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第一章 メス堕ち前夜
第十九話 洗脳(3)
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穏やかに響く女性の声が、頭の中をこだまする。
聞いているだけで、頭がぼーっとしてしまう。
(その調子。声を聞くだけで、いいの)
だめ……ぼくもう……だめに……なっちゃう。
(だめになっていいの。気持ちよくなっていいの。頭がふわふわしてくるでしょ?)
ふわふわ……頭ふわふわしちゃうの。
(ふふっ。いいのよ。何も考えなくていいの。私の声に耳を傾けて、ひたすらボーっとしていればいいの。お人形さんのように、ただ流れに身を任せるの。そうしたらもっと気持ちよくなれるわ。ふわふわした気持ちになれるわ)
ふわふわ、好き。気持ちいい。もっとふわふわしたいの。
(ふふっ。いい娘ね。目が死んでいて、とってもいい感じに仕上がっているわ)
「いい感じ? しあがってる?」
どういう意味?
(こっちの話よ。いい娘は気にしなくていいの。じゃあ早速聞くわ。あなたは男の子? それとも女の子かしら?)
ゆったりした声が、頭の深いところに響いてくる。
頭を揉み解すように、心の奥に伝わってくる。
えーっと。
ぼくの性別? だってそれは言うまでもなく……。
「男の子なの。ぼく、男の子……なの」
(そうなの? 本当かしら)
なんだろう。声が急に冷たくなった気がする……気のせい、かな?
(ねぇ。目の前に映っている娘をよく見て。とっても可愛いわね。お顔がとってもキュートだし、体もスベスベで柔らかそうよ。そう思うでしょ?)
「ぅん……」
(あれがあなたよ。そこに映っているのはあなた。もっとよく見るの。自分の体をよく見るの)
ショーツにブラをしている、胸の大きい女の子が映っている。
あれだけど、僕は、たしか男の子のはず。おかしいな。
(もう一度聞くわ。あなたは男? それとも女かしら)
「……おとこのこ……だと思う。多分」
(多分? ふふふっ。随分あいまいね。自信がないのかしら。そうだ。あなたに似合うお洋服を用意したの。椅子の上を御覧なさい)
あれ? どこから出てきたの? このひらひらした服って……。
「スカート?」
(そうよ。お花の模様が素敵でしょ。ふふっ。着てみたいでしょう。あなたは女の子のお洋服を見れば見るほど、着てみたくて、たまらなくなってしまうの)
そ、そんなわけ。
(そんなわけ、あるのよ。あなたは女性の服を着たい衝動から逃れられない。可愛らしい格好をせずにはいられない。ほら)
ピーーーーーという高い音が頭に響く。
聞けば聞くほど。頭が痺れてくる。
(そうよ。あなたは可愛らしいお洋服を、着たくて着たくて、たまらなくなるの。着飾りたくなるの。ほらっ。目の前に欲しいものがあるでしょ? 穿いてみたいんでしょ。ほらっ)
ピーーーーーーーーー。
あれ? 手が勝手にスカートをつまんで。
ぼく、なんでこんなことを、やっているの?
(ヒダヒダのあるフレアスカートよ。シルクの手触りが素敵でしょ。かがんで脚の下から通すの。そうよ、上手ね)
なんで……動いちゃう……の? ぼくの、体。
はいちゃうの? スカートを?
(そう。そんな風に腰まで上げるの。そうよ。できたわね。じゃあ次はブラウスも着てみましょうね)
また、勝手に……。
僕の手が勝手にピンクのブラウスへと伸びていく。
スカートにお揃いの花柄のブラウス。
なんでぼく、胸がキュンとして。
でも、違うの。女の子の服を着て、着られて嬉しい、なんて考えてないの。
そんなこと、思ってないの。
(ふふっ。どうかしら。鏡の中の自分をよく見なさい。ショートヘアーに、食べちゃいたいくらい可愛らしいお顔。それにこんなに綺麗なブラウスにスカート。よく似合っているわ)
似合ってる……。
鏡の中の子は、女の子らしい装いで更に可愛らしさを増している。
それは、どうしても否定できない。
(ふふっ。こんな可愛いお洋服が似合うの、女の子しかいないわよね)
女の子しかいない。
その言葉が、頭の中で何度もこだまする。
(こんなお洒落なお洋服が似合うのは?)
「……女の子……しかいないの」
(ふふふっ。そうよね。女の子しかいないわ)
女の子が、トロンとした目で見つめてくる。
(もう一度聞くわ。あなたは男? それとも女かしら)
鏡の中の女の子は、困った顔を浮かべている。
ぼくは男の子のはずで、でも、鏡の中の子はどう見ても女の子で、でも鏡の中の子は僕だから……。
あれ? どいうこと?
「わからない」
(まだわからないの? 自分で言ったじゃない。『女の子しかいないって』)
「そ、そうだけど……」
(お胸を触ったら、自覚できるかしら。女の子としての自覚が芽生えるかしら)
あれ、手がまた勝手に。
今度は、胸の方に。
胸……膨らんでる……。
手に合わせて、乳房が柔らかく変形する。
胸からも、手からもおっぱいの感触が伝わってくる。
変な感じ。
(これは乳房よ。揉み心地のいい、きれいなおっぱいよ。もう一度聞くわ。可愛らしいおっぱいがついているあなたは男の子? それとも女の子?)
ピーーーーー。
そう。目の前の娘は……ぼくは……自分は……。
「……女の子だと、思う」
(そう。あなたは女。食べちゃいたいくらい可愛い女の子)
「そう……なのかな」
ピーーーーー。
頭の中の音が、さらに大きくなっていく。
(私の言葉を繰り返すの。そうすれば、もっともっと女の子になれるわ)
もっと女の子に?
あぁダメ……。もう何も考えられなく……。
(そう。あなたは可愛い女の子。オスに恋するエッチなメス)
「女の子? 恋する? メス?」
(そう。あなたは女。男は異性)
「オンナ……ボク? オンナ、オトコ……イセイ?」
(アタシはメス。オスが欲しくて欲しくてたまらない淫乱なメス、オンナ)
「アタシ、メス? オンナ? オス……ホシイ……の?」
(いい娘ね。もっと自分に言い聞かせるの。あたしは女って。エッチなメスって)
「あたし、オンナノコ メス アタシ…」
お口が……動いちゃうの……勝手に。
でも、キモチイイの。
声に出すと、キモチイイの。
「あたし オンナノコ あたし おんなのこ メス……エッチなメス……」
(ふふふっ。その調子よ。もっともっと堕としてあげるわ。取り返しのつかないくらい、淫乱なメスに)
聞いているだけで、頭がぼーっとしてしまう。
(その調子。声を聞くだけで、いいの)
だめ……ぼくもう……だめに……なっちゃう。
(だめになっていいの。気持ちよくなっていいの。頭がふわふわしてくるでしょ?)
ふわふわ……頭ふわふわしちゃうの。
(ふふっ。いいのよ。何も考えなくていいの。私の声に耳を傾けて、ひたすらボーっとしていればいいの。お人形さんのように、ただ流れに身を任せるの。そうしたらもっと気持ちよくなれるわ。ふわふわした気持ちになれるわ)
ふわふわ、好き。気持ちいい。もっとふわふわしたいの。
(ふふっ。いい娘ね。目が死んでいて、とってもいい感じに仕上がっているわ)
「いい感じ? しあがってる?」
どういう意味?
(こっちの話よ。いい娘は気にしなくていいの。じゃあ早速聞くわ。あなたは男の子? それとも女の子かしら?)
ゆったりした声が、頭の深いところに響いてくる。
頭を揉み解すように、心の奥に伝わってくる。
えーっと。
ぼくの性別? だってそれは言うまでもなく……。
「男の子なの。ぼく、男の子……なの」
(そうなの? 本当かしら)
なんだろう。声が急に冷たくなった気がする……気のせい、かな?
(ねぇ。目の前に映っている娘をよく見て。とっても可愛いわね。お顔がとってもキュートだし、体もスベスベで柔らかそうよ。そう思うでしょ?)
「ぅん……」
(あれがあなたよ。そこに映っているのはあなた。もっとよく見るの。自分の体をよく見るの)
ショーツにブラをしている、胸の大きい女の子が映っている。
あれだけど、僕は、たしか男の子のはず。おかしいな。
(もう一度聞くわ。あなたは男? それとも女かしら)
「……おとこのこ……だと思う。多分」
(多分? ふふふっ。随分あいまいね。自信がないのかしら。そうだ。あなたに似合うお洋服を用意したの。椅子の上を御覧なさい)
あれ? どこから出てきたの? このひらひらした服って……。
「スカート?」
(そうよ。お花の模様が素敵でしょ。ふふっ。着てみたいでしょう。あなたは女の子のお洋服を見れば見るほど、着てみたくて、たまらなくなってしまうの)
そ、そんなわけ。
(そんなわけ、あるのよ。あなたは女性の服を着たい衝動から逃れられない。可愛らしい格好をせずにはいられない。ほら)
ピーーーーーという高い音が頭に響く。
聞けば聞くほど。頭が痺れてくる。
(そうよ。あなたは可愛らしいお洋服を、着たくて着たくて、たまらなくなるの。着飾りたくなるの。ほらっ。目の前に欲しいものがあるでしょ? 穿いてみたいんでしょ。ほらっ)
ピーーーーーーーーー。
あれ? 手が勝手にスカートをつまんで。
ぼく、なんでこんなことを、やっているの?
(ヒダヒダのあるフレアスカートよ。シルクの手触りが素敵でしょ。かがんで脚の下から通すの。そうよ、上手ね)
なんで……動いちゃう……の? ぼくの、体。
はいちゃうの? スカートを?
(そう。そんな風に腰まで上げるの。そうよ。できたわね。じゃあ次はブラウスも着てみましょうね)
また、勝手に……。
僕の手が勝手にピンクのブラウスへと伸びていく。
スカートにお揃いの花柄のブラウス。
なんでぼく、胸がキュンとして。
でも、違うの。女の子の服を着て、着られて嬉しい、なんて考えてないの。
そんなこと、思ってないの。
(ふふっ。どうかしら。鏡の中の自分をよく見なさい。ショートヘアーに、食べちゃいたいくらい可愛らしいお顔。それにこんなに綺麗なブラウスにスカート。よく似合っているわ)
似合ってる……。
鏡の中の子は、女の子らしい装いで更に可愛らしさを増している。
それは、どうしても否定できない。
(ふふっ。こんな可愛いお洋服が似合うの、女の子しかいないわよね)
女の子しかいない。
その言葉が、頭の中で何度もこだまする。
(こんなお洒落なお洋服が似合うのは?)
「……女の子……しかいないの」
(ふふふっ。そうよね。女の子しかいないわ)
女の子が、トロンとした目で見つめてくる。
(もう一度聞くわ。あなたは男? それとも女かしら)
鏡の中の女の子は、困った顔を浮かべている。
ぼくは男の子のはずで、でも、鏡の中の子はどう見ても女の子で、でも鏡の中の子は僕だから……。
あれ? どいうこと?
「わからない」
(まだわからないの? 自分で言ったじゃない。『女の子しかいないって』)
「そ、そうだけど……」
(お胸を触ったら、自覚できるかしら。女の子としての自覚が芽生えるかしら)
あれ、手がまた勝手に。
今度は、胸の方に。
胸……膨らんでる……。
手に合わせて、乳房が柔らかく変形する。
胸からも、手からもおっぱいの感触が伝わってくる。
変な感じ。
(これは乳房よ。揉み心地のいい、きれいなおっぱいよ。もう一度聞くわ。可愛らしいおっぱいがついているあなたは男の子? それとも女の子?)
ピーーーーー。
そう。目の前の娘は……ぼくは……自分は……。
「……女の子だと、思う」
(そう。あなたは女。食べちゃいたいくらい可愛い女の子)
「そう……なのかな」
ピーーーーー。
頭の中の音が、さらに大きくなっていく。
(私の言葉を繰り返すの。そうすれば、もっともっと女の子になれるわ)
もっと女の子に?
あぁダメ……。もう何も考えられなく……。
(そう。あなたは可愛い女の子。オスに恋するエッチなメス)
「女の子? 恋する? メス?」
(そう。あなたは女。男は異性)
「オンナ……ボク? オンナ、オトコ……イセイ?」
(アタシはメス。オスが欲しくて欲しくてたまらない淫乱なメス、オンナ)
「アタシ、メス? オンナ? オス……ホシイ……の?」
(いい娘ね。もっと自分に言い聞かせるの。あたしは女って。エッチなメスって)
「あたし、オンナノコ メス アタシ…」
お口が……動いちゃうの……勝手に。
でも、キモチイイの。
声に出すと、キモチイイの。
「あたし オンナノコ あたし おんなのこ メス……エッチなメス……」
(ふふふっ。その調子よ。もっともっと堕としてあげるわ。取り返しのつかないくらい、淫乱なメスに)
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