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〇月×日 満員電車で秘密の遊び
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パパ活をするようになってから、痴漢をされることが増えた。
因果関係は分からない。おじさんと寝ているとおじさんを引き寄せるフェロモンみたいなものがでるのかな。
それとも、僕自身が無意識に隙を作っているんだろうか。
いたずらをされたいという願望が、滲み出ているのかも。
*
制服を着て、満員電車に乗っていた。
ぎゅうぎゅうの車内で、ドア横の手すりに寄り掛かるようにして、少し俯きがちに立っていた。
周りはみんな音楽を聴いていたり、スマホを見ているばかりで、僕に注目している人なんて誰もいない。
僕は、じっと唇を噛んで耐えていた。
先ほどからずっと、僕の脚の中心をまさぐっている手のせいで、油断すると声が漏れてしまいそうだから。
最初、指の背でゆるく撫でるようにしていた手は、徐々に大胆になっていって、僕の膨らみを揉み込むようにしてはっきりと刺激を与えてくる。
手の主は分かっている。僕の前に立っている三十代後半のサラリーマン風の男。右手で持った鞄で僕の腰のあたりを隠すようにして、左手で僕を弄んでいる。顔は何食わぬ顔で窓の外を見ていた。傍から見れば、満員電車にうんざりしているどこにでもいるサラリーマンにしか見えない。
カーブに差し掛かって電車が音を立てて揺れた隙に、ついに男の手が僕のスラックスのチャックを下げた。中に忍び込んできた指が、下着の上から性器をつぅっとなぞり上げる。
ぶるっと身体が震えてうなじがゾクゾクした。
さりげなく身じろいでその手を逃れようとするが、鞄で押さえられて動けない。
爪の先でカリカリと引っかかれた刺激で、先端がじわっと濡れる。
手すりをぎゅっと握りしめて、ちらりと男の顔を見上げた。横目で素早く僕を見た男が、口元にうっすらと笑みを浮かべた。僕は再び顔を伏せ、周りから不自然に見えないように振る舞うことに神経を集中する。
じわじわと染みが広がっていく下着の上を這い回る指。
どうか、どうかバレませんようにと祈る。
*
「こんなにパンツ濡らして、恥ずかしいよヒナくん。ボクよりよっぽど興奮してんじゃん」
男が喋るたびに、耳のうしろに生温かい息がかかる。おしりには、スラックス越しに男の勃起が押し当てられていた。
駅構内の、あまり利用客がいないトイレの個室。
僕は身体を壁に押し付けられて、背後から下半身をまさぐられている。
「ほら、こんなにガチガチにして」
下着から取り出した僕のペニスを扱きながら、「ヒナくんも楽しんでくれて良かったよ。またしようね、痴漢プレイ」とねっとり囁く。
男は坂野さんといって、この日の僕のパパだった。
痴漢プレイをさせてくれる男の子を探していて僕と知り合ったのだ。
僕は今日、待ち合わせた別の駅のトイレで、坂野さんが用意していたどこかの高校の制服に着替えて、帰宅ラッシュの満員電車に乗った。そして、坂野さんと秘密のプレイを楽しんでいたのだ。
僕のペニスを忙しなく扱きながら、坂野さんが腰を動かして興奮をすりつけてくる。おしりの奥が疼いて、僕の腰も勝手に揺れる。
「たくさん人がいるところでこっそりおちんちんイタズラされて、感じちゃったんだ? ヒナくんが必死で声ガマンしてる顔見てたら、勃起しそうで大変だったよ。本当に痴漢される時もああなの? それ煽ってるよ」
坂野さんのもう一方の手がシャツの上を這い、ボタンを外して忍び込んでくる。インナーの上から乳首をコリコリと転がされて、声が漏れそうになった。
坂野さんが「シーッ」と囁く。
「駄目だよ。誰かに聞かれちゃうかも。このあとホテルでたっぷり可愛がってあげるから、それまで我慢我慢」
僕は両手で自分の口を押えて必死に声を殺した。坂野さんの手の動きが激しくなって、間もなくして僕は坂野さんの手の中に射精した。
「ボクのもして」
僕は便座の蓋の上に座り、坂野さんのスラックスの前を寛げて、取り出した勃起を咥える。
「あんまりいやらしい音立てちゃだめだよ」
坂野さんはとても楽しそうだ。ペニスも限界まで硬くなっている。
もしこの秘密の遊びが見つかればただでは済まないのに、破滅と背中合わせのような行為を、きっと坂野さんはこれからもやめられないんだろう。
色んなパパと色んなプレイをしてきて、僕は人の性癖というものの奥深さを少しだけ知った気がする。
けど今は、そんな難しいことよりも、坂野さんをイかせることだけに集中した。
早くここを出て、ホテルへ行きたいから。
因果関係は分からない。おじさんと寝ているとおじさんを引き寄せるフェロモンみたいなものがでるのかな。
それとも、僕自身が無意識に隙を作っているんだろうか。
いたずらをされたいという願望が、滲み出ているのかも。
*
制服を着て、満員電車に乗っていた。
ぎゅうぎゅうの車内で、ドア横の手すりに寄り掛かるようにして、少し俯きがちに立っていた。
周りはみんな音楽を聴いていたり、スマホを見ているばかりで、僕に注目している人なんて誰もいない。
僕は、じっと唇を噛んで耐えていた。
先ほどからずっと、僕の脚の中心をまさぐっている手のせいで、油断すると声が漏れてしまいそうだから。
最初、指の背でゆるく撫でるようにしていた手は、徐々に大胆になっていって、僕の膨らみを揉み込むようにしてはっきりと刺激を与えてくる。
手の主は分かっている。僕の前に立っている三十代後半のサラリーマン風の男。右手で持った鞄で僕の腰のあたりを隠すようにして、左手で僕を弄んでいる。顔は何食わぬ顔で窓の外を見ていた。傍から見れば、満員電車にうんざりしているどこにでもいるサラリーマンにしか見えない。
カーブに差し掛かって電車が音を立てて揺れた隙に、ついに男の手が僕のスラックスのチャックを下げた。中に忍び込んできた指が、下着の上から性器をつぅっとなぞり上げる。
ぶるっと身体が震えてうなじがゾクゾクした。
さりげなく身じろいでその手を逃れようとするが、鞄で押さえられて動けない。
爪の先でカリカリと引っかかれた刺激で、先端がじわっと濡れる。
手すりをぎゅっと握りしめて、ちらりと男の顔を見上げた。横目で素早く僕を見た男が、口元にうっすらと笑みを浮かべた。僕は再び顔を伏せ、周りから不自然に見えないように振る舞うことに神経を集中する。
じわじわと染みが広がっていく下着の上を這い回る指。
どうか、どうかバレませんようにと祈る。
*
「こんなにパンツ濡らして、恥ずかしいよヒナくん。ボクよりよっぽど興奮してんじゃん」
男が喋るたびに、耳のうしろに生温かい息がかかる。おしりには、スラックス越しに男の勃起が押し当てられていた。
駅構内の、あまり利用客がいないトイレの個室。
僕は身体を壁に押し付けられて、背後から下半身をまさぐられている。
「ほら、こんなにガチガチにして」
下着から取り出した僕のペニスを扱きながら、「ヒナくんも楽しんでくれて良かったよ。またしようね、痴漢プレイ」とねっとり囁く。
男は坂野さんといって、この日の僕のパパだった。
痴漢プレイをさせてくれる男の子を探していて僕と知り合ったのだ。
僕は今日、待ち合わせた別の駅のトイレで、坂野さんが用意していたどこかの高校の制服に着替えて、帰宅ラッシュの満員電車に乗った。そして、坂野さんと秘密のプレイを楽しんでいたのだ。
僕のペニスを忙しなく扱きながら、坂野さんが腰を動かして興奮をすりつけてくる。おしりの奥が疼いて、僕の腰も勝手に揺れる。
「たくさん人がいるところでこっそりおちんちんイタズラされて、感じちゃったんだ? ヒナくんが必死で声ガマンしてる顔見てたら、勃起しそうで大変だったよ。本当に痴漢される時もああなの? それ煽ってるよ」
坂野さんのもう一方の手がシャツの上を這い、ボタンを外して忍び込んでくる。インナーの上から乳首をコリコリと転がされて、声が漏れそうになった。
坂野さんが「シーッ」と囁く。
「駄目だよ。誰かに聞かれちゃうかも。このあとホテルでたっぷり可愛がってあげるから、それまで我慢我慢」
僕は両手で自分の口を押えて必死に声を殺した。坂野さんの手の動きが激しくなって、間もなくして僕は坂野さんの手の中に射精した。
「ボクのもして」
僕は便座の蓋の上に座り、坂野さんのスラックスの前を寛げて、取り出した勃起を咥える。
「あんまりいやらしい音立てちゃだめだよ」
坂野さんはとても楽しそうだ。ペニスも限界まで硬くなっている。
もしこの秘密の遊びが見つかればただでは済まないのに、破滅と背中合わせのような行為を、きっと坂野さんはこれからもやめられないんだろう。
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