【一話完結】一分で読めるショートショート集

惑星X

地球が発展し、宇宙人との交流が増えてきた頃、新たに発見された惑星Xが注目を集めた。地球の報道機関の一つである宇宙ニュースの記者、ジョン・スミスは、惑星Xの様子を報道するために上陸することとなった。

惑星Xに到着したジョンは、その光景に驚愕した。Xは草木が生えないほど荒廃していた。また、Xに住む宇宙人たちはみなやせ細っており、身なりはまるで乞食のようだった。彼らは地面に座り込み、疲れ果てた様子であった。ジョンは食料を彼らに渡してみた。すると、宇宙人たちはその食料を受け取り、初めてこんな美味しいものを食べたかのように喜びを表した。その様子をジョンはカメラに収め、地球で報道した。

報道が放送されると、地球から惑星Xへの支援物資が殺到した。食料、衣類、医薬品など、様々な物資がXに送られた。それから数十年もの間、地球はXに支援物資を送り続けたが、一向に状況は改善されなかった。ジョンはこれに疑問を抱き、真相を探ることにした。

ジョンは最新の隠しカメラを支援物資の中に紛れ込ませ、宇宙人たちがどのように物資を使っているのか確認することにした。カメラの映像を解析すると、驚くべき事実が明らかになった。Xの住民たちは支援物資を洞穴に持ち帰り、全て捨てていたのだ。

ジョンはさらに調査を進めた。Xに上陸して洞穴の奥へ進むと、そこには地球と比べても遥かに未来的な都市が広がっていた。高層ビルが立ち並び、空中を行き交う乗り物、エネルギー効率の高い発電設備、そして最先端のテクノロジーが溢れていた。Xの住民たちは、乞食のように見える姿を装っていただけであり、実際には非常に高度な文明を持っていたのだった。

ジョンのカメラは、Xの住民たちが会話する様子も捉えていた。彼らは地球から送られてくる物資について話していた。

「また地球からゴミばかり送られてきたな。あの古の技術なんて、使い物にならないよ。食べ物もまずいし、乞食のフリをするのも大変だ。」

ジョンはこれを聞いて驚愕した。惑星Xの住民たちは、地球を含む他の惑星から最先端の技術を騙し取るために、乞食ビジネスを行っていたのだった。

惑星Xの住民たちは今日も乞食のような格好で、次のターゲットを探し始めたのだった。