続いた、夜。
俺は痛みで寝付けずにいた。
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